ゲームマーケット2013春に出品されたゲームで遊んでみた(その1)

 というわけで、ゲームマーケット2013春で購入してきた数々のボードゲームを遊んでみた感想などを。

 
 
 
↑こちらは今回の戦利品。ゲームブック3冊の存在が光りますw

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●ダイヤモンスターズ(グランディング
 

  • もはやゲームマーケット常連となった「グランディング」の新作は、シンプルなバッティングカードゲーム。やたら可愛らしいモンスターたちのイラストが特徴。
    • ルールはかなりわかりやすく、山から場札を1枚めくり、そのカードを巡って手札から1枚のカードを伏せて出す→公開し、一番大きな数字のカードを出したプレイヤーが場札+出した手札を取ることができる。ただしこのときバッティングしたカードは無効となる(「ハゲタカのえじき」などでおなじみ)。獲得した札に描かれているダイヤが5個になる、あるいは同一モンスター(1〜5までの数字)を3体集めたプレイヤーの勝利となる。
    • ポイントは「場札を獲得したプレイヤー以外は、出した札を手札に戻す」ことと「勝利条件がダイヤ5個か同じモンスター3体」という二つの条件があること。場札が取れなかった場合は手札が変わらないため、手詰まりになりにくく(強いカードを無駄にすることがない)、同一モンスター3体で勝利という条件があるため、「場札と同じ手札で勝ちに行く」利点が大きい→それを阻止する戦略などが考えられ、単純なのに奥深い駆け引きが要求されるゲームとなっている。
  • グランディングは毎回良作を出しているが、今回もシンプルなバッティングゲームながらコンポーネント、バランスともにレベルが高い。個人的には今回遊んだ中ではこれがゲームマーケット2013春のベストかな。
    • 全然関係ないが、今回のゲームマーケットで購入したゲームにやたらバッティングゲームが多かった(5個ぐらいあった)。偶然なんだが、やっぱりこのシステムはゲームを作りやすいんだろうか。


●すべってコロリン(ガーデンゲームズ)

  • 今回復活した「500円ゲームズ」企画の一作品。シンプルなすごろくゲームなのですが、一発逆転度が高い面白いシステムになっています。
    • 手番が来たらプレイヤーは三つの6面ダイスを振り、その合計値分進むことができるのですが、1と2の目を出すとペンギン達はすべって転んでしまうため、合計値にマイナス1か2を掛けた分だけ戻ってしまいます。
    • ただしマイナスを掛けるという特性上、1、2が複数出た場合はマイナス×マイナスでプラスになることもあるため、状況によっては一発逆転が狙えます。例えば、ゴールまでは24マスなため、「6、2、2」が出た場合、6×(−2)×(−2)で24マスを一気に進んで一発ゴールも可能。
  • モノがすごろくだけに運勝負以外の何者でもないのですが、1ゲームが非常に短く(5分〜10分)、短時間で盛り上がれるゲームです。


●闇鍋(Meeting of Board Games)

  • これも500円で購入した、シンプルなカードゲーム。
    • 各プレイヤーに4枚の食材カードを配り(残った1枚のカードはゲームから除外)、鍋奉行(ディーラー)に対して、手札から1枚カードを渡し、鍋奉行はそれを裏向きで各プレイヤーに再配布。プレイヤー達はその目の前に配られた食材カードを食べる(表向きにする)か、ほかプレイヤーの目の前のカードと交換して食べるかを選びます。これを4回繰り返し、食材の合計点数が高い(まともに食べられるやつほど高い。フルーツ札はマイナス)プレイヤーが勝者となる。
    • ディーラーがやることはカードを誰に配るかを決めるだけ、プレイヤー側はカードをめくるか交換するかを選ぶだけとシンプルなルール。ただし、マイナス札であるフルーツ系のカードについては、獲得したカードがすべてフルーツの時のみ「フルーツ鍋」として+8点という高得点が得られるため、これをめぐる駆け引きが結構熱いです。
    • なお、拡張ルールとして「鍋奉行(ディーラー)は、最初に取り除いた1枚のカードと自分の目の前のカードを入れ替えることができる」というものがありますが、これは最初から入れたほうが面白かったです。これをいれることで鍋奉行同士のカードの駆け引きも生まれますので。
  • 500円ですが印刷はしっかりしていてデザインも○。本当に最近の同人ゲームのレベルの高さが伺えます。

●赤の女王(遊星からのフリーキック)
 

  • これまたゲームマーケットの常連「遊星からのフリーキック」の新作にして500円ゲームの作品。500円という値段にもかかわらず、きっちりしたボードを使っているのが特徴的。
    • システム的にはダイスゲームなのですが結構独特なルール。プレイヤーはまず手番の初めに「いま自分の得点マーカーがある環境(色で区別)」をチェックし、ボード下の「環境チャート」と呼ばれる領域の同じ色のマスに黒マーカーをセットします。それから、同じく環境チャートのどこかのますに置かれている白マーカーまでのマス数を数え、これを上回る数のダイス目(2D6で判定)を出せるかどうかを予想します。
    • 出せると予想した場合、ダイスを振り、出た目の合計値>マス目の数であった場合成功となり、仮得点が得られます。その後、下家のプレイヤーは白マーカーを二マスまで移動させることができ、移動後に再度ダイス目判定を行います。成功し続ける限り、ダイスを振り続けることができます。
    • 途中でダイスを振ることをやめた場合は、それまで得ていた仮得点分、得点マーカーをすすめることができますが、失敗してしまった場合、このラウンド中に得た仮得点はなかったことになってしまうため、どこでダイスを振るのを止めるかの見極めが重要です。
    • 重要なのは次プレイヤーの手番となっても、盤上に残った白マーカーの位置はそのままなこと。黒マーカーは毎回手番プレイヤーの得点マーカーが置かれている地形にセットするため、次の自分の手番の際に有利になるように白マーカーを移動させる、ダイス判定を失敗しやすいように黒マーカーと距離を開ける、といった駆け引きが生まれ
  • ダイスゲームにもかかわらず意外と戦略性が高く、プレイ中はアブストラクトのような微妙な緊張感漂うゲーム性。500円のゲームとは思えない完成度で、さすがはゲームマーケット常連サークルといったところでしょうか。おススメです。


●テトラコンボ(カワサキファクトリー)
 

  • こちらも「カワサキファクトリー」の新作にして500円ゲームの作品。ボードやタイルの質含めて500円とは思えぬ出来。
    • ゲームシステムは二人対戦型アブストラクト。4×4マスのボード上にお互いのタイルを置き、手番ごとにそのうち一つのタイルを移動させ、テトリミノ(テトリスのタイル)の形を作っていく。ひとつ作ることができたら別のタイルを連続で移動させることができ、規定回数分テトリミノを完成させる×2回を達成したプレイヤーが勝者となる。
    • タイルの形を完成させる事に連続でプレイできるシステムがなかなかに爽快で、アブストラクトゲームとしての完成度は結構高い。そんなに時間もかからないのでちょっとした空き時間にプレイするのにも向いているだろう。
    • ただ気になったのが、このゲームお互いを妨害し合っていくと千日手が発生することがあるのだが、そのへんのルールがよくわからなかった。千日手についてはお互い決めておいたほうがいいかもしれない。


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 今回のレビューは500円ゲームズ企画のものが多め。相変わらずの玉石混交ですが、この企画自体はまた続けて欲しいところですね。