今回のボードゲームレビューは、全ファミで大人気の同人サークル「ラブリー会」のゲームマーケット2013年秋新作「バスターウォーズ」です。
プレイそのものは何度か行ってはいたのですが拡張セットを使ったプレイができず、レビューが妙に遅れてしまいました。
まずはゲームのセットアップから。今回は最大6人までプレイでき、ゲーム開始前に各プレイヤーは自分が使用するキャラクタカードとチップ(5枚)を受け取ります。
- キャラクターカードは初級ルールだと特に性能差はないですが、上級ルールだと個別に異なる特殊能力が使えます。
↑キャラクターカード。どこかで見たことのあるような気もしますがw
ボードの方は箱の中に入っているボードを三つ繋げ、それぞれの両端にプレイヤーと敵NPC用のキャラクターチップを重ねて配置します。
↑マップ全体。わりと横に長いのでそれなりにスペースが必要。
- キャラクターチップを置く場所は全部で6箇所あり、大きく分けて敵の方に向かって「前衛」「後衛」といった配置になる。どのプレイヤーがどこに置くとかは決まっていないが、一応「前衛」側は移動しやすい配置だが敵の攻撃を受けやすく、「後衛」側はその反対となる。
- 敵キャラクターの方にはダイス目が描かれていて、決められた配置どおりに並べていく。基本セットだと「ザフ」並びに赤い「サー専用ザク」が敵キャラとして「デッドスター」上に配置される。いろいろギリギリすぎるネーミングとデザインだw
↑プレイヤー用のキャラチップと敵NPCキャラ用のチップ。それぞれキャラクターのHPを表している。
ゲームはまずプレイヤーに配られた行動カード(5枚)のうち、3枚をプロットして一斉に公開する。このとき公開された行動カードの「スピード」の合計値が最も低いプレイヤーから順番に行動し、カードの内容通りにアクションを行います。
↑プロットした行動カードを一斉に公開。
- このときスピードの合計値がバッティングしていた場合、そのプレイヤーは行動できない。この制限がかなりきつく、6人プレイともなれば初級ルールでもない限り(後述)バッティングが発生しまくることに。敵よりも味方の方が怖いw
- 行動カードは大きく分けて「攻撃」系と「移動」系になるのですが、味方を飛び越えて移動することは(一部のカード以外)できず、また攻撃も基本的に味方を避けて打つことはできない(味方に当たる)ため位置取りが大切となります。
- ここで先ほどの「スピード」の低いプレイヤーから行動するという制限が効いていて、より多く移動できる(ことが多い)行動カードほどスピードの値が大きいため前方の味方に引っかかりやすく、移動するだけで四苦八苦することになります。
- 攻撃により敵を攻撃した場合、敵のチップをダメージ分だけ獲得します(残りチップ数が敵HPになる)。チップは最終的に得点となるので、他プレイヤーに勝つには積極的にアタックを仕掛けたいところです。場合によっては味方を後ろから撃つこともありえるのがこのゲームの恐ろしいところw
- ちなみに最強の行動(と勝手に思っているもの)は「ブースト」。なんとこれで体当たりを食らわせると、ダメージではなく確実に敵を葬ることができるという強力な効果だが、ダイスを振って出た目のぶんダメージを受ける。そのためHP初期値5の状態であっても1/3で即死という恐怖の技ですw
- プレイヤーの行動が終了したのち、このラウンド中にプロットした行動カードをとなりのプレイヤーに渡します(ドラフトします)。これによりいつも同じ行動をとることはできなくなっています。
プレイヤーの行動が終わると敵NPCの行動となります。
- ダイスを最大6つ振り、対応する敵チップが「攻撃」→「1マス前に移動」を行います。このとき、既に対応する敵チップがいない(倒されている)場合、一度だけその目のダイスを振りなおします。
- この敵の攻撃および移動は敵NPCを素通りします。後ろ側にいる敵でも前のキャラクターを超えて移動でき、射線をふさぐことなく攻撃してくる様はちょっとした恐怖ですw プレイヤーキャラの初期HPは最大5のため、ダイスで同じ直線上にいる敵NPCの目が5個以上同時に出た場合、即死しますw ひどいバランスのような気もしますが、この一撃必殺があるためどのタイミングでも油断できません。
プレイヤー→敵のターンを繰り返していき、最終的に「デッドスター最深部」(ボード右端)にプレイヤーの誰かが到達できればプレイヤー側の勝利となり、最も得点が高いプレイヤーの勝利となります。逆に敵NPCがプレイヤー陣地(ボード左端)に到達した場合、プレイヤー側の敗北となります。
↑割と敗北寸前の状況。上級ルールだとかなり難しい。
- 得点は「獲得した敵チップ(1枚ごとに1点)」、「ゴール到達(10点)」、「失ったプレイヤーチップ(1枚−1点)」となります(ほかにもあったかもしれませんが忘れました)。
- ゲーム開始時に「初級ルール」か「上級ルール」が選択可能ですが、初級ルールの場合「行動カードを出した時のスピードの値を相談しても良い」となっており、かなりバッティングを抑えることが可能なためかなり楽ですが、上級ルールの場合はとにかくバッティングによる行動制限が厳しいです。カードドラフト時、誰にどのカードが回ったかを覚えておくのが重要(かもしれません)。
- また面白いルールとして「ダークサイド」ルールがあります。最初に配る行動カードの中に「ダークサイド」のカードを1枚混ぜます。このカードは使用できず(プロットできない)、プレイヤー側の敗北が勝利条件という裏切りキャラで、これによりぐっと勝負が面白くなります(特に後ろからブーストで突っ込んでくるのは恐怖の一言w)。おすすめの拡張ルールですね。
プロットやバッティングルールは一見緻密に見えますが、バランス的には一瞬の事故により敵を倒せたり倒されたりのサバイバルで、ターンごとの緊張感はかなりのもの。そのむちゃくちゃな展開はプレイしていてかなり爆笑でき、しかも1プレイが短いので(20分ぐらい)、繰り返し遊ぶのにも向いています。あと今回は箱にしまいやすいのも良いですねw
盛り上がれる度合いでは天空の島ラピッタにも匹敵するゲーム。個人的には最大人数6人でプレイしつつ、是非上級ルールで遊んでカオスな雰囲気を味わってもらいたいところw
<拡張セット>
でこちらはゲームマーケット当日に販売していた拡張セットの様子。敵NPCが「ヴァミラス艦隊」へと変わりますw
↑ヴァミラス艦隊の面々。サイズがデカいので圧迫感ある。
- 基本セットとの違いは、「敵NPCのサイズがデカイ(HPも多い)」事と「ダメージを与えた時に得られるチップは1点だが止めを指すと2点」であること。また敵の中心に配置する「重爆弾」は攻撃こそしてこないのですが通常のビーム攻撃が効かない(接近武器などは効く)こと、などが違います。ゲームバランスが極端に変わるわけではないので、基本セットとユニットを混ぜて遊ぶ(前衛を「サク」、後衛を「ヴァミラス艦隊」のようにして遊ぶこともできそう。
- 「重爆弾」をとにかく止めないと、確実に敗北してしまうためどうやってこれを倒すかが鍵となります。「ブースター体当たり」もこいつを倒す場合は重要な攻撃手段。
- どうでもいいですが拡張セット用の箱は結構小さめで、きっちり整理しないとうまく入りません。あと箱絵などもないので関係のない箱と見分けがつかないw 多分かなり急いで作ったんだなぁ。苦労の跡が忍ばれます。
このルールの場合、いろいろなロボットアニメを再現できそうなので、次はぜひ「スーパー○ボット大戦」的な拡張を出していただきたいですねw