最近プレイしたゲーム(87):シティビルダー

 今回は街づくり系ゲーム「シティビルダー」です。これ、前から知ってはいたのですがなかなかプレイする機会がなかったんですよね。

シティビルダー 完全日本語版

シティビルダー 完全日本語版

↑言語依存がややあるので、日本語版オススメです。

 このゲームは平たく言うと「シムシティ」っぽく、街の建物タイルを配置し、収入や評判を挙げていく発展系ゲームです。


↑ゲーム初期配置。最初はこの3枚のタイルから街づくりを始める。

  • ゲーム開始時、各プレイヤーは3枚のタイルと街ボード、目標タイル(後述)、初期資金15$を受け取り、ゲーム開始します。

 
↑タイル売り場。市場価格の影響を受けるタイルと、お値段固定の基本タイルから購入できる。

  • 各プレイヤーは自分の手番が来たら、市場に並んでいる建物タイル、または基本タイルを一枚購入し、自分の場に並べます。
    • 市場に並んでいるタイルは、一番右側の二枚については購入価格そのままで買えるが、それ以降は左側に行くほどに価格が上昇してしまいます。タイルが購入されるごとに空いたスペースを詰める=値段が安くなっていくので、どこまで下がったら購入するかの見極めが難しい。
    • 市場から買われたタイルは山札から補充されるのですが、このタイルは進行順にA→B→Cという山になっています。当然、後のほうになるに従い強力な能力を持った建物が登場します。


↑タイルを並べたところ。

  • タイルを購入すると、上図のように他のタイルに隣接するように設置します。このとき、タイルに描かれている起動能力を即座に適用します。建物タイルの種類は大きく分けて4種類あり、それぞれに能力の傾向が違います。
    • タイルの効果には配置した際に隣接するタイルに影響を与えるものや、他プレイヤーにも影響を与えるものなど多岐にわたります。
  • まず緑色の住宅系建物。これは配置時に街の人口(=得点)が増加するものが多いです。
    • 住宅系建物は得点を増やすためには重用ですが、街の収入(後述)が増えることがほとんどないので、序盤はあまりいらない建物かもしれません。でも後半になるとあまり出ないので取りに行くタイミングが難しい。


↑緑色の住宅系タイル。直接得点につながる建物が多い。

  • 灰色の公共系はおもに街の評判(後述)が上昇するものが多く、黄色の産業系は収入が上昇するものが多いです。
    • 公共系はほかのタイルに隣接することで効果が上昇したりするものが多く、逆に産業系は住宅系に隣接すると評判が下がるものが多くなっています。この二つはどのタイルに隣接させて設置するかが重要となるタイプの建物ですね。


↑灰色の公共系と黄色の産業系。

  • 青色の商業系も収入が上昇するものが多いですが、それに加えて他プレイヤーの動向に影響を受けるタイプの能力が多くなっている印象です。
    • たとえばオフィス系の建物を誰かが建築すると収入が増加する「事務用品店」や、商業系建物を誰かが立てるたびにお金がもらえる「配送センター」(Amazon?)などがあります。他プレイヤーの配置状況や、市場の状況などを見て設置していく必要がある建物ですね。


↑青色の商業系。上記は全プレイヤーの「オフィス」系の建物に影響を受ける事務用品店。

  • また、建物固有の価格を支払わず、市場価格のみ支払って建物を裏面の「湖」として購入することもできます。これは建物隣接時に2$もらえるという建物で、お金がない時でも固定の収入が得られる方法として重宝します。当然、自分には必要ないが渡したくない建物をつぶす手段としても使えますw


↑湖。固定の収入が得られるのでひとつぐらいあると便利かも。

  • また、建物タイルを購入する代わりにすでに配置している建物に「投資」チップを置くこともできます。これは投資チップを置いた建物の建設費用を再度支払うことで、建物の能力を再度使用し、さらに以後の能力を2倍にするというかなり強力なものです。
    • 特定の建物の数を参照するタイプの建物とは相性がよく、序盤の優良建物「臨海不動産業」あたりはたいてい投資されていますね。ピンポイントで使うとかなり威力を発揮するので、後々投資することも考えて建物を取っておくといいでしょう。


↑投資チップ。これを使うタイミングが重要です。

    • なお、この投資を行った際、あるいは市場からではなく基本タイルを購入した際は、市場に並んでいる建物タイルを1枚選択して廃棄します。これ結構忘れやすいので注意しましょう。
  • こうして建物を配置し終わったのち、街の収入と評判の処理を行います。街の収入、評判は個別ボードで管理されており、建物を配置した際それぞれのステータスが上がったり下がったりします。そしてターン終了後、収入分の現金と評判分の得点(人口が増えるという扱い)を獲得します。
    • なお、収入や評判はマイナスの値にまで下がることもあります。こうなると、ターン終了時にお金を持っていかれたり得点がマイナスになったりします。特に収入がマイナスになるとかなり厳しいので、収入の値には気を配りましょう。


↑収入と評判ゲージ。この上下をうまく制御するのが重要。

  • さて、このゲームの得点は人口という扱いなのですが、都市人口(得点)が増えるごとに治安悪化、環境汚染がつきものということなのか、ある程度得点を稼ぐごとに収入・評判が下がってしまいます。
    • この収入・評判が下がるラインは得点ボード上では赤いラインで示されていて、ここを超えるごとに収入・評判のステータスを1つ下げます。得点が上がるに従い、この収入・評判が下がるラインが頻発し、ゲーム後半はこのラインとの戦いになります。このため、適宜収入・評判を挙げながら得点を獲得していくのが賢いやり方といえるでしょう。
    • ちなみに点数が下がって赤いラインを割ってしまった場合、収入・評判が逆に1上がります。まぁ、大体そういう状況となっていたら焼け石に水ですがw


↑得点ボードの赤いラインを超えると収入・評判が下がる。

  • また、街づくりの指針として、「目標タイル」に記載されている目的に沿った街づくりを行うのも手です。目標タイルは共通の場に公開されているタイルが3枚、ゲーム開始時に受けとる個人ごとの秘密の目標タイルがあります。このタイルはゲーム終了時に判定を行い、単独で目標を満たしていた場合にそのタイルに記載された点数が入ります。
  • 目標タイルの点数は結構大きく、最終的にこのタイルの点数で勝負がつくことも多いです。

 
↑目標タイル。個人ごとに秘密の目標と、共通の場に並ぶ目標の二種類がある。かなりデカい点なので狙うべし。


  • 市場のタイルを購入して設置、を繰り返していくとそのうち山札のタイルの中から「残り1ターン」というタイルが出てくる。このタイルが出たら、あと1ターン進行して終了となる。このタイルはCの山に入っているので、Cの山が市場に並ぶようになったら要注意。


↑残り1ターンのタイル。これがでたら終了準備。

  • ゲームが終了すると、その時点での得点に、目標タイルの点数を合計して得点を競います。最初はタイル三枚しかなかった街が、終了時にはかなりのサイズになっていて、街の発展にニヤニヤできるひとにはたまらないものがあるでしょう。


↑大体終了間際のあたり。4人プレイだと大体このぐらいになる。

  • 発展拡張系のゲームはたいていルールがややこしいものですが、このゲームは「建物を買う」→「建物を配置する」のみで進行し、ルールがわかりやすく、それでいて街を発展させる楽しみ、満足感も得られる点がよいところですね。プレイ時間も短めで(1時間ぐらい)、それでいてガッツリ遊んだ感が味わえます。使用するタイルも、ゲーム開始前に何枚か抜いているため一度プレイしただけでは見ることがない建物も多く、割とリプレイ性も高いです。
  • このゲームの欠点として、他プレイヤーの行動に影響を受ける建物の確認の面倒くささがあります。たとえば「高級レストラン」は収入+3と効果が高いですが、「これ以降レストランが配置されたら‐1」と、自他問わずほかのレストランが配置されたかどうかをチェックし、収入が減っていきます。こういったタイルが複数あるため配置ごとにチェックしなければならず、その点ではちょっと煩雑ですね。まぁ、慣れればそこまで難しくもないのですが(そこまで数も多くないし)。

 ともあれ発展拡張系ゲームとしてはシンプルなルールとプレイ感が高い本作。いまなら値段も安い(Amazonで4000円切っていたのは驚き)のでかなりのオススメ作です。