ボードゲームフェスティバル2010で出品されていたゲームいろいろ遊んできたよ(前編)

 ボードゲームフェスティバルから約二週間。
 とりあえず買ってきた各種同人ゲームについていくつか遊ぶ事が出来たので、つらつらと感想を述べてみる。

  • 全部遊んだわけでもないので今回は前編。来週には全部遊べる・・・といいなぁ。

◆わぎゃんしりとり (ナグトショップ)

  • かつてのナムコの名作アクションゲーム「ワギャンランド」にあったボス戦のしりとりゲームをカードゲーム化したようなもの。各種カードのイラストなどを見て、その答えを「しりとり」していくという単純なモノだが、一つのモノを別々の言葉として無理矢理に解釈してもかまわない、というのが基本ルール。
    • システム的に面白いのが、本家ゲームにもあったイラストタイプのモノの他に、写真タイプのカードがある事。イラストカードの場合、イラスト全体を見て答えを言わなければならないが、写真カードの場合、写真に写っているどれか、あるいは全体について答えてもよいというモノ。これはかなり幅広い答えが考えられるので、実際のプレイでは皆答えに詰まったら、写真カードを食い入るように見つめていたのが面白かったw
  • 難点なのが、ルールブックに書いている「オープン対決」で、複数人数(実際には5人で遊びました)プレイした場合、時間が掛かり過ぎること。時間制限を設けてプレイしたが、それでも結構掛かってしまう。適当にルールを作って、自分たちで遊べるように改良した方がよさそう(というかどうとでも遊べる。元々はしりとりだし)。
  • 個人的オススメ度は★★★(3点)。ただし、ルールは自由に考えられるし、いくらでも面白く遊べそうなあたりはポテンシャル高い。


◆猫キック! (トロイホース)

  • えさ場を争う野良猫たちのカードゲーム。特徴的なのがとにかく全体的に可愛らしいコンポーネントのイラスト。

 
コンポーネントのイラストが凄く可愛い。

  • ジャンルとしてはリソースを使った競りゲー?あたりが近いのだろうか。場に人数分置かれた「えさ場」カードのどれかにに自分の担当する猫カードを1枚ずつ伏せて置く。これを全員が全カードを出し終わるまで繰り返し、出し終わったところでカードをオープン。各えさ場には、何匹目の猫がえさを貰えるかが書かれており、例えば「1匹目の猫と4匹目の猫がえさを貰える」というえさ場だった場合、カードに書かれた猫を足していき、1匹目と4匹目の猫に当たるカードを出していたプレイヤーが得点を得られる、というのが基本的な得点方法。
  • ただし、タイトルにもなっている「猫キック」というカードがあり、このカードは一つ前の猫カードを場から取り除き、そのカードに書かれた猫の数の得点を得られる、と言うモノ。このカードと0匹カードの二つの存在のため、えさを狙って置いたカードの順番が狂わされまくること必死w プレイ中とにかく悲鳴歓声が絶えないという楽しいゲーム。運の要素が強めだが、展開が予想以上に派手に動くせいかプレイしていてあまり気にならない。
  • プレイ人数に余裕があり(2〜6人)一回のプレイ時間もほどほど(30分程度)、ルールが簡単で一週プレイすれば理解でき、カードイラストも可愛いと、ゲーム初心者にもお勧めできる一品。
  • 個人的オススメ度は★★★★★(5点)。次はぜひ実写版をw


◆藪の中 (オインクゲームズ)

  • 芥川龍之介の同名小説が元ネタと思われれる推理ゲーム。


↑プレイ風景。人型のカード?がコンポーネント的に面白い一品。

  • プレイ人数は2〜4人となっているが、最も盛り上がる(と思われる)のは全ての人物カードを使用する4人戦。
    • 8枚の人物カードは(0と2〜8)まで存在し、場に1人の死体役のカードと3人の容疑者を伏せて並べ、各々のプレイヤーはそれぞれ残った人物カード(アリバイのある人物を表します)を受け取ってスタートします。
    • プレイヤーは自分に配られた人物カードを確認、その後時計回りに人物カードを回してもう一枚の人物カードを確認した状態から、容疑者の中から犯人と思われるカードを推理します。
    • 自分の手番になったら容疑者カードのうち二枚のカードを他のプレイヤーに見えないように確認します。その後、犯人と思われるカードの上に「犯人です」チップを置きます。各プレイヤーは最初に確認した二枚のアリバイあり人物カードと、二枚の容疑者カード、そして他のプレイヤーが置いた犯人ですチップの場所をヒントに犯人を推理していきます。
    • 犯人は容疑者の中で一番数字の大きいカードなのですが、もし容疑者の中に5がいた場合、逆に一番小さい数値が犯人となります。これが面白いアクセントとなっており、たとえ容疑者に「8」のカードがあったとしても、それは直ちに犯人になるとは限りません。
  • 実際のプレイはこの5のカードの存在と、確認できないカードを巡る各プレイヤーの駆け引きが重要で、各々の思惑が交錯する様子はまさに「藪の中」。テーマとゲーム性がみごとに一致した良作です。
  • なお、この時のプレイでは決着までに8回ぐらい判定を繰り返しましたが、メンバーの一人が全ての犯人を的中させるというミラクルも発生。大いに盛り上がりました。(さすがにコレは凄い)
  • 個人的オススメ度は★★★★(4点)。ぜひ4人プレイで


◆ビーンストーク (遊星からのフリーキック

  • 前作の「テラフォーマー」がかなり面白かったので、今回も期待してBGFにて真っ先に購入した一品。

  • 宇宙港を舞台とした開拓ゲーム。4種類の資源を獲得し、様々な効果のある建物を建築していき勝利点を稼ぐ、という堅実かつ分かりやすいボードゲーム
  • プレイヤーは手番に「入港」「獲得」「建設」の3つのフェイズを順番にこなすことで進行する。「入港」フェイズ時には資源をボード(軌道エレベーター)上にルールに則って資源を配置し、「獲得」フェイズでは条件の整った資源を取得、「建設」フェイズでは資源を売り払って資金にし、様々な効果のある建物を建築していきます。
  • ちょっと面白いのが「入港」でボードに資源を配置する方法。「入港」フェイズでは各プレイヤーはランダムに二個の資源を宇宙港の上から下に落下させる(下から積み上げる)のですが、このとき四個の資源が並ぶと、その資源は倉庫へと確保される。分かりやすく言うと「ぷよぷよ」ですな。当然、資源を獲得することで上に積まれていた資源は落下するため、連鎖が発生することもあります。こうして倉庫に溜まった資源は「獲得」フェイズで手番プレイヤーから順に建物の効果で獲得していきます。
  • 資源獲得方法のユニークさ、建物のバラエティや能力バランスなどはかなりこなれていて、流石と言いたいのですが、実際にこのゲームをプレイして思ったが勝利条件である得点が非常に獲得しづらいです。というのも、このゲーム得点を獲得する方法が極端に少なく「4種類の資源をひとつずつそろえるごとに1点」か、「特定の建物の効果で特定の資源を得点に変換する」の二つしかないのです。
    • 実際、この時のプレイでは私が3点で勝利しました。正直5点以上取るのは困難だと思われます。
  • 得点しづらいためイマイチプレイにダイナミックさが感じられず、非常にじりじりしたプレイになってしまいます。ある意味いつでも逆転できるとも言えますが。せめて建物そのものに点があるとか、得点を得られる建物がもう少しあれば違ったのでしょうが。
  • 個人的オススメ度は★★☆(2.5点)。良く纏まっているだけに、得点方法だけが納得いかない、と言う点で惜しいゲームです。