ゲームマーケット2022春に入手したゲームで遊んでみた(1)

 ゲームマーケット2022春から二週間ほど経ちまして、ぼちぼちいくつか遊ぶことができましたのでレビューなどを。超ひっさびさのゲームマーケット産ゲームレビューです(2年半ぶり)。

  • 基本的にインディー系のみ紹介。またあくまで私がゲームマーケット2022年春で入手したゲームであり、初出が2022年春ではないものも含まれています。そこのところよろしく。

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●ぬくみ温泉繁盛記(工藤さんのゲーム)

 理想の温泉宿を作る、シンプルなワーカープレスメントゲーム。

 毎ラウンドごとに3体のワーカーをアクションに配置しつつ、資源の獲得、カードの獲得や施設の建築などを行っていくという、初心者にもわかりやすいシンプル目な基本ルールとなっている。

 施設はこのように初期タイルとなる「受付」にくっつけていく形となります。

  • タイルの繋ぎ方には「受付の下側には配置できない」ぐらいしかないため、このように受付の隣が畑といった訳が分からない温泉宿を作ることもできますw

 

 また「助っ人」というカードもあり、これを使うことでターン開始時に素材の仕入れや、特殊能力を使っての経営サポートも可能。このサポートの使い方がゲームの要となります。

 また、「全体方針」、「個人方針」といった、条件を満たすことでゲーム終了時にボーナス点となる要素もあるため、温泉をどのような方向に拡張していくべきかという指針もあります。

 ただ、ルールは分かりやすいんですが、シンプルさゆえにバランスがきついところもあり、特に「資源の入手のしづらさ」は結構辛い。特に序盤がめっちゃカツカツ。

  • アクションの中には12面ダイスを使ったものもあり(一応出目のフォローができる要素はあるにはある)、このランダム性の高さが結構厳しい。でもこれで良い出目を狙っていかないと資金や稼げない。逆に運が良ければ一気に抜けて有利になるしで、さすがにこの点はもうちょっと抑えめにならんものか…。

 畑や生け簀、鶏による生産物の循環などが機能してくる後半あたりはかなりバチバチなワーカープレスメントとして面白くなってくるだけに、序盤をいかに安定させるかといったところがカギになる、そんな感じのゲームでした。

 

●TAKUMI ZOO(株式会社ハナヤマ)

 小学生がデザインしたという、なかなか面白い経歴の拡大再生産型ゲーム。

 敷地を開拓して動物園を作っていくというちょっとだけアグリコラ(二人用の方)をほうふつとさせる内容となっており、ゆるカワイイ動物たちの見た目とは裏腹に、かなりしっかりしたシステムとなっている。

 

 プレイヤーは毎ラウンド、地形タイルを1枚取得してこの動物園ボードに配置し、動物たちを購入して配置→動物ごとに決められた収入を得て、さらに拡張していくというのが基本的な流れ。

  • 動物を買うには決められた地形タイルを繋げて配置する必要があり、つながった枚数が増えれば増えるほど、よりランクが高い(収入が多い)動物を飼うことができるようになっています。
  • ちょっと面白いのが「動物を戻す」というシステムで、マップタイルを拡張後、そこに配置していた動物を戻し、ランクが上の動物を獲得するといったことができること。大半の動物が購入費用分稼ぐためには2~3ターンかかるという部分と合わせてうまくバランスがとれており、「購入費用以上を稼ぐまで待つか?」「より早く1ランク上に切り替えるか」という見極めが重要。
  • シンプルながら非常に良く出来たゲームなのですが、唯一惜しかった点として、私が購入したセットではコンポーネントの封入が間違っており、タイルが全種類入っていなかったw (今回は友人購入のセットで遊んだ)。まぁこれはゲームそのものの評価とも違いますが…。

 ということで今回紹介するゲームの中ではこれが一番面白かった。小学生デザイナーという異色さにひかれての購入でしたが、システムやバランスが非常に良く出来ていてビビった。今時の小学生侮れないな…。

 

●ビルドギルド(Hakuroko)

 ファンタジー世界で冒険者たちを揃えていく、アクション選択+セットコレクションタイプのカードゲーム。キャラクターがすべて鳥の姿で描かれており、かなり可愛らしいのが特徴。

 プレイヤーは毎ターン、アクションの中から一つを選んで資金を稼いだりステータスを上げたり、イベント起こしたりしながら、冒険者を獲得していき、自分だけのギルドを作っていきます。

 こちらがステータスボード。ステータスの種類が結構多い。

 こちらが冒険者。全員鳥の姿で非常にかわいい。

 

 ステータスの上昇や冒険者ギルドのメンバーにより、偉業や伝説のパーティといった得点カードを獲得することができます。最終的に5名のギルドメンバーを集めたプレイヤーが出たらゲーム終了。その時点で得点が最も高いプレイヤーの勝利となります。

 プレイした感じだと「収支とにかく資金繰りがキツイ」。システム的にはシンプルなんですが、アクションごとに得られる収入が思ったより少なく、全然金が溜まらない。冒険者を雇わないとここは状況を打破できないのに、雇えるようになるまで何ターンもかかるという点が厳しく、この点はもうちょっと緩くても良かったのではないかな…。

  • 基本1アクションで1金ずつしか増えないため、どうしても冒険者を雇うのに複数ターン必要になってくる。それでいてイベントカードによっては資金が減るものも多いため、かなりジリジリした展開になりやすい。序盤に「商人」を引いて、「採取」で得られる資金を+2にするとだいぶ楽になるんですが、どの冒険者が場に出るかは運次第なので、どうにもならないときはマジでどうにもなりません。

 

●MOU(かなめもーしょん)

  最後になるのはシンプルな神経衰弱ゲーム。なぜかボドゲ界隈ではたまに出現する「神経衰弱系ゲーム」ですが、これは模様が牛柄模様といった代物。非常に覚えづらいw というか同じかどうかを確認するのに地味に手間取るわw

  • コツとして模様を覚えるときは「青森県」「琵琶湖」のようになんらかの地形に見立てて言語化していくとやりやすい。