ゲームマーケット2012秋に出品されたゲームで遊んでみた(その2)

 前回はこちら→http://d.hatena.ne.jp/kaz20001/20121120/1353421442
 ゲームマーケット2012秋で購入したゲームレビューの続き。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

●あやつりキングダム(ワンドロー)

  • ワンドローの新作として話題を集めていた「あやつりキングダム」。世にも珍しい2〜3人用という少人数用のドラフトゲームということで結構注目していたゲームです。今回は3人プレイでの感想を。

 

  • プレイヤーはターン開始時にランダムに「職業カード」が3枚配られます。で、ここから1枚を獲得→残りを隣に回す→回ってきたカードからさらに1枚獲得と、計2枚を獲得します。こうして獲得した職業カードをスタートプレイヤーから順に1枚ずつ使用していきます。
    • 職業カードは資源である食料、金、兵力を獲得する「料理人」「錬金術師」「鍛冶屋」や、資源を得点化する「象」、役割の能力を奪う「小悪魔」に職業カードを殺す「死神」、次スタートプレイヤーになる「将軍」、場の建物やイベントを操作する「財団」「隠者」など全部で9種類あり、とりわけ資源を獲得できる職業はなにをやるにも重要なカード。それだけに「死神」や「小悪魔」できっちり妨害していくのが重要になります。

 
↑建物カード。場に3枚公開されていて、うち1枚を建設可能。

  • 資源を使用して「建物」を建てることもできます。この建物は得点になるほか様々な特殊効果がついており、場を有利にできます。オススメは職業の効果を高める系の建物で、これがあるとかなり有利に進めることができるでしょう。
  • 全てのプレイヤーの行動が終了後、イベントカードをめくります。公開したイベントカードの内容を適用し、建物カードを補充してターンエンドとなります。


↑イベントカード。全部で4枚ある。

    • イベントカードはプレイヤーにとってプラスとなるカードとマイナスのカードがあり、とりわけやっかいなイベントが、建物一つごとに資源を支払わないとその建物を破壊する「徴税」で、このイベントに備えて資源を残しておいたり、「隠者」で後ろに回すなどが有効です。あるいは建物は壊されるものと割り切り、資源を「象」で得点化してしまうのも手でしょう。ただし、後半は「死神」や「小悪魔」の効果が怖いため、「象」に頼り切るだけでなく、ある程度建物を立てていく必要もありますが。
  • 使用する職業が2枚であるところなど、ゲームバランスは「よくばりキングダム」譲りなところがちらほらと散見され、全然違うルールなのにそれっぽい雰囲気があります。少人数用ゲームとしてはよくまとまっていて、プレイ時間が短めでさっくりできるところも良い感じ。
  • ただ気になった点として、パッケージやキャラクターのイラストが不気味なことw 正直これキングダムシリーズの雰囲気と違いすぎる気が。この絵が怖いので買わなかったという人を知っているだけに、イラストはもうちょっとなんとかならなかったのでしょうか。


●貨モッツア(新ボードゲーム党)

  • ボードゲームサークル「新ボードゲーム党」制作のオリジナルゲーム。ゲームシステム的には「バッティング」系のゲームになるのでしょうか? いかに手札の貨物を輸送するかを競うゲームです。


↑二つの港。ここに公開された貨物船が運べる荷物の重量になる。

  • ラウンド開始時、場にある二つの港に「貨物船カード」を公開します。この貨物船に書かれた数字が、このラウンド中に運べる貨物の重量限界となります。


↑各プレイヤーの手札。この荷物を輸送するのが目的。

  • スタートプレイヤーから順に、手札の貨物カードを1〜2枚伏せて出し、その後どちらの港にそれを運ぶか「港カード」を伏せて出して選択します。全員が出したところでそれを一斉公開し、貨物が輸送可能化を判定します。


↑カード公開。

  • 公開後、それぞれの港に運ばれる荷物の「重量」を合計し、その合計値が「貨物船カード」の数値以下になっていれば輸送成功として得点となりますが、数値を超えてしまった場合、あえなく船は沈没し貨物も沈んでしまいます(0点となる)。いかにほかのプレイヤーとバッティングしないように避けつつ貨物を積み込めるかが勝負の分かれ目。貨物の数値も絶妙な値で、最大人数の5人でプレイすると相当うまく出し抜かないと沈没しまくりのエライ事になりますw
    • とりわけきついのが重量20もある「金塊」。ただでさえ運びにくいのに、「ネズミ」と一緒に出されると食べられてしまう(無効になる)ため、輸送は至難の業。
  • 1プレイが結構軽く、それなりに考えどころもあって素早く勝負がつくかなりの力作。バッティング系ゲームとしてかなり面白いゲームではないでしょうか。オススメです。


●ヤジルス(ゼロハウス)

  • 矢印をつなげていくという、ほかに類を見ないアナログチックなテーマのゲーム。

  • ルールは簡単で、最初に配られた4枚を手札をスタートカードから「矢印がつながるように」つなげていく。ほかの矢印に重なったらいけないことと、テーブルからはみ出してはいけないため、皆執拗に次以降のプレイヤーが困るような置き方をしていきます。


↑机端っこの攻防w カードが完全に浮いています。

  • こうしてカードを出していき、誰かが4枚出し切るか全員パスしたらラウンド終了。その時点で残った手札はマイナス点として確保し、次ラウンドへ。誰かがマイナス7点に到達したところでゲーム終了という流れ。
  • 面白いのがこうして引き取ったマイナス点を次ラウンド以降、テーブル上の障害物として使用できることw このカードに矢印が被った場合、そのカードを置いたプレイヤーにカードを渡せるため、うまいところ自分のカードに誘導しようとする流れが展開されます。


↑壁配置。大変邪魔w

  • 他にもカードに書かれた特殊効果がその矢印が向いているプレイヤーが受ける、といったいい意味であやふや、力の抜けたルールなのが良い塩梅で終始楽しみながらプレイできます。ルールがあんまり厳密ではないので、ある程度プレイヤー間で調整する必要はありますが。


●ディブディブ(オインクゲームズ)

  • オインクゲームズ今回の新作は、なんとあの前回レビューした「うそつきばかり」のリメイク。


↑箱デザイン。相変わらずここのゲームデザインは独特でかっこいい。

  • ゲーム内容は完全に一緒で、袋からチップを移動→判定という流れはまったく同じ。ゲーム性は基本変わっていないがチップが大きめになっているためそれほど一度につかめないようになっている。


↑袋から取り出すところ。

  • 前回のレビューで褒めた、チップを数えるための箱がついていないので袋から取り出してちゃんと数えないといけないことだけは面倒かも。この点は玉入れの数え方と同じでお互いの袋から取り出すようにすると数えやすかった。
  • 「うそつきばかり」の面白さは損なわれていないので、今プレイするなら手に入りやすいこいつでいいかな。


●カリスマ大作戦(民宿IZMD)

  • ゲームマーケットではおなじみとなった東方二次創作系カードゲーム。特定世代に強烈にアピールする箱が特徴w


↑箱デザイン。このデザインで笑える人間は確実におっさんw

  • 私の中で東方二次創作系ゲームはたいてい「どっかで見たルールを東方キャラに置き換えたやつ」というイメージなのですが、このゲームもその例に漏れず、ほぼまんま「フリンケピンケ」です。

 
↑カードを出して、得点札を引いていく。

  • ルールが名作「フリンケピンケ」だけあって普通に面白い作品。ただ、いつも思うのだが、東方系ゲームって何でどれもこれもオリジナルではなく、既存のゲーム置き換えばかりなのだろう。面白いオリジナルルールの東方ゲームはないものなのだろうか・・・。


都道府県Ranking!(きんしゃちゲームズ)

  • 意外に知らない日本のことが学べるクイズゲーム。今回は基本セット+拡張セット全部入りでプレイしました。

 
↑お題に沿って、そのランキングにランクインしていると思われる県にキューブを配置する。

  • 全体的な流れは「ファウナ」に近く、お題にランキングされている県にキューブを配置していきます。例えば「アメリカ人人口が最も多い県」といったお題の場合、1〜5位内にランクインしていると思われる県にキューブを置き、正解していればそのランキングに従った点数がもらえます。
    • 重要なのが1位となる県を当てても得点が低く、だいたい3〜4位あたりが高得点に設定されている点。農作物系だと北海道がとにかく強いのですが、1位をとっても点数が低いため、逆転を狙うならばリスクを承知で3、4位を狙っていく必要があります。
  • また、配置するキューブを「ヒント」マスに置くと、お題カードの裏側に書かれたヒントを見ることができます。このヒントは1〜6位までの県がわかるというかなり強力なヒントなのですが、あくまでランキングに含まれている県が分かるのみなのがミソ。


↑ヒント。1〜6位の県がわかるが、どこがどの順位かまではわからない。

  • ファミリーマート店舗数」「日照時間数」など、分かりそうでわからない絶妙な設問が多く、しっかり学びながら遊べる良作。これ小学校とかの社会の時間に使えるレベルのクイズゲームではないでしょうか。答えの冊子もなんとなく社会科の資料集っぽいですw