最近プレイしたゲーム(62):TRAINS(トレインズ)

<公式ページ> http://okazubrand.web.fc2.com/
 なんだか久々の(一ヶ月ぶりか)ボードゲームレビューは、ゲームマーケットで購入したOKAZU Brandの新作「TRAINS(トレインズ)」。その名の通り、鉄道をテーマとしたボードゲームです。

  • OKAZU Brandさんは「ひも電」といいこれといい、鉄道ゲーム大好きなのでしょうか?

 トレインズはゲーム的には「デッキ構築ゲーム」に属するゲームで、プレイ前にはまずそのゲームで使用する基本カードとサプライを用意するところから始まります。
 
↑基本カード及びサプライ。
 ただし、このゲームが普通のデッキ構築ゲームとは異なり、鉄道網を引くためのメインボードがあります。

↑全体マップ。これは関東版。

  • 「関東版」と「関西版」で遊べる。ほかにもダウンロードできる「名古屋版」「東北版」なんかがある。
  • ターンの進行は従来のデッキ構築ゲームどおり「アクションカードを使う」「カードを購入する」というフェイズで進行します。
    • 「アクションカードを使う」・・・このゲームだとカードを制限なく何枚でも使用可能です。そのため、アクションカードの重要性がほかのデッキ構築ゲームに比べ高いです。
    • 「カードを購入する」・・・このゲームでは購入制限がないため、お金がある限り何枚でも買えます。いちいち残り何枚変えるかを考えなくても良いのは楽ですね。

 で、カードの中には「線路を引く」アクションと「駅を建てる」アクションカードが存在し、それらを使用した場合、ボード上に自分の線路を引いたり、任意の都市に駅を建設したりできます。

↑各色のコマが線路。白いコマが駅を表す。

  • 線路は各プレイヤーごとの色コマで表されます。何もない平地(緑色のところ)だとコスト0で敷設できますが、河川や都市に敷設する場合はコスト+1が必要で、山に至ってはコスト+2が必要です。また、他社線路や駅がある場合、その線路の数&駅の数だけコストが増えます。
    • 他社路線があるとコストが増えるため、お金の少ない序盤はうまく他社と競合しないように線路を引くか、他社に先駆けて線路を引き、その進出を阻む等いろいろな戦略が考えられます。
  • 駅は共通の白いコマで表され、マップ上の任意の都市に置くことができます。置ける数はマス目に書かれたビルの数(1〜3)までで、駅がある都市に線路を引かれていると、ゲーム終了時にその数に応じたボーナス点がもらえます。
    • 関東マップだと「八王子」と「横浜」が3つ駅を置くことができる。そのため、最大のボーナス点が稼げる「横浜線」建設はこのゲームにおける定番の手の一つ。


横浜線形成中。ゲーム的にも横浜線(八王子−横浜)はボーナス点が高い一級路線。

    • また、多数の都市が集中している「山手線」形成も高い点が得られるが、中央部分が進入禁止となっているため、線路をぐるっと回るように惹かないといけないため、結構手間がかかります。こちらはちょっと上級者向けかも。


↑山手線形成中。線路を直接引けないため、ちょっと遠回りする必要がある。

  • 線路を引く、駅を建設するどちらを行なった場合でも「廃棄物」カードを1枚受け取る必要があります。これはいわゆる「呪い」カードで、何の役にも立たないカードなのですが、実際のゲームではこれが恐ろしい勢いで増えてきます。これをいかに除去しながらプレイするかがこのゲームのポイント。
    • 自分の手番が来た際、アクションも買い物も一切行わず、手札の廃棄物カードを除去することもできます。サプライに除去系カードがない場合はこれで凌ぐしかないのですが、5枚中2枚とか中途半端な枚数の際にはいつも悩まされます。
    • また点数を稼ぐ手段として「ビル」カードを購入するという手段もあるのですが、これも購入毎に廃棄物カードを1枚受け取らなくてはいけないため、計画的に買っていかないとデッキが廃棄物だらけになります。

 こうしてマップに鉄道網を築きつつ、終了条件を満たした瞬間にゲーム終了。駅のボーナス点+山札の点数札を合計し、最も点数の高いプレイヤーが勝者となります。

  • ゲーム終了条件は「駅コマがなくなる」「サプライが4山切れる」「誰かの線路コマがなくなる」の3つ。この中だと駅コマ切れが一番多いかな。

 デッキ構築ゲームとしては、いわゆる「攻撃」系のカードが一切なく、ターン進行がわかりやすく、それでいてボード上では他プレイヤーの動向を見ながら路線を形成していかなければならないため、ソロプレイ感がだいぶ緩和されています。それでいて、突出して路線を進めていくと大量の廃棄物が溜まって進行が鈍るようになっているため、ゲームバランスも良好になっています。

  • あえて言うなら、初手4番のプレイヤーが若干不利っぽい気がしますが、そこまで気にしなくとも十分カバーできるほどの差っぽいです。

 なにより、見慣れたマップ上に線路を引いていくのがそれだけで楽しく、ゲーム中はいかに勝つかだけでなく、自分が作りたい路線を引く楽しみもあります。

  • 「中央線」を完成させられないことだけが若干残念です(間に進入禁止がある)。

 一回のプレイ時間は1時間かからないぐらいで、鉄道ゲームとしてもデッキ構築ゲームとしても楽しめる良作。コンポーネントのクオリティも高く、OKAZU Brandの気合の入りっぷりが伺えます。
 難点は、購入直後のカード整理が大変なこと。なにしろ530枚以上のカードがあって、封入されているパックにカードがバラバラに入っているものだから、ゲームできるように揃えるだけでも一苦労。一人で整理するとリアルに3時間以上かかりました。この点はもうちょっとなんとかならなかったのか・・・
 
 ともあれ、同人ゲームというくくりではもはや語れないほどの出来。鉄道ゲーム好きなら一度はプレイしてみるべきでしょう。

  • これ、海外に持っていくこと前提っぽい(マニュアルに英語版がある)けど、海外マップとかもそのうち作られるのでしょうか? ドイツマップ版とかで遊んでみたいです。