最近プレイしたゲーム(24):ファミリア

 GW期間中につき、ボードゲームレビューも増量中。
 というわけで、前回のフレッシュフィッシュに引き続き、フリードマン作の二人用カードゲーム「ファミリア」です。


 ギャングの「ファミリア(名門)」をテーマとしたカードゲームで、二人用ながらユニークな拡大・再生産のシステムを持つゲームです。
何度かゲームリンク本誌で紹介されているので*1気になっていたのですが、昨今の個人的フリードマンブームに乗っ取り購入してみました。

  • プレイヤーはライバル関係のギャング団となり、ストリート(場札)にいるギャング達をスカウトしていきます。ギャング達にはそれぞれ能力(4種類。色で区別される)とランク(0〜4まで。高いほど得点が高く能力が強い)があり、条件に従ってスカウトできます。最終的には獲得した全ギャングの得点が高いほうが勝ちとなります。
  • ゲームは大きく分けて「1回目の山札切れまで」と「2回目以降」の2つのフェーズに分かれます。お互いの手番を行う際、それぞれのフェーズでストリートの補充方法が異なります。これによって戦略もけっこう変化するので。
    • まず手番が始まると、ストリートに並んだカードのうち任意の一枚を捨て札にし、そのカードのランク分の枚数を山札から引いてストリートに並べます。「1回目の山札切れ」までは、ランク0のカードがストリートにない場合、何度でもカードを捨て札にしても良いのですが、「2回目以降」は1回しかカードを捨て札にできません。
  • 次に手札にあるカードの特殊能力が使用できます。このタイミングでは青の「アカウンタンツ(仕切屋)」と黄の「ブルーツ(愚連隊)」の能力が使用可能。
    • 「アカウンタンツ(仕切屋)」は手札から場の事務所(獲得カードのうち、公開されている場)に置くことで発動し、手札のカードと事務所に置かれたほかのカードを入れ替えることができます。入れ替えられるのはアカウンタンツのランク分の枚数まで。
    • 「ブルーツ(愚連隊)」はストリートの任意のカードのランクをブルーツのランク分、下げることができます。かなり強力な能力で、スカウトはこのカードの能力を基本としていくとやりやすいでしょう。
  • 能力使用後はスカウトになります。ランク0のカードはただで獲得できますが、ランク1以上のカードは、同じ色でそれよりランクが1低いカード2枚を公開する必要があります。
    • 公開したカードは1枚は手札に戻りますが、1枚は消耗し事務所に置かれます。事務所のカードは使用できませんが最終的な得点計算には含めます。
    • ブルーツの能力でランクが0以下になっている場合は、ランク0とみなして獲得できます。また、獲得時に緑の「マーシナリーズ(傭兵)」のカードは、ほかの色のカードとしても使用できる(ただしランクは1下がる)。
    • 「1回目の山札切れ」までは基本ランク0カードを取り合いになります。ランク1以上のカードを取るためには同じ色のカードが2枚必要になるため、相手がどの色のランク0カードを取っていったのかはある程度覚えておくべし。

 この流れを、すべてのカードが場に公開された状態になるまで繰り返します。その後カードの得点を計算し、特典の高いプレイヤーが勝利となります。

 ルールにすると割とシンプル目なのですが、どちらかといえばプレイしてみるまではわかりにくいことが多いです。
 実際、一度目のプレイ時にはいまひとつピンとこなかったのですが、二度三度とプレイしていくうち、だんだんゲームのコツが理解できると同時に面白さが分かりだしました。フリードマンも「何度かプレイして面白さがわかる」とか言っていたらしいし、たしかにその通りだと思います。

  • まずコツとしてブルーツ(愚連隊)が最重要。こいつの「ストリートにいるカードのランクを低下させる」能力は超強力。この能力を使ってストリートにいるランクの高いカードを回収していくのが基本戦術となる。
  • そしてそんなブルーツを使いまわせるアカウンタンツ(仕切屋)。こいつを使っていらない手札をブルーツと交換して使いまわしていきたい。理想的にはランク2のアカウンタンツを2枚用意し、ブルーツとアカウンタンツを同時に回収できればなお良い。
  • ブルーツを使いまわす体制が整ったところで狙うべきは、能力こそないものの得点の高いファミリア(名門)のカード。とくにランク4のファミリアはこのゲーム唯一の15点(ほかは最大10点)なので取れればかなり勝利が固い。
  • 序盤にしくじると手詰まりになりやすいのが難点。気を付けるべきは同じ色の0ランクカード2枚がないと次ランクを取れないこと。安定性を高めるならばマーシナリーズ(傭兵)もある程度必要になるが、後半は今一つ役に立たなくなるためほどほどに。
    • よく後半アカウンタンツの餌として事務所送りにされたりしますw

 プレイ時間も30分かからないぐらいと短く、ゲーム会などでプレイ人数がそろわないときなどにちょこっとプレイするのにはもってこいです。実際、最近はゲーム会に遊びに行くときは必ず持っていく、ぐらいの定番になりました。

  • 適度に実力差が出て適度に運の要素も多いあたりが個人的には好みです。

*1:Vol.7で田中としひさ先生の「次が本番だし」でレポートされているので、併せて読むとわかりやすいよ。