Swtich版「未解決事件は終わらせないといけないから」レビュー

 本日のゲームレビューは「未解決事件は終わらせないといけないから」。

 インディーワールドで見かけてからめっちゃ気になってた一本。ちょうど大阪・京都旅行の日に解禁されたので、行きと帰りの新幹線内でずっとプレイしてました。

 

 いや、こいつは期待以上の出来でした。プレイ時間は3時間ぐらいでしたが、濃密なストーリーと音楽の良さなどもあり、かなり引き込まれました。

  • ストーリーが大事なゲームなので今回はなるべくネタバレは避けます。

 

 とある未解決事件「犀華ちゃん行方不明事件」を捜査していた元警官「清崎蒼」の記憶をたどり、未解決事件の真相を解明していく、というのが本編ストーリーの流れ。

 

 ゲームシステムはアドベンチャーでありながらパズルゲームのようなシステムで、当時の証言等を精査し、次々と関連する証言を思い出していくという形で進んでいきます。

  • この辺は捜査官の記憶を読み返していくというストーリーとばっちり噛み合ったシステムとなっていますね。


 証言に含まれるタグを入手すると、関連する証言がポーンと浮かび上がってくるのが気持ちいい。どんどん新しい証言を開き、そこからさらなる新しいタグを見つけて次の証言を開く、これが本作の基本的な流れとなります。

  • 特定の証言を開けるためには、その証言に関連した#タグから辿る必要がある(直接開けない)。なので、対応する証言が多いタグがどこにあったのかはちゃんと抑えておこう。

 


 証言によっては推理(他の証言の該当箇所を指定)したり、鍵が必要になったりします。

  • 推理の方は、基本的に証言をきっちり読み進めていれば解決可能なライン。ただ唯一、「とある日付の特定」だけは流石に調べた(ヒントの内容的に人力だと難しい奴)。
  • 鍵の入手は証言の「証言者」と「時系列」を4つ確定してやる必要がある。後半はとにかくこの証言入れ替えで鍵を稼ぐ必要があります。幸い、話し方の癖などから「証言者」自体は割と分かりやすいですが、時系列の方はそれなりに証言数が揃わないと入れ替えても反応しない場合があり、この辺はちょっと難しい。
  • 本作はマルチエンドとなっており(2つ)、通常エンドとは別の、もう1つのエンドに行くためにも鍵が必要になります。一応、確かめた限りでは証言の発言者・時系列を完璧にした場合には若干鍵に余裕があったのでパーフェクトでなくとも全エンディングは観れる模様。

 

 ストーリーはマジで素晴らしいの一言。数々の登場人物の「嘘」が絡んだ多重構造となっており、真相が分かるたびにめちゃ引き込まれます。小説や映画ではない、ゲームならではの楽しみ方が出来る作品ですね。

  • ほぼテキストを読み進めるだけというシンプルな内容&ビジュアルながら、「証言を思い返す」というゲーム性とばっちり噛み合っていて非常に没入感があります。
  • 何気に良いのが音楽。最初はシンプルなBGMなのに真相に近い証言を開くたび、音が増えて行って深みを増していくという演出はマジでゾクゾクします。
  • そんな本作の唯一にして最大の難点が「イマイチ直感的でない操作感」。本作は「証言を切り替え」て、さらに各証言に対し「時系列入れ替え」「証言者入れ替え」「キーワード選択」の3パターンの操作ができるわけなんですが、この単純に見える操作がなぜかめっちゃやり辛い。左右で証言切り替え→ボタンを押してホールド→左右でパターン切り替えみたいな感じになっているのですが、これがなんかうまく切り替わらずに、意図しない操作が多発。この謎操作性に最後の最後まで苦しめられたよ…。

 

 ストーリーは何に触れてもネタバレになりかねないので全然触れられないのだけは残念w

 ともあれ、ミステリーゲーム好きであればあそんで損はない名作。1000円と値段もお安いので、映画一本見るつもりでぜひプレイしてほしいところですね。

  • このシステムいろいろ応用が利きそうなので、また作ってほしいですね。