ゲームマーケット2012春に出品されたゲームで遊んでみた(その1)

 というわけで、ゲームマーケット春終了後に全ファミで遊んでみたゲームについて、いつもどおり感想などを書いてみる。

  • 基本的に同人ゲームのみのレビューとなります。またあくまでゲームマーケット2012春に出品されていたゲームですので、初出が2012春ではないものも含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。

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●ファブフィブ(タンサンファブリーク)

  • ヒットマンガ」などで一躍有名になったサークル「タンサンファブリーク」で発売されていたのは、往年の名作「ファブフィブ」。どうもこれ、今後出る日本語版の先行販売っぽく、イラスト等が日本的になっている。
    • ゲーム内容は元のファブフィブそのままの良質なブラフゲーム。手元に来た3枚のカードを数字の大きい順に並べて、その数字を宣言する。ただしこの宣言は前のプレイヤーが宣言した数より大きくなければならない。どこでどれだけ嘘をつくかが勝負のポイントとなる。
    • あと、ライフカウンターとなっているカードイラストがかなり可愛い。これ使い勝手もいいし、かなりのナイスアイディアだと思う。このカード型ライフカウンターのおかげで、元ゲームよりかなり遊びやすくなっている。


↑ライフカウンター。死神が近づいてくるデザインになっている。


●娘は誰にもやらん(メサイア・ワークス)

  • タイトルからして出オチ上等のパーティゲーム(のようなもの)。プレイヤーはそれぞれ担当する女の子の父親役となり、娘に求婚してくる男をなぎ払ったり、熨斗つけて送り出したりする(ひどい話だw)。
    • プレイヤーは自分の手番が来たら、「男」の山札から1枚カードを引き、自分の娘以外の女の子に求婚しに行く。「男」カードには男の属性と得点が書かれていて、この得点+属性のボーナス点が娘が結婚した場合父親(つまりプレイヤー)に入る得点となる。
    • 手番プレイヤーと、自分の娘に求婚されたプレイヤー以外の全員は、その男に対し「悪評」をつけて点数を下げるように活動する(ひどい話だw)。

たとえば「ギャンブル好き」とか「暴力を振るう」といったもの。プレイヤーが使える「悪評」カードはゲームを通して3枚だけなので、どのタイミングで悪評を使うかが駆け引き要素となる。

↑悪評カード。結構ひどい内容が多い。

  • 一通り悪評カードが出揃ったところで、娘の父親プレイヤーはその男を娘と結婚させるかどうかを選択する。結婚させた場合、男カードの点数がもらえるのだが、娘には好みのタイプがあり、どんなタイプの男が好みなのかは父親は確認できない(ほかプレイヤーには公開されている)。ほかプレイヤーの動きからうまく好みのタイプを推理していく必要がある。

 
↑娘には好みの男性タイプがあり、うまく好みの男性と結婚できるとボーナス点(逆だとマイナス点)。

    • また結婚できる娘はプレイヤー人数−1となっていて、あまりに選り好みしすぎると結婚できない、だが適当に結婚させてしまうとマイナス天となってしまう、というジレンマがありプレイヤーを悩ませてくれる。
  • おバカなテーマ性と、チープなコンポーネントだがそのゲーム性はなかなかに熱い。げらげら笑いながら楽しめます。


●すしドラ(こげこげ堂本舗)
 

  • こちらは以前テストプレイもさせてもらった「こげこげ堂本舗」さんの回転寿司ドラフトゲーム。
    • テストプレイ時とは得点システムが若干変わっていましたが、基本は同じ。回ってきたカードから1枚ピック、1枚をキープし、残りを隣に回す。最終的に一つのネタを一番多く集めた人がそのネタの得点チップをもらっていく。
    • 基本的には同じネタを集中して集めていくべきですが、バラバラのネタを集めていくことで得られる「プリン」チップもあり、単純に同じやつだけを集めていては得点がおぼつきません。ほかプレイヤーの動向を見つつうまいところネタの種類を集められるのがベスト。
  • シンプルなドラフトゲームですが、テーマとゲーム性の一体感が高く(回転寿司と、カードを回すドラフトの相性が良い)、短い時間で遊べるのも良いところ。あと、このゲームはパッケージが樽寿司を模したものになっていてコンポーネントも素晴らしい出来。


●ひつじがいっぴき(グランディング
 

  • DSの「遊べる絵本 マインドテン」などを開発していたグランディングが、まさかのボードゲーム界参戦第一作目となる作品。
    • カードイラストがご覧のとおり非常にほんわかしていて、数字や文字が一切書かれていないことと、イラストをつなぎ合わせると三種類の物語になっていたりと実に絵本チックなものとなっている。
    • ゲームシステムは単純でカードに書かれたひつじを1匹から順に出していき(カードをまとめて出しても良い)、出せない場合はカードを1枚引く。誰かが手札を使い切ったところでラウンド終了。得点カードを引いて次のラウンドへ、というシンプルなもの。そんなに駆け引きはないが、タイトルにある一匹しかひつじの書かれていないカードは場の数字をリセットするカードになるので、使いどころを見極める必要があるかも。
  • ゲームテンポはすごく良いが、そのため仕切りなおしごとにカードを切り直し→配り直しする作業がちと面倒に感じられる。まぁ、突っ込めるところはそれぐらいで、総じてかなり良く出来た子供向け(親子向け)ゲームだと思う。


●Oh! DANGO(チキンダイスゲームズ)

