最近プレイしたゲーム(54):エミネントドメイン

エミネント・ドメイン 完全日本語版

エミネント・ドメイン 完全日本語版

 今回のボードゲームレビューは、アークライトから完全日本語版が出たデッキ構築ゲーム「エミネントドメイン」。
 
 デッキ構築ゲームと銘打っているが、実際の動きやプレイ感はテーマと相まって「レースフォーザギャラクシー」に近い感じ。

↑手番になったら、手札を使い「アクション」と「任務」を行う。

 プレイヤーは手番になったら、手札を使用して「アクション」→「任務」の順で行動する。

  • アクションは手札を1枚使い、そのカードのアクション効果を使用すること。この行動は任意だが、基本的にはやっておいて損はない。「研究」をこなしていくと、より強力なアクションカードが使用できるようになる。
  • 任務は全5種類の任務から一つを選び、そのカードをサプライから1枚獲得して使用する。このとき自分の手札に同じ任務カードがあればまとめて出すことが出来る(当然、まとめて出すほどに効果が高くなる)。

 
↑任務カード。5種類存在する。各カードにはアクションとして使用したときの効果と任務として使用したときの効果が書かれている。

    • ポイントは、他プレイヤーが任務を行った場合、その任務カードを手札に持っていたら、同じように任務が行えること。ここで使用したカードは、使用した分だけ山札より補充できるので、むしろガンガン便乗していったほうが得。当然、ほかプレイヤーの行動に便乗しやすいように、任務カードの獲得を考えて行う必要がある。
    • 他プレイヤーの任務に便乗しない場合は山札からカードを1枚引く。
  • アクションと任務が終了したら、手札から任意の枚数のカードを捨て、手札上限になるまでカードを山札から引く。

 各任務は未知の惑星を発見する「調査」や、惑星の開拓をする「入植」、「軍事」、様々な技術を開発する「研究」、惑星より資源を生み出し、それを売って得点に換える「生産/貿易」などがあり、それぞれを他プレイヤーの動向を見つつ行っていく必要があります。
 
↑開拓する惑星カードの山札(左)。惑星の開拓は入植を行う(右)か、軍事で制圧するかのどちらか。

  • 「入植」と「軍事」どちらで惑星を開拓しても結果は同じですが、軍事の場合あらかじめ戦闘機(軍事力マーカー)を溜めることで一手で惑星開拓を行えることが利点(その分、コストが高め)で、入植はコストが安いものの入植→開拓と二つの手順が必要となっています。入植中心で開拓するには、他プレイヤーの便乗がカギとなるでしょう。


↑開拓した惑星カードがずらっと並ぶ。開拓した惑星は生産/貿易の拠点としたり、研究に必要な要素となる。

  • 惑星には三種類の属性があり、それぞれ算出可能な資源の違いや研究を行う際に必要となります。
  • 惑星によっては資源を算出可能なものもあり、生産を行うことによって資源トークンを獲得、貿易によってそれを売却することで得点チップが得られます。この点数が最終的には結構大きな点となります。
  • また特定の種類の惑星をそろえることで、研究任務時により高度な研究カードが手に入れられるようになります。研究カードはどれも強力なアクション効果を持つので、ゲーム後半はこのカードによって他プレイヤーとの差をつけていくようなプレイになると思われます。


↑得点チップ。こいつが切れたらゲーム終了。

  • ゲームの終了条件は、貿易時に手に入れられる得点チップが切れたとき、または任務カードのサプライが二山切れた(三人以下だと一山)タイミングで終了判定となる。最終的に最も得点の高いプレイヤーの勝者となる。

 プレイ時間はそんなに長くなく(30〜40分ぐらい)、ルールはシンプルでわかりやすい。インタラクションはそれなりに高いため、一般的なデッキ構築ゲームよりもソロプレイ感が薄く、よりボードゲームらしくなっています。「レースフォーザギャラクシー」っぽいゲームと言われてプレイしましたが、なるほどそれも納得です。ワーカープレスメントとデッキ構築の合いの子のようなゲームと言えるでしょう。

 難点を言えば、良くも悪くもデッキ構築ゲームっぽくないこと。特にサプライ構築といった要素がなく、ゲーム開始時のランダム要素が少ない(惑星カードの並び順ぐらいしかない)ため、運要素が少なすぎる点が気になります(そのせいか、割と同じ戦術になりやすい)。このあたりの問題は、今後出るであろう拡張セットなどで補完されるでしょう。たぶん、きっと、おそらく。