最近プレイしたゲーム(22):ユニオンパシフィック

 珍しく連続更新中のkaz20001です。
 今回のゲーム紹介は個人的に経済ゲームでもトップクラスと思われる「ユニオンパシフィック」。


↑「これは鉄道ゲームです」と主張する箱絵。だがその中身は・・・。
 箱のイラストからはいかにも鉄道ゲームといった雰囲気が漂っていますが、中身は鉄道ゲームの皮を被った経済ゲーム。
もともとは「エアラインズ」という飛行機路線をテーマとしたボードゲームだったのですが、それをリメイクしたのがコイツ(「エアラインズ」は今度リメイクされるそうです)。

 
↑開始時のボードと、終了時のボード。全米に鉄道路線を広げるのだ。

 プレイ自体はわりと簡単で、自分の手番に出来る事は「線路を引いて、場にある株券を取得する」か「手札の株券を公開するか」の二択。
 線路を引く場合は、手札の線路カードを1枚捨てることで対応する線路上に、任意の色の列車コマを置きます(これで線路を引いた扱いになる)。

  • なお、チケットトゥライドウをプレイしていると間違えやすいのですが、都市間を結ぶ線路上に置く列車のコマは1個だけです。つい何個も置きそうになるので注意w
  • また、線路も全部で4種類あり、列車によっては配置できないこともあります。これがまたボードの色のせいもあってかかなり見分け辛いのでしょっちゅう間違えます。
  • 線路はどの会社の線路を置いてもかまいません。当然、自分が全く収入が得られない線路でも。

 その後、線路カードを補充し、場にある株券を一枚取得できます。

 こうして取得した株券は公開する事で、決算発生の際に収入(=勝利点)を得られるようになります。
 株券を公開する場合、いらない線路カードを一枚捨て(重要。割と忘れます)、手札から「同じ会社の株券を好きな枚数」か「異なる会社の株券を一枚ずつ」公開するかのどちらかが行えます。

  • 株券は10の会社+ユニオンパシフィックの全11種類。それぞれの鉄道会社毎に引ける路線や最大路線数が異なり、それらは拡張のしやすさ、すなわち収入に直結してくる。
  • 株を公開後に線路カードを補充することを忘れずに。コレも結構忘れがち。


↑公開している株。右側にあるのがユニオンパシフィック株。株には数字が書かれており、これが最大路線長(=最大収益)となる。

 そのうち、株券の山札から決算カードが出てきたところで決算となります。

  • 決算時は公開された株を比べ、「会社の株を公開しているプレイヤーのうち、一番多い数を公開しているプレイヤー、および二番目のプレイヤー」だけが収入を得られます。一人が独占していた場合は一位+二位の合計点を貰えるのでかなりデカイです。序盤は積極的に狙って、後半は積極的に邪魔していきましょうw
    • 株式の収入は、その会社の路線がある数(ボードに配置したコマ数)が収入となります。よって伸ばせる線路の種類が多い会社は収入が伸びやすく、逆に伸ばしにくい会社は株券が少ないので独占しやすくなっています。 

 四枚目の決算カードが出たところでゲーム終了。最終的に最も収入を得たプレイヤーの勝利となります。

 ルールは実にシンプルですが、実際にプレイしているととにかく手数が足りません。
 線路は延ばしたいが株券を公開もしたいし、そのための株券を獲得していくと決算カードが出るかも知れない・・・と、かなり一手一手ごとにジレンマに襲われます。

  • 基本テクニックとして「線路を引いた場合は株券を獲得する=山札がめくられる」が、「株券を公開した場合=山札がめくられない」ことを念頭におくこと。山札から決算カードが出た瞬間決算が開始されるため、まだ決算をしたくない場合は株券公開したり、逆に他のプレイヤーが公開する前に線路を引いて決算カードを引く事に掛ける、などの駆け引きがある。

 プレイ時間こそ長いのですが(人数にも寄りますが、2時間半〜3時間ぐらい掛かります)、その間ほとんど中だるみ無く、緊張感を持ってプレイできるのも素晴らしい。

 ただ弱点として、「ユニオンパシフィック株」が強すぎる気がする。

  • この株は、手札から任意の株券を捨てる事で取得できる特殊株で、通常の株と違い上位5名まで配当があります。線路が存在せず、何度目の決算であるかに従って固定額の収入となるのですが、この収入が存外にでかく、序盤はこの株を取得する事に血道を上げる事になります。逆に言うとこの株を取得できないとそれだけで大きく差が開けられてしまうのです。正直この要素いらなかったのでは・・・。
    • たぶん、デザイン的には終盤辺りに手札に残ったいらない株券を交換する事で無駄な手番を防ごうとした、といったところなのでしょうが、それにしては収入がでか過ぎ、序盤に取り合いになることがほとんどという本末転倒っぷりです。

 あと、線路の違いが凄く分かりにくいのも困りもの。何度もインストカードとボードを見比べることになります。同時に駒の色も微妙なモノが多く、時々見分けが付きませんw この視認性の悪さがプレイ時間をもろに跳ね上げている気がします。
 また、弱点とはちと違いますが、このゲームはその性質上ある程度人数がいる状態でプレイした方が面白い。多分5〜6人で遊ぶのが一番面白いかと。

 ともあれ、経済ゲームとしては超一級品のこのゲーム。手に入れるのがわりと困難ですが*1、是非一度はプレイしてみて欲しい。

  • なお、カードゲームリメイクとしては「栄光のピクトリア」があります(テーマは全く違いますが)。こちらもかなり面白いのでオススメ*2

*1:三鷹テンデイズゲームズではなぜかこれが大量に在庫されている。謎だw

*2:正確には「ユニオンパシフィック」のカードゲームリメイクとして「ぼろ儲けカンパニー」と言うゲームがあり、それのリメイクというこれまた微妙に分かりにくい経緯の代物