最近プレイしたゲーム(23):フレッシュフィッシュ

 GWに入りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 私は3日連続でボードゲーム会に出て遊びほうけるという有様です。さすがのkaz20001も 3日連続豪遊は猛省・・・。

 というわけで本日のボードゲームレビューは、あの緑のオッサンことフリードマン作「フレッシュフィッシュ」です。
初版が1997年というかなり古いゲームで、しかもたった300部しか作られなかったいわくつき(再販版も多分1000部ぐらいしか世界にない)。どういう因縁か、今回はこの初版版(だと思う)でプレイする機会がありました。
 ゲームリンク誌のVol.1でアンドレア・マイアーがこれを好きなゲームとして挙げていたので何気にそのころからずっと気になっていたので、遊ぶ機会が得られたのはうれしい限り。

 ゲーム内容は町にある4つの供給源(港、製油所、原子力発電所、2Fシュピーレ)から、ボード上の自分の対応する目的地(魚屋、ガソリンスタンド、廃棄物処理所、ボードゲームショップ)まで道路でつなげるのが目的。もっとも短い距離でつなげたプレイヤーが勝利する、というのが基本ルール。


↑ゲーム開始時と終局図。目的地まで道路でつなげることが目的。最終的には全部のマス目が埋まることになる。

 ただ、このゲームの厄介なところが肝心の供給源と目的地をつなげる道路が「自分で引けない」という点。これがこのゲーム最大の特徴であり、パズル的でありながら、プレイヤー間の駆け引きが熱くなる要素でもあります。

  • プレイヤーが自分の手番にできることは「建設予定地を予約する」もしくは「建設タイルを引く」こと。
  • 「建設予定地を予約する」場合は手元にある自分の色のキューブを、建設したいマス目に置くことになる。初手番の時だけはボードのどの位置にも置けるが、その後は「ほかのキューブが置かれているマスの隣」か「道路の置かれているマスの隣」にのみキューブが置ける。
    • 初手番から一巡の間はかならず「建設予定地を予約する」を行う必要がある点だけ注意。その後は任意。 
    • キューブは最初は6個しかなく、目的地を建設するごとに2個まで追加される。まずは4か所の供給源の近くにキューブを置くことがセオリー(じゃないかな?)

←建設予定地用のキューブを置いているところ。

  • 「建設タイルを引く」場合は山から1枚建設タイルを引きます。このとき「目的地」のタイル(魚屋、ガソリンスタンド、廃棄物処理所、ボードゲームショップ)であった場合、まだその目的地を建設していないプレイヤー同士で競りを行います。
    • この競りはいわゆる「にぎり」の一発勝負。初期所持金は15ですが、このお金は無くなるだけで増えません。また、最終的な勝利条件にも関係しますので、いくら落札をしたいといってもあまり高値を付けるわけにもいきません。
    • 落札後は、マップ上に確保した自分の建設予定地に目的地タイルを設置します。対応する供給源のそばに置くのがセオリーですが、最終的に「道路でつないだときの距離」が重要ですので、むやみに近くに置けばいいというものでもありません。以下はその例になります。

供■ ←このように道路でつながれば「距離1」
  目
■■
供目 ←これだと供給源と目的地が隣り合っているが、道路の数は2つなので「距離2」

  • 建設タイルにはただ障害物となる邪魔な建物も存在し(およそ山の半分)、その場合は自分の建設予定地にそれらの建物を建てなければなりません。基本的には邪魔ですが、場合によってはほかのプレイヤーの妨害になったり、この後に説明する「道路」の建設をコントロールする重要な役割もあります。
    • そのため、この建物を置くための予定地もいくつか確保しておいたほうが良いです。道路建設も計画しつつ、建設予定地を確保しましょう。

 さてここまでがプレイヤーが「自分でコントロールできる」要素。そしてこのゲーム最大のキモである道路建設。これは以下の二つの大原則をまず覚えておく必要があります。

  • すべての道路は最終的につながる。
  • すべての建物には道路が隣接する。

 何らかの建物が建設された場合、このふたつの原則を守るように道路は「自動的に」建設されます。正直このルールわかりづらいなんてもんじゃなく、このゲームの難易度を明らかにこの要素が跳ね上げています。こればっかりはうまく説明できる自信がありません…。
 たとえば、建物(目的地となるもの)を建てた結果、以下のような状態になったとします。この場合、1の位置に自動的に道路が建設されます。
  1 ←ここに道路が作られる。
 建□建
  目 ←この目的地に道路をつなげる必要がある

 □の位置にはまだ建物か道路のどちらかになるかはわかりませんが、もし□に建物が建設された場合、そこにつながるための道が必要となりますそのため、1は必然として道路が自動的に建設されるわけです。
 もし以下のような状態となった場合は、袋小路となっている建物に道路がつながる必要があるため、1と2が自動的に道路となります。

  1 ←1と2に道路が作られる。
 建2建
 建目建 ←この内側の建物(目的地)は1、2の道路がないと外とつながらないため道路が自動で生える。
  建

 …えー。この例で理解していただけたでしょうか? 自分で言っていてもまだ混乱する…。
 ともかく道路が自動的に作成される、という点が重要です。この道路の自動生成の法則を理解し、道路作成をうまく操ることが勝利のカギ。

  • 道路の自動生成によって建設予定地が道路にされてしまう場合も多々発生します。その場合予定地に置いたキューブは手元に戻ります。
  • 最終的に建設タイルがすべてなくなった場合は、自分の建設予定地に道路タイルを任意に配置できます。 とはいえ、多分そのころにはほとんど決着がついていると思われますが…。
  • 道路の生成によっては目的地と供給源が離れすぎたり(15マス以上)、接続できない事態に陥ることがあります。この場合は接続失敗として最終特典に+14となります。

 すべてのマス目が埋まったところでゲーム終了。最終的に供給源と目的地をつなぐ道路の数から手持ちのお金の数を引き、もっとも数値が小さいプレイヤーの勝利となります。

 さて、このゲームをプレイした皆が統一した感想としてあげたのが「このゲームを考えたやつ頭おかしい」でしたw
 そのぐらい、このゲームかなり独特のプレイ感覚で、非常にパズル的でありながらプレイヤー間の駆け引き要素も強いです。それでいて道路建設が複雑極まりなく、慣れるまでにはかなりの時間を要しました(いまだに若干混乱しますが)。
 それでいながらプレイ時間はそんなに長くなく(40分ぐらい?)、プレイ後感は良いという非常にわけのわからないゲームです。さすがはフリードマンと言わざるを得ない。

  • このゲーム終了後、参加したプレイヤー間でゲームの攻略に対する感想会が開かれるあたりがこのゲームの魅力を物語っていると思われます。

 さすがに市場に出回った数が数ですのでプレイできる機会は少ないと思われますが、どこかで機会があればプレイしてみる価値はあると思います。ただ、その場合は道路設置のルールを把握した人と一緒にプレイしようねw