  • タイトル通り団子をレシピに従って作っていくゲーム。わかり易いw
    • ゲームシステムは「コロレット」によく似ていて、カードを引いて皿に置くか、皿の団子を引き取るかを選択する。団子のレシピは手札として配られるものと場に共通で置かれるものがあり、皿の団子を引き取った際、条件を満たしたレシピがあればそれを完成させることができる。
    • 意外と団子はさくさく完成していき、ゲーム時間は結構短く終われる。ちょっとお邪魔カードの「ネズミ」の効果が強力すぎる気がしてならないが、これによりボーナス点の奪い合いが活発になるので善し悪しか。
    • カードが名刺シート印刷なためちょっと柔いことが難点。ゲームそのものは面白いので、きちんとしたカード印刷版とか出してくれないかな。


●東方領土録 第弐幕(常時右往左往)
 

  • 以前プレイしたことのある「東方領土録」の第弐幕。ゲームシステム的にはドミニオンそのもの。
    • で、前回感じたこのゲームの弱点「テキストが多すぎてカード内容を把握しづらい」「アイコンを使った連鎖システムが煩雑」という部分が、この第二幕ではより酷くなってるところが逆に凄いw これもう完全に開き直ってるよね。その男らしさ嫌いじゃないぜw
    • 第一幕でも壊れ気味の性能のカードがいくつかあったが、今回もそのバランスは健在。とりあえずプレイした中では「八坂 神奈子」が通常、嫁カードともにヤバすぎる性能。通常バージョンはカード1枚で8点クラスの領土が手に入り、嫁バージョンだと銅貨が全部ノーコストで圧縮+金貨に化けるという、わけわからなすぎる現象が発生する。

 
↑神奈子は通常も嫁バージョンも壊れ性能。ある意味原作通りかもw

    • 特に「稗田阿求」を嫁にした状態からの「八坂神奈子」連打は限りなくやる気が削がれる鬼コンボ。そのため、「稗田阿求」と「八坂神奈子」を同じサプライに入れるの禁止条約が成立したほどw
    • ドミニオンの代わりにプレイするには余りに悪いバランスなので、東方ファン以外にはぶっちゃけオススメできません。逆に東方ファン的にはこのゲームがどうなのかは気になるところですが。


コードオブプリンセスカードゲーム(ワンドロー)

  • 3DSで発売されたアクションゲーム「コードオブプリンセス」をテーマとしたカードゲーム。意外なゲームをカードゲーム化したものだ。


↑カードイラスト等はゲーム設定画そのまんまです。

    • ゲームシステム的には「プロッティング」システムで進行する。プレイヤーはターンごとにそれぞれ「技取得」「仲間取得」「攻撃順」「攻撃力」の4項目にそれぞれ5個あるパワーカウンターをプロットし、一斉公開。それぞれの値が高い順に、技カードの取得→仲間カードの取得→攻撃を行なっていくのが基本的な流れ。攻撃力を除く各項目で最も高いプロットを行なったプレイヤーは項目ごとにボーナス点がもらえるため、これを狙った賭け方をしていくのも結構有効。


↑メインボード。プロッティングした値を一旦ここでプレイ順に並べなおす。

    • 技カードにはそれぞれ属性とコストが書かれていて、技を使用するためにはその消費MP分をまかなえる仲間を揃えている必要があります。仲間カードにはMPほか、特殊能力がありこれを活かして有利な展開を作っていくのが勝利への近道となります。

 
↑技カードと仲間カード。技を使うには仲間カードを集めてMP合計値を増やしていく必要あり。

    • 技取得と仲間取得が終われば、攻撃順に従って技カードを使用していき、最も高いダメージを叩き出したプレイヤーがそのラウンドの勝者として特典を得ます。技カードは現在のターン数と同じ数まで使用できるのですが、補充できるのは1ターン2枚までなので計画的に使っていく必要があります。
    • この流れを繰り返していき、最終的に5ターンの間に最も得点を稼いだプレイヤーが勝者となります。

-ゲームバランスはプレイ回数が少ないためまだはっきりとは分からないが、とりあえず「攻撃順」のステータスはあまり必要ない・・・というか、むしろ早く行動するよりも遅く行動したいので、できる限りここにはプロットしたくないという状況になりがち(プロットボーナスがあるので、逆に勝てそうにないときは得点を取りに行くつもりで置くぐらい?)。

  • ↑ルール間違い状態だった模様。攻撃時は「各プレイヤーの攻撃ごとに、その時点で一番攻撃力の高いプレイヤーにボーナス点が入る」というルールのため、攻撃力に自信がある場合は攻撃順に多めに振るとボーナス点チャンスが増える。これによりメガクラッシュのように高い攻撃値を出せるものの、のちのプレイヤーが使うと値が無効化されるカードにもリスクが生じるようになり、駆け引きが増している。
    • キャラクターカードごとの能力差もかなり上下があり、とりあえず「怒羅拳・T・牙」はかなり使えず、逆に「ゾゾ子」や「アレグロ」あたりが純粋に強い気がする。怒羅拳でこいつらに勝つのは結構難しいんじゃなかろうか。
  • まぁ最大の謎は「なぜコードオブプリンセスのカードゲームをワンドローが開発したのか?」ですが、裏面をみてちょっと納得。コードオブプリンセスの開発元ってスタジオ最前線だったんだね。ここの代表の「近藤敏信」さんってワンドローのゲームのイラストをたまに描いていたりしたので、そのつながりで開発したんだろうなぁ。


↑スタジオ最前線監修となっている。近藤敏信さん繋がり?

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 しかし、今回はとにかく数が多いなぁ。まだまだ紹介しきれないものがたくさんある。今度の土日でどれだけ遊べるかね。