最近、HDMIセレクターを購入しました。これでモニターにレトロフリークを常時つなげるようになったので、何となく手持ちのレトロゲームをプランもなく適当にレビューしてみる。
今回は「ゲームボーイ」から、名作・珍作あわせて4本レビュー。
●ネメシスII
「グラディウス」のゲームボーイ版「ネメシス」の続編。個人的にはゲームボーイでもトップクラスの出来のシューティングゲームだと思う(ゲームボーイにシューティングゲーム少ないとか言ってはいけない)。
- タイトルの「ネメシス」は据え置き版の「グラディウス」に対する携帯機シリーズということでつけられたようですが、これ海外版だと据え置き版が「ネメシス」で携帯機版が「グラディウス」らしいですね。ちょっと混乱する。
基本的なシステムはいつものグラディウスと同じなのですが、こいつはとにかくステージ演出が熱いのが特徴。ステージ1開始時点で味方艦隊が強襲されて全滅、たった一機のビックバイパーを追いかけてビックコアが後ろから迫ってくる…というホットスタートっぷり。
ほかにもステージ2の敵基地からの脱出やステージ3ボスの大気圏突入しながら戦闘、そのままステージ4で敵惑星への突入戦…とゲームボーイの性能を物ともしないゲキ熱演出の連続。
グラフィックもゲームボーイとは思えない書き込み具合で非常にレベルが高く、音楽もこれまたゲームボーイとは思えないぐらいに曲数が多く高品質と、褒めるところしかない傑作。今やっても全然面白い。
- あえて言えば全5ステージでボリュームが少なく感じるかな(15~20分ぐらい?)。まぁシューティングでクソ長いのはどうかと思うので、これぐらいでちょうどいいかな。
- コナミにはぜひこのゲームを「ネメシス・リバース」とかでリメイクしてほしいもんです。
カービィシリーズで有名なHAL研究所のシューティングゲーム。今現在でも中古で3000円ぐらいという地味プレミアソフト。
この丸っこい戦車を操り、敵軍団を倒していく任意スクロールタイプのシューティング。タイトルにポンコツとあるのはこの戦車の砲塔が右方向にしか回転できないためでしょうか。これのために、とっさの攻撃方向転換が難しいため、戦車の位置取りなどをキッチリ考えて操作していく必要があります。
- パワーアップは貫通、前後2ウェイ、前方3ウェイ、範囲攻撃などこのシステムをうまくカバーしてくれるチョイス。個人的には範囲攻撃が使いやすいかな。
丸っこい戦車の見た目の可愛らしもありコミカルな世界観で、HAL研らしくエフェクトや音楽にカービィっぽいところも。 難易度もバランスよく出来ており、敵の攻撃は激しいものの、ちゃんと練習すれば普通にクリアできるレベル。
出来の良さといい遊びやすさといい、たしかにプレミアがつくのも納得の面白さ。今ならカービィが出て来る派生作品としてリメイクしたら売れるんじゃないでしょうか。
●バーニングペーパー
今回レビューする中では多分一番プレミアがついているソフト。今確認したら中古で5000~6000円ぐらいが相場っぽい? 定価より高いんですが…。
ゲームとしては固定画面のシューティング。画面下から登場する虫たちを倒していくのですが、攻撃手段は壁に貼られているポスターを、レーザーで焼き切って落とす、というかなり独特なシステムとなっています。固定画面であること、敵の動き方などから、「プーヤン」みたいなゲームと思っていただければよいかと。
- ポスターを焼き切るという関係上攻撃できる回数には限りがあるため、どうやって最小限の攻撃手数で敵を倒しきるのかを考えながらプレイすること必要があります。そのうえ、レーザーのポインター操作をしていると避けがおろそかになりがち(特にボス戦でなりがち)なため、慣れないうちは難易度