最近プレイしたゲーム(63):K2

K2 (K2) ボードゲーム

K2 (K2) ボードゲーム

 今回のボードゲームレビューは、登山シミュレーションゲーム「K2」。
 プレイヤーは登山家(隊?)となって、世界最高難易度の山脈「K2」登頂を目指す*1


↑K2の全体マップ。マップには「夏山」と「冬山」の2パターンが存在する。

  • 舞台となるK2のマップは「夏山」と「冬山」の2パターンが存在する。当然、夏山の方が難易度が低い(冬山はルートが限定される)。
    • 正直夏山でもかなり難しいので、初めてのプレイだとこちらが無難。


↑登山家のコマ。プレイヤーごとに2個ずつ担当する。

  • 各プレイヤーは担当する登山家コマを2個持った状態からスタートする。この2つの登山家をうまくK2登頂させるのが目的。
    • コマの上にあるのはビバーク用のテントコマ。これもそれぞれの登山家ごとに一つずつ持ってスタートする。
  • 各ターンごとにプレイヤーは6枚の手札のうちから3枚のカードを伏せて出し、同時に公開していく。
    • このカードの山札は全員共通の内容。全部で18枚あり、3枚出す→3枚引くを繰り返していく。


↑登山カード。緑の数字が移動力を表す。

    • カードには移動力が書かれており、3枚出したカードの合計値分移動できる。


↑登りと降りで移動力が違うカード。

    • カードの中には「登り」と「降り」の移動力が異なるものもある。


↑適応力(HP)回復カード。

    • またカードの中には各登山家の適応力を高めるカードもある。適応力はいわゆるHPみたいなもので、こいつがなくなる(0になる)とその登山家は滑落→死亡となるので、常にそれなりの値を維持していないといけない。


↑こちらが適応力(HP)ゲージ。最大10まで。

  • 適応力(HP)は登山家コマそれぞれで管理し、初期値1、最大10まで増加する。ただし適応力が6を超えている状態でターン終了した場合は6まで下がってしまうので、無駄に上げ過ぎないようにもしなくてはいけない。
    • 当然、山頂に行くほど適応力の減少が激しくなるため、なるべく麓にいるうちにそれなりの値まで上げるようにしたい。
  • また、カードの移動力が最も高いプレイヤーは、場に公開されている「リスクトークン」から1枚を選んで受け取らなくてはいけない。


↑リスクトークン。カードの移動力合計が一番高いプレイヤーはこれを獲得しなくてはならない。

    • リクストークンはその名の通り登山家にリスクが課せられるもので、そのトークンの値分だけHPを減らすか移動力を減らすかしないといけない。そのため、ほかプレイヤーが出すであろうカードをうまく読んでいく必要がある。
    • トークンの値は0から2までの範囲がある。場に0のトークンが見えた時が勝負の仕掛け時(実質リスクがないので)。


↑天気予報は常に確認すべし。

  • また、重要な要素に山の天気がある。これは今何ラウンド目かを表すゲージにもなっている。ラウンドごとに天気が変わり、特定の高度にいる登山家コマに対し、ダメージを食らわせたり移動力を減少させたりする。この天気もうまく読んで、影響しない範囲に避難するためにあえて降るなどの判断も要求される。このへんが登山っぽさをうまく表現していると思う。
    • 黄色いマルは移動力に数値分制限が、赤い丸は適用力ダメージとなる。丸枠の周りの白い部分がそのとき影響する高さの範囲を示している。
    • 正直、どの高さの範囲に影響するかがわかりにくいのがこのゲージの難点。



↑スタート時の配置。全員6000未満からスタートとなる。

  • K2のマップはだいたい6000未満、6000以上、7000以上、8000〜頂上の4セクションからなり、それぞれで性質や難易度が異なってくる。当然山頂付近ほど厳しくなる。


↑麓。このへんだと各マスに停まっているだけで回復(環境に適応しているのだと思う)していく。

    • 6000未満の位置だと、適応力が回復する地点が数多く存在する(青丸のマスにいると適応力が回復していく)。まずはこの辺で体を慣らしつつ登っていくというところ。二つの登山家のうち、片方を登らせている間はもう片方をこの辺に置いて回復させておくのがセオリー。


↑中腹付近。このあたりから登るのが大変に。

    • 高さ6000以上の中腹付近になってくるとだんだんとマス目の移動制限が厳しくなってくる(黄色い数字が侵入にかかる移動コスト)。また高さ7000以上ともなるとラウンドごとに適応力ダメージを受けるマス(赤い数字が受けるダメージ)も増えてくるのでより険しさが増してくる。
    • どうしても適応力が厳しい場合等はビバークするのも手。マス目の移動に必要な移動力を支払い、移動しないことでキャンプを設営(ビバーク)できる。ここにとどまっていると適応力が1ずつだが回復するので、中腹付近にキャンプを作っておくともう片方の登山家を登頂させる際に楽になる。


↑頂上付近。もうこの辺になると常に死の危険がつきまとうレベルに。

  • いよいよ頂上。ここに到達することが一応の目的となる。この辺は必要となる移動力も受けるダメージも大きい。
    • なお、各マス目にはコマが侵入できる数の制限がある。頂上付近だと一マスあたり1つ(または2つ)という制限のため、登りたくても登れない、逆に降りたくても降りられないという自体が発生することもままある。登ったあとにどうやって降りるかも考えないといけない。


↑頂上を目指しての熾烈なデッドヒート。

 勝負は全18ラウンド(18日)行い、登頂を10ポイントとして、ゲーム終了までに何ポイントの点数を稼いだかで勝負が決まる。

↑得点ボード。登山家がどの高さまで登りつめたかで勝負が決まる。

  • 得点システムがやや特殊で、登山家コマが最終的に到達した高さがポイントとなる(頂上で10ポイント)。一度登ったあとは降りても点数が下がるわけではなく、登山家が滑落死した場合は登頂したポイントも没収されるので、頂上に登るだけでなく、そのまま生還することも考えないといけない。
    • 同点の場合はより早く頂上に登頂したプレイヤーが勝者となる。それゆえになるべく早く登りたいが、無理しすぎるとリスクトークンを受ける事になる・・・というジレンマがある。


 面白い。登山というテーマとゲームシステムが見事に噛み合っているため、ちゃんと登山している気分になれる。とにかくK2が過酷なこともあり、プレイヤーとの対戦のほかにシステムとも戦わなければならない(案外夏山でも簡単に死にます)。どのタイミングで登頂アタックを仕掛けるか等の駆け引きも熱い。
 これ、K2以外の山とかも拡張で出るのだろうか。

*1:高さではエベレストに続く2位だが、登頂難易度ではこちらが上で登った登山家も少ない過酷な山