ゲームマーケット2011春に出品されていたゲームで遊んでみた(後編)

 というわけで、先日の感想の後編です。

  • ダチョウサーカス(カワサキファクトリー)

    • ダチョウたちのサーカス団が、バスで海に突っ込んだり、火の付いた棒でリンボーダンスしたりと無茶な芸をしていくゲーム。なんだか無茶な設定なのは、後々のルールに関わってくる重要な要素。
    • プレイヤーは場に5枚出た芸カード(最初は2枚だけ表)を受け取るかどうかをカードを使って宣言していく。受け取る場合は「俺がやるよ」、受け取らない場合は「どうぞどうぞ」カードを場に出すことになる(そう、あの「ダチョウ」ですねw)。
    • で、もし「俺がやるよ」を出したプレイヤーが一人だけならば場のカードを受け取り、受け取った芸カードの枚数分「チキンチップ」を返すとこが出来ます。逆に「どうぞどうぞ」とラウンドから脱落したプレイヤーは、裏返しになっているカード+1分だけ「チキンチップ」を受け取る事になります。
    • この芸カードは、同じ種類の芸であれば2枚まではプラス得点ですが3枚以降はマイナス点になってしまいます。また、チキンチップはマイナス2点として数え、最終的に山札が亡くなったところで、芸カードの点数とチキンチップの点数を合計し、最も点数の高いプレイヤーが勝利となります。
    • 基本的にはチキンゲームなのですが、「俺がやるよ」「どうぞどうぞ」をなるべく口に出してプレイすることw そうすると半端無く盛り上がります。ゲーム的にも得点の取り方が絶妙なため、どのタイミングでどのカードを取るかなど結構考える事もあり、意外に奥が深いです。
    • ただ、「俺がやるよ」「どうぞどうぞ」のカードが芸カードとサイズが違うため、良くあるトレカケースを使うと微妙に収納しにくいですw なぜこのカードだけサイズが違うのだろう・・・謎だ。
  • ワンダフル映画祭(King's Court)

    • 映画祭に向けて映画を作成する、というテーマの影に多量の毒が含まれている希代のバカゲーw 今年の再販版を購入し、拡張版なども突っ込んだ状態でプレイしています。
    • 上記の共有ゲームボード上に、毎ターン映画を撮るために必要なスタッフ(監督やら役者やら演出やら)をランダムに配置し、こうして並んだチップをプレイヤー同士で取り合います。無事獲得できたら、最初に3本受け取った脚本(どんな映画を撮るか)シートに配置していき、自分だけの映画を作っていきます。
    • 真面目にやればどこまでも真面目に出来るのですが、このゲームの醍醐味はなんと言っても「それはないだろうw」という爆笑モノのスタッフによる映画をでっち上げる事。例えば「あしたのジョー」を作成したら「矢吹丈北村一輝で、力石徹和田アキ子」だったり、「失楽園」を撮ったら「小栗旬米倉涼子主演で、監督がチョコボール向井」だの、もうなんでそうなった、といわんばかりの謎キャストが完成します*1


↑この時のプレイ時に最も得点を稼いだ「私のスキーに連れて行って」。監督が「黒澤明」で、主演男優「大滝秀治」のラブコメという、そんじょそこらじゃお目にかかれないキャストw

    • 凄く面白いのですが、コンポーネントそのものは厚紙程度なので、折れたり壊れやすかったりするのが難点。箱も速攻壊れるぐらい脆いあたりがちょっと持ち運びに不便。
  • ブドーニア王のおふれ〜温泉に入りたいのじゃ!〜(こげこげ堂本舗)

    • 発売前にゲームリンクなどで話題になっていた温泉掘り当てボードゲーム。基本的にはアクションポイントを使って、6カ所ある掘削ポイントを調査したり地面を掘ったりしつつ、温泉を探し当てていく。
    • 掘削ポイントには浅、中、深といった層があり、それぞれ3枚ずつタイルが置かれている。目的となる「温泉」は深層にあるのでガンガン掘っていきたいところだが、タイルの中にはアクションを2使わないと掘る事の出来ない「カントローム石」*2があったり、あるいは各種モンスターと遭遇してしまったりすることもあるので、事前の調査(掘削ポイントのタイルを上から3枚まで見れる)は欠かせない。
    • 「鉱石」を掘り当てる事で得られた資金で護衛(モンスターとの戦闘が有利になる)や追加の作業員(アクションポイントが増える)を雇ったりしつつ、「宝箱」や「地下水」を掘り当てて勝利点を稼ぎます。最終的に「温泉」2枚を手にいれたプレイヤーの勝利となりますが、温泉が1枚ずつ別々のプレイヤーの手に渡った場合は勝利点で勝敗を決めます。
    • で、このゲームを3人でプレイしてみたのですが、とりあえず分かった事は「お金はかなり余る」と言う事。お金はどれだけあっても得点にはならないので(※勘違い。すでにエラッタが出ていて、5金で1点になるとのこと)、なるべく序盤からお金は積極的に使っていった方が良いかと。特にアクションポイントが増える追加作業員と、モンスター戦闘を有利にする護衛はなるべく序盤に雇っておくべし。
    • またお金を使って雇う事の出来るスペシャリストは皆便利な能力を持っていますが、個人的には一度に2つのタイルを掘る事の出来る「掘り師」が頭一つ抜けて強い印象です。あとは任意の3枚のタイルを見る事の出来るダウザーでしょうか。占い師は若干使いにくいです。
    • 後半はとにかくモンスターが邪魔。深層のモンスターともなればやたら強いのですが、こちらの強化は護衛を雇うぐらいなので正直かなり運が必要です。ゲームバランス的にはモンスターと戦うためのスペシャリストなどがあっても良かった気がします。

 

    • もうこのところおなじみとなった「遊星からのフリーキック」の寺島氏の新作ボードゲーム
    • ターンの始めに、各プレイヤーは「仲間カード」をドラフトしてゆく。ドラフトが終了したら、「賢者」カードを手に入れたプレイヤーから順に手番を行なう。手番プレイヤーはそれら仲間カードの能力を使用して場に並んだ「王国カード」を集めていく事になる。
    • 王国カードには、建物を建てるのに必要な資源を出す「開拓地カード」や、様々な能力や得点がある「建物カード」「財宝カード」などがあり、最終的に誰かの場にある王国カードが14枚を超えたら終了となり、その時点で最も勝利点を稼いだプレイヤーの勝利となる。
    • というわけで仲間カードのドラフトが重要なポイントなのですが、この仲間カードかなりの強弱があり、基本的なカードとイラスト入り仲間カードの能力差はかなり激しいw 個人的にはカードを獲得するだけでなく手数まで増やす「狩人」や、一度に二枚の財宝カードを手に入れられる「冒険家」、一気に二軒の建物を建てられるだけでなくコストまで減らす「大建築家」あたりはかなりヤバイ強さ。使うつもりが無くとも、他人に取らせない意味でドラフトすることも必要になる。
    • また、このゲーム独特のアイディアとして、「賢者」カードがプレイされると、そのプレイヤーは仲間カードを二枚引き、いらない仲間カードを二枚捨てるところ。つまり毎ターンドラフトを行なうカード内容が二枚ずつ変化していく。これが結構このゲームのアクセントとなっており、一度手に入れた仲間カードが再び回ってくるかは分からない。
    • 王国カードも意図して強めに調整されているらしく、カードの中には「これ手に入れたら勝負決まるだろ」レベルのカードも何枚かあったりしてむやみに緊張感が高いw
    • ただ凄く気になったのが「ダウンタイムの長さ」。このゲーム、各プレイヤーが「全アクションを終了してから」次のプレイヤーの手番となるため、慣れないウチはかなり時間が掛かる。しかも、役割によって場のカードがめくられる度に状況が変わるため、一アクション毎にまた考えたりと、とにかく手番中に悩んでしまうプレイヤーが続出する。結果として、手番が回ってくるまでかなり時間が掛かってしまう。ここがこのゲーム最大の難点だと思う。
    • とはいえ、ドラフトに主眼を置いたゲームとしてはやはり秀逸の出来で、アイディアやシステムの面白さはかなりのモノ。意外にも1ゲームそのものは短いので(割と短めのターンで終わる)、繰り返しプレイしやすいところも良いところ。サンファンとかが好きな人には特にお勧めできるかも。


というわけで大体の感想(第一印象)を挙げてみた。またプレイする事があったら別の機会に感想を書くかも。

*1:このキャストは実際のプレイで本当に使われたキャストです。

*2:関東ローム層にあわせたネーミングだと思うが、どっちかといえばローム層だと掘りやすそうだw