ボードゲームフェスティバル2010で出品されていたゲームいろいろ遊んできたよ(後編)

 某ゲームサークルで行なわれたボードゲームオークションに自分のいらないコレクションを出品し、これで少しはスペースが空くかな、と思っていたら出品した量の2倍以上のゲームを買っていた。
 な、なにを言って(ry

 というわけで、ボードゲームフェスティバル出品ゲーム後半戦です。

◆りとる☆がーでん (高天原)

  • いわゆる「乗車券」(チケットトゥライドウ)のカード取得部分を元にしたゲーム*1不思議の国のアリス由来のキャラクター達をモチーフとしたカードになっており、イラストが可愛い。
  • プレイヤーは自分の手番の際、「場に出た5枚のカードか、もしくは山札からカードを獲得する」か「手札の3枚以上同種のカードを場に公開する」のどちらかを選択できる。
    • 場に出たカードもしくは山札からは2枚獲得できる(1枚取る毎にどちらから取るかは選択できる)。ただし、ワイルドカード(トランプの兵隊)を場札から取る場合は1枚のみ。
    • 同じ種類のカードが3枚以上有れば、手番の際それを公開することが出来る。この際、他のプレイヤーは公開されたカードが手札にあれば、それを1枚捨てる。公開したプレイヤーはボーナス札(↑の写真でいうところの、公開カードの上に並んだ3枚)に公開したカードがあればそれも貰い、そこから2枚捨て札にし、残りを場に置く。
  • この手順を山札が無くなるまで繰り返し、公開したカード枚数+公開したカード種類を合計した値が一番高いプレイヤーの勝利となる。
  • 非常にシンプルで分かりやすい。ジレンマも多く、1枚1種類でも多く公開したいが、先を越されるとカードを捨てさせられたり、あるいは公開したタイミングによってはボーナスが付かなくなったりとプレイヤーは常にカード公開のタイミングに悩まされる。終わりは常に見えているので、本当に最後の最後までタイミングを見計らうギリギリの勝負となる。
  • プレイ時間も短めで、初心者にもインストしやすく、ちょっとプレイしただけですぐにコツがつかめる良作。あえて難点なのがカードのサイズが微妙にちっちゃいため、スリーブ探すのが結構面倒くさいこと。まぁ、この辺は仕方ないけど。
  • 個人的オススメ度は★★★★☆(4.5点)。


ヒットマンガ 学園(TANSANFABRIK)

  • 一言で言うと「読み札に文章が書いていないカルタ」。場札と読み札は漫画のコマ(の体裁をしたイラスト)が書かれており、それぞれ台詞枠があるので、その台詞枠の中の台詞を「読み手が考えて発表」し、他のプレイヤーは「読み手が見たであろうイラストの場札を取る」というゲーム。
    • 正解すれば、カードを取ったプレイヤーと呼んだプレイヤーに得点が入るが、全プレイヤーが外れた場合、読み手には「打ち切りカード」が渡される。この打ち切りカードが全体で3枚出されるか、場札が残り1枚になったところでゲーム終了。
  • とにかく読み手が勝手に台詞を考えるため、毎回手番が来る毎にかなり悩むことになるw ある意味勝敗よりもノリの良さで楽しむゲームと言える。
  • ゲームシステム上の難点として「序盤が一番難しい」のがちょっとキツイ。というのも、最初は30枚あるうえ、紛らわしい札も多く、お手つきが出やすい→打ち切りが連続しやすいため、ほとんど進行しないうちにゲームが終わってしまうことがあるのだ。ある程度進めば場札が減り、お手つきが減るため最後まで続きやすくなるだけに両極端な展開となりがち。
    • ただ、このシステムはある意味「10週打ち切り」で「10週乗り切ったら長期連載」という少年漫画にありがちな展開と考えれば、ある意味ではテーマにぴったりなので困るw
  • 個人的オススメ度は★★★(3点)。ノリが分かる友人同士でこそ最大限に威力を発揮するゲーム。


伊能大図 (高天原)

  • 今回のメイン。アメリカの「ASCORA GAMES」より「海図」として発売されたゲームの元となったゲーム。元々は同人ゲームであるためなかなか市場に出回らず、今回のテーブルゲームフェスティバルでようやく手に入れた一品。


↑メインとなるマップボード。この各マップボードに測量を行なう(測量キューブを置く)ことで得点していく。

  • 日本地図を作成した伊能忠敬がテーマなだけあって、地図を完成させて得点を獲得し、全5ラウンドで最も点を稼いだプレイヤーが勝利となる。
  • 地図を完成させるためには各プレイヤーは各々のアクションを行なっていくこととなる。が、手札のアクションカードはそのまま使用するのではなく、まずメインボード上に配置していく必要がある。

 
↑(左写真)メインボード。ここに(右写真)手札のアクションカードを配置していく。

  • このゲームの一番のキモと言えるのがこのアクションカードの配置フェイズで、各プレイヤーは自分の手番(内容は全員に公開)に手札のアクションカードを1枚、メインボードの任意の場所に置くか、あるいはメインボードの任意のアクションカードの列を選択(マーカーを置く)します。次のアクションフェイズでは、マーカーを置いた列のアクションカードをこなして行くことになります。
    • ようするにどの列のアクションを使用するかは早い者勝ちになります。そのため、美味しいアクションばかりを置いていれば他のプレイヤーに取られてしまうし、かといって使いにくいアクションを置いてそこを取らされるとキツイ、でもあわてて列を取ると、以後はアクションカードが置けないのでアクション回数が少ない。といったジレンマに始終悩まされることになります。
    • それでいて、いざアクションフェイズになるとかなりさっくりと処理が終わり、全体的にあまり複雑なルールもないため、ゲーム全体の重さ(満足感)に比べて、プレイ時間が短め(1時間ぐらい)というのも素晴らしい。
  • ゲームそのもののコンポーネントやシステムは素晴らしいのですが、ちと困ったのがマニュアルの読みづらさ。フェイズの概要説明が最初にないとか、フェイズに名称がない(フェイズ1は「アクションカード配置」、フェイズ2は「アクションフェイズ」とか名称があれば分かりやすい)とかパスタイルの使い方がフェイズ1の説明分に書かれていないとか、若干マニュアルの書き方がこなれていない印象を受けた。そのため、最初のプレイではインストに時間が掛かってしまった。
    • そういえば気になったんだけど、各ラウンド開始時のスタートプレイヤーは「パスタイルを持っている人」となっていたんだが、このタイルを誰も持っていない、という自体になった場合どうなるんだろ・・・。今回のプレイでは実際に一度起こったんだが、ルールを読んでもよく分からなかった(とりあえず一番上の列のアクションを行なった人をスタートプレイヤーにしたけど)。だれか詳しいルールが分かる人は教えて頂きたいです。わりと切実に。
  • とはいえ、とても同人とは思えない練られたアイディアにバランス。そして地図作りという余り見ないテーマに、これまた余り見ない日本をテーマとしたゲームということでインパクトも抜群。中級者以上にはとてもオススメできる一品。
  • 個人的オススメ度は★★★★★(5点)。いつかアメリカで発売されたという「海図」も手に入れたみたいところ。

*1:全体的なイメージは「ユニオンパシフィック」に近いと思うのだが、どっちも同じアラン・ムーンなので同じ事か。