前回はこちら→ http://d.hatena.ne.jp/kaz20001/20130430/1367331084
ゲームマーケット2013春で購入したゲームレビューの続き。
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●小早川(オインクゲームズ)
- ゲームルールはいたってシンプル。最初に1枚だけ手札を配り(1〜15までの数字)、手番が来たら「山札からカードを引いて、それを手札と交換するか選択する」か「山札のカードをめくって、山札横に公開している札(通称:小早川)の上に重ねる」のどちらかを選択するのみ。
↑山札の横のカードが「小早川」。このネーミングは裏切り者だからなのか?
- 全員が一手番行ったところで、現在の手札で勝負に行くかどうかを選択する。勝負に行く場合は、掛金として1コインを支払う(最終ラウンドのみ2コイン)。こうして勝負に出たプレイヤー同士のカードの数字を比較し、最も数字が高いプレイヤーが勝者となる。
- ただし、ここで生きてくるのが「小早川」札。勝負に行ったプレイヤーのうち「最も数字が低い」プレイヤーは「小早川」札の数字を足した値で勝負することができるのである。これが結構大きく、一発逆転が狙えます。
- 勝利したプレイヤーはほか全員のコイン+場代(1コイン。最終ラウンドのみ2コイン)を受け取ります。全7ラウンド(だっけ?)を行い、最もコインを集めたプレイヤーが勝者となります。
- ネットではカナイ製作所の「ラブレター」っぽいという意見を聞いていたのですが、実際のプレイだと「クク」の方が近い印象。1枚交換、賭けの要素などがそれっぽいです。シンプルなゲーム性ですが、「小早川」札をめぐる駆け引きが熱い! 手軽に遊べるパーティゲームとして重宝する出来。
↑コインの模様は「小早川家」の家紋になっている。細いデザインがよくできている。
●ロストレガシー(カナイ製作所)
- 今回のゲームマーケットで話題騒然だったカナイ製作所の新作は、かの傑作「ラブレター」のエンジンを利用したまったく新しいゲーム。
↑今回のゲームはストーリー性が豊か。たった16枚のカードなのに非常に個性的。
- ゲームルールは「ラブレター」とほぼ同じ。手札は1枚のみで、山札からカードを1枚引き、1枚を捨てる→捨てたカードの特殊効果を発揮する、という流れ。前作と大きな違いは、このゲームの最終目標として場のどこかにある「失われた遺産」カードを発見するということ。
- ゲームが進行し、山札が切れたところで脱落していないプレイヤーのうち、手札に残したカードの数値が低い側から順に、場のカード(だれかの手札、または山札の横に置かれた「遺跡」カード)のどれかを指定する。そのカードが「失われた遺産」だった場合、カードを指定したプレイヤーの勝利となる。
- 手札効果には手札を見れる「盗賊」「剣士」といったカードや、カードを交換する「将軍」「襲撃」、遺跡カードに干渉できる「古地図」「調査」などがあり、これらの効果を活かして「失われた遺産」がどこにあるかを推理して行く。しかし、ただ探すだけではなく最終的にカードを指定するための順番を意識した手札管理も必要となるため、たった16枚しかないカードなのに考えることは結構多い。
- たとえば「宿命の少女」の場合、手札からだれかのカード効果で公開されると即座に脱落となるため、あまり手札に残したいカードではないのだが、数字が「1」のため、最終局面では一番初めにカードの指定ができるという利点がある。
↑最終局面。場に見えるカード、自分が確認したカードなどから推理して行く。
- 最終的に推理という手順が挟まるため、前作「ラブレター」よりもゲーム性が高まっている印象。その分、お手軽さやスピード感は減った感じがするので好みは分かれそう。個人的にはこちらのほうが面白いかな。
- 拡張カードもかなり個性豊かなので、長く遊べそう。あと相変わらず2セットで「ごいた」が出来る仕様になっているw 細かいこだわりだ。
●セイルトゥインデイア(OKAZU brand)
- ひもシリーズなどでお馴染みの「OKAZU brand」さんの500円ゲームズ作品・・・なのですが、ゲーム内容はとても500円とは思えぬ驚異的な出来。
↑ゲーム開始図。コンポーネントは「カード」+「トークン」だけのシンプルさだが中身は超本格的。
↑プレイヤーごとのトークンストック。このトークンの管理がこのゲームのキモとなる。
- ゲームの基本システムは至って分かりやすいアクションポイント制。「船トークンを移動させる」「商品コマに船トークンを載せる」「建物を建てる」「技術を獲得する」「商品を売却する」「船の移動力を上げる」「トークン雇用」といった各種アクションを一手番中に2アクションまで選択してプレイできる。
↑ステータス。「お金」や「得点」をカウントするトークンもあらかじめ雇う必要があるのが難しい。
↑各寄港地カード。移動した船を「商品」の上に配置したり、「建物」の上に配置して建築したりする。
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- 得点は、商品を複数種類売る、まだ公開されていない寄港地カードに移動するなどの方法がある。一つの得点マーカーごとに5点までしかカウントできないため、6点目以降を獲得するには新しい得点マーカーが必要となる。これがかなりイヤらしいw
- またプレイヤーは各3つまで「技術」を買うことができる。それぞれアクションを有利に進める効果だったり、ゲーム終了時の得点となるものだったり様々。とりあえず何らかのアクションごとに得点が得られるタイプの技術はどれも強めな印象。
↑技術一覧。「活版印刷」や「港湾管理」が強い気がする。
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- プレイを続けていき、最後の寄港地カードがめくられたら、そのプレイヤーから一巡手番を行い、ゲーム終了。最も点数を稼いだプレイヤーの勝利となる。
↑最終局面。最後の寄港地カードが開かれたらゲーム終了のフラグ。
- プレイ時間は大体1時間程度(慣れればもっと早いと思われるが)。500円とは思えない本格的な内容で、よくできたゲーマーゲームといった感じ。トークンや資金をうまく管理しなければならないためアクションごとにジレンマがあり、考えどころが面白い。これ500円と言わず、本格的なコンポーネントで売っていてもおかしくない程の出来。これ再販しないかな?
●シークレットガーデン(カナイ製作所)
- 本日最後は、カナイ製作所が500円ゲームズで出していた「シークレットガーデン」(テスト版)。テスト版なのでカードの印刷はコピー用紙にされていて切り離してお使いくださいという仕様。でもゲーム制はかなり本格的な一品。
↑「姫」と「旅人」カード。ストーリーは「ラブレター」の続きとなっている。
- ゲームデザインは大雑把に言うと「人狼」+「あやつり人形」といったところ。「旅人」と「姫」で構成される姫陣営と、「大臣」+4人の「兵士」からなる大臣陣営に別れ、姫陣営は「大臣」を、大臣陣営は「旅人」と「姫」のカード両方を公開すれば勝利となる。
- 人狼よろしく、ゲーム開始前に旅人と姫を持ったプレイヤーはお互いを確認できる。協力して大臣を探し出すのが重要。
↑「役割カード」。これに従い、お互いのカードを推理し、攻撃する。
- 各ラウンドの頭に、現在生き残っているプレイヤーに対し「役割カード」がランダムに配られる。このカードにはそれぞれそのラウンド中に行える行動が書かれており(「カードを公開する」「カード内容について質問する」「カードを見る」など)、役割カードに書かれた数字の小さい順に、それぞれ行動を行っていく。特に行動順はかなり重要で、お互いの陣営のカードがわかった場合は役割の順番しだいで勝敗が決まることもしばしば。
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- 「兵士」の中には、質問に対しすべて嘘をつく「うそつき兵士」が存在する。敵味方問わず、お互いの陣営にとって厄介な存在w
- なお、8人プレイ時にこの「うそつき兵士」のみ姫陣営に含めてプレイしたところ大変面白い展開になった。ローカルルールとしておすすめ。
- 「兵士」の中には、質問に対しすべて嘘をつく「うそつき兵士」が存在する。敵味方問わず、お互いの陣営にとって厄介な存在w
- 手軽に遊べる人狼タイプのゲームとしてオススメできる。早いところ製品版が楽しみ。
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今回も500円ゲームズ企画が3つもありましたが、どれもこれもレベル高ぇ!
たった500円でこれだけ遊べるゲームを押しげもなく出せるほど、ゲームマーケット市場が大きくなってきたということでしょうか。