最近プレイしたゲーム(51):INKLUDE(インクルード)

 本日のボードゲームレビューは、昨年のゲームマーケットで何度か参考出品されていた同人ゲーム「INKLUDE(インクルード)」。

↑同人とは思えぬクオリティ高いカード類。

 あと一月後の大阪ゲームマーケットで出品される予定のコイツをたまたま手に入れられたので、さっそく遊んでみました。世界で一番早い、インクルード製品版レビュー …だといいなぁw


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 インクルードは、二人対戦用デッキ構築ゲーム。 デッキ構築の元祖であるドミニオンに似たカードやシステムがいくつかあるが、二人対戦に特化した独特の立ち回りが要求されるようになっている。

  
↑ゲーム開始時のサプライ。基本となるカード6種(左)と、10種類のインデントカード(右)からなる。

  • ゲーム開始時にまずサプライを用意する。通常ルールだと、基本となる6種類のカード(お金となる【マナカ】と、基本的な【アタック】カード)のほか、22種類のインデントカード(基本以外のカード。全部4枚ずつ)から10種類をチョイスしてサプライを作る。
    • なお、デッキ構築ゲームに慣れていない人用に、クイックルールも用意されている。そちらだとサプライに並べるインデントカードは5種類で、早めに終わるよう調整されているので、まずはこちらでプレイしてもいいかもしれない。


↑プレイマットの準備。10枚の初期デッキと、ライフを表す4枚の【カケラ】カードを並べて置く。

  • 初期デッキ10枚と、プレイヤーの残りライフを表す【カケラ】カードを4枚プレイマットに並べます。
    • あとライフカウンターがいくつか必要(6個ぐらい)なのですがこのカウンターは付属していません。これだけは事前に別に用意する必要があります。
    • 全部用意で来たら、お互い初期手札5枚を引いてゲーム開始します。

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 各々のプレイヤーターンの流れは以下の通りになります。

  1. サモンフェイズ
  2. バトルフェイズ
  3. 契約フェイズ
  4. 終了フェイズ
  • サモンフェイズは、カードの中で属性が「サモン」となっているカードを使うフェイズ。
    • サモンカードは、ドミニオンでいうところのアクションカードとほぼ同じ。ただし、インクルードではサモンカードの使用枚数に制限はないので、このフェイズであるだけ使ってしまって構わない。


↑サモンカード。モンスターを召喚してその能力を使用するイメージ。

    • 使用枚数制限がないので、ドミニオンと違って途中で使えなくなる(アクション数足りない)ことがないのでサモンカードはかなり有効。ドロー系と妨害系は特に有効な印象。
  • バトルフェイズでは、カードの中で属性が「アタック」となっているカードを使うフェイズ。
    • アタックカードはこのゲームのキモで、これらのカードを使い、相手のライフを削り取っていくことが基本的な目的となります。
      • 注意点として、最初のプレイヤーターン時にはアタックできません。意外と忘れがちなルールですので気を付けましょう。


↑アタックカード。攻撃魔法を使って相手を直接攻撃するイメージ。

    • まずアタックするプレイヤーは、自分の手札にある「アタック」属性のカードを好きな枚数使用します。これに対し、アタックされる側のプレイヤーは、このカードを「防御」するかどうかを選択します(しなくても良い)。
    • 「防御」する方法は、自分の手札にあるブロックアイコンが付いたカードを手札から捨てていきます。このセットでは、ブロックアイコンはマナカカードにしかついていませんので、あまりガードしすぎると、次の自分のターンの際に使用できるマナカ(お金)が減ってしまいます。


↑マナカを捨ててブロック。基本的にどの額のマナカでもブロックできる値は1枚1点。

    • そのあと、ダメージ‐ブロックの数値を比較し、余った分の数値をダメージとして受けます。この時受けたダメージ分だけ、自分の山札のカードを捨て札にしていきます。
    • 捨て札にしていく際、「DAMAGE CANCEL」と書かれたカードを引いた場合、受けたダメージを0にするダメージキャンセルが行えます。ダメージをキャンセルする場合、「DAMAGE CANCEL」カードを廃棄します(その時点でダメージは0となり、山札の公開はストップします)。
    • ダメージをキャンセルしなかった(できなかった)場合、受けたダメージ分だけダメージカウンターを受け取ります。ダメージカウンターが4つ目になったら、それらを破棄し【カケラ】カードが1枚ブレイク(捨て札に置く)されます。カケラがすべてブレイクされたら、そのプレイヤーの敗北となります。


↑カケラ。これらがすべてブレイクされたら負けとなります。

    • カケラそのものには「3マナカ、+1Bay」が付いており、かつブレイクされるごとにターン終了時のカード補充が増える(後述)ため、序盤はあえてブレイクさせるという戦法も十分あります。
  • 契約フェイズは、手札に残ったマナカを使い、サプライのカードを契約(Bay)します。
    • 基本的には1ターンに1枚のみ契約(Bay)できます。基本セットではBayを増やすカードは貴重で(インデントカードには1種類しかない)、カケラを使って購入を増やすのが基本となるでしょう。
    • Bayが増える【鉄壁の機象ヴォーゼン】や、3コスト以下のカードを獲得できる【魅惑の母神ベアトリス】は素早くデッキを構築する際には重要なカードとなるでしょう。
    • サプライのカードが4種類なくなった場合はそこでゲーム終了。その時点でよりダメージを受けているプレイヤーが敗北となります。各インデントカードは4枚ずつしかないので、自分が押していると思ったらカード買い占めで判定勝ちに持っていくのも一つの手です。
  • 終了フェイズは、ターン中に使用したカードをすべて捨て札都市、デッキからカードを補充します。
    • 補充するカードは最初は5枚ですが、カケラを1枚ブレイクされるごとに+1枚余分に補充できるようになります(最大8枚)。これにより、負けている側ほど補充カードが増えるので、逆転の目も見えてきます。

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 実際にゲームをプレイしてみた感想ですが、とかく「丁寧に調整された」システムだなぁ、という印象です。

  • まずダメージを巡る攻防として「DAMAGE CANCEL」というシステムが特に秀逸。これがあるため、あまりに高いダメージを与えすぎると、ダメージ判定のカードを多く公開する→結果として「DAMAGE CANCEL」カードが出やすくなる、という可能性があります。かといって、ダメージが低すぎると簡単に防御されてしまうため、「ダメージをうまく与えていく」「相手のデッキに何枚の「DAMAGE CANCEL」カードが残っているか覚えておく」という要素が生まれます。
    • ダメージを受ける側としても、カケラカードが非常に優秀な能力を持っている+カケラが減るほどカードの補充が増えるため、あえてダメージをキャンセルせずに受ける、といった駆け引きがあります。
  • 攻防を支えるインデントカードも、ドミニオンと違ってアクション限界がないため、良く似たカードであってもかなり使い勝手が異なり、より気軽に使えるようになっています。
    • 今回のセットでは本当に基本的なカードが中心で、単体だと「ちょっと弱いかな?」と思うカードが多い印象。妨害カードは強めですが、ドミニオンでいうところの【堀】に相当するリアクションカード【守護妖精シィル】は+1ドローが無条件で使えるためほぼノーリスクで取れるカードとなっているなど、カードバランスは結構うまい調整となっていると思いました。

 ゲームマーケット大阪でついに発売するらしいのですが、まず大きな目玉となるゲームでしょう。完成度の高さは太鼓判を押せる素晴らしい出来で、気が早いですが拡張セットなども楽しみなゲームです。