前回に引き続き、ゲームマーケット2014春で購入した新作同人ゲームの感想についてまとめ。
また時間がないので二本だけですが。
- 基本的に同人ゲームのみのレビューとなります。またあくまでゲームマーケット2014春に出品されていたゲームですので、初出が2014春ではないものも含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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●うそつき王国<キングダム>(MoBGAMES)
- 新作ではなく、2013秋が初出のゲームですが、今回ようやくプレイできたのでレビューをば。4人プレイでの感想です。
- 簡単に言うとブラフ系ゲーム。まず親手番プレイヤーから順番に「王族」「奴隷」「暗殺者」のどれかのチップ、そしてカードを伏せて場に出します。
- チップとカードはそれぞれ別の組み合わせでもよい。ただしそれなりにデメリットがある(後述)。
↑コインとカード。それぞれ3種類あり、どれを出すかがカギとなります。
- 全員がコイン&カードを出したところで、伏せカードをオープンし、そのカードの種類によって勝敗を決めます。
- 「王族」は場に「奴隷」が一人でもいれば2点。「暗殺者」によって殺されたり、全員が「王族」を出した場合は0点。ただし、「暗殺者」一人は「王族」一人しか殺せないため、「暗殺者」を出されつつも生き残ることができればそれはそれで2点となります。
- 「奴隷」は「王族」がいなければ2点。「王族」がいる場合は0点となる。ただし「王族」が「暗殺者」によって暗殺されていなくなった場合、1点が入る。地味にこの1点が強く、得点能力という意味では割と安定しています。
- 「暗殺者」はわかりやすく「王族」を暗殺できれば2点。「王族」を暗殺できなければ0点となります。暗殺者が暗殺する場合、スタートプレイヤーからみて左回りに一番近い王族からになるため、複数の暗殺者が出た場合、暗殺が空振りしてしまう場合があります。
- 例外事項として、勝者が1人勝ちだった場合、追加で1点を獲得できます。
↑カードをオープンしたところ。3枚のカードの相性により倒されたりする。
- 最終的にこれを繰り返し、6点先取したプレイヤーが勝者となります。
- 他プレイヤーが出したカードの推理条件となるのがコインである。このコイン、別にカードと同じ種類を出さなければならないというわけではないですが、もしコインとカードが違う模様の状態で負けた場合、-1点となってしまいます。そのため、コインとカードを違う組み合わせにするのはリスクがあり、これをもとに他プレイヤーの動向を推理しながら、どこで異なる種類の組み合わせを出していくかが勝負のカギとなります。
- なかなか小粒的ながら、ブラフ系ゲームとして良くできています。あえて難点を言えば、デフォルトの6点先取だと一瞬で決着つきすぎる(4人プレイでも一周しないことが多い)ため、オプションにある通り8点先取でするほうがいいかもしれません。
●1920's(じゃがいも騒動)
- ギャングたちのシノギをテーマとした、カードバッティング+エリアマジョリティというちょっと珍しい組み合わせ?のカードゲーム。
- 各プレイヤーは自陣営の構成員(1〜9)のカードを受け取ってスタートします。
- 各ターンごとに、プレイヤーは手札から1枚、構成員カードを伏せて場に出します。一斉に公開し、同数の構成員がいた場合は取り除きます(バッティング)。ここまでは通常通りのバッティングゲームですね。
↑こちらが場札。この五か所の山札(9枚1組)に、生き残った札を配置していく。
- そしてここからがこのゲームのキモ。バッティングで取り除かれなかった構成員カードは、強い(数字が高い)順に、場にある5つの山札のどこかに配置します。そして配置後、「山札に配置されているカードの合計が最も大きい」勢力が山札の公開カードを獲得します。ここがエリアマジョリティたる部分ですね。
↑カード配置。一度配置したカードは基本そのままなので、勢力が強い山札を作るようにしましょう。
- 山札は一山ごとに9枚組で、得点となる「利権カード」と追加の構成員として使用できる「コネクションカード」の二種類があります。
- 得点となる「利権カード」は取った枚数ではなく、「同じ種類のカードを集めた人数」により得点が上下するという一風変わった方法で、「どの利権カードを誰がとったのか」をきっちり把握しておきましょう。無理してとっても得点が増えないこともあれば、取られると得点が激減する(マイナスになることも)場合もありますからね。
↑利権カード。最終的に所持している人数で点数が変わる。この「賭博」は最終的にマイナスになります><
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- 「コネクションカード」は、構成員と同じように数字がついているほか固有の特殊能力を持ちます。これがまた強力で、場に配置されているカードを移動させたり捨て札にしたりとかなり影響力はデカいです。また地味ですが構成員とバッティングしないこと。また、ゲーム終了時に余った構成員カードは得点となるため、構成員カードを節約するためにも使え、見た目以上に効果がデカいです。
- ゲームは9ラウンド行い、最終的に「利権カード」の得点と、手札に残った構成員カードの強さの合計が最も高いプレイヤーが勝者となります。
↑得点計算。一度に複数の山からカードが取れることもあるので結構カードが増えます。
- バッティングとエリアマジョリティという、なかなか面白い組み合わせのゲームですが、プレイ時間がさっくり30分かからないぐらいなのに意外と考えるところが多く、システム的にはかなり良くできています。デザインも、シルエット一色というシンプルなものですがマフィアをテーマとしたゲームらしさが出ていてなかなか雰囲気はよろしい。これなんとなく会場で見たので買った衝動買いタイプのゲームでしたが結構気に入っています。
- ただこのゲーム、ちょっと気になるのがルールに一部不明瞭な点があること。ルールブックには通常ゲームに必要な分のルールはあるのですが「これはどうするのか」的な部分が書かれてなかったりして、プレイ中ちょっと考えました。面白いゲーム名だけに、その辺も含めてQ&A回答がほしいところです。とりあえずわからなかったところはこんなところ。
- 「獲得した利権カードはどのようにするのか」がわからない。これ公開なの?非公開なの? ルールには「カードを獲得」とあるんですが、これが手札に入れることなのか、別のことなのかよくわからない。コネクションを考えると手札に入れるような気もしますが。
- 同値のコネクションカードが複数同時に出た場合、配置する順番はどうなるのか? (構成員とコネクションの場合はあるが、このときのルールはどこにもないっぽい)とりあえずローカルルールとして「コネクションカード同士が被ったらバッティング」というルールを適用していました。
- ゲーム終了時、手札の構成員カードはその強さ分得点となる、らしいのだが「コネクション」カードの扱いがよく分からない。得点計算の例では「暗殺者はコネクションのため0点」とあるが、カードには「構成員として扱う」とか書いているし。あとコネクションカードが0点となるならば「工作員」も0点扱いなの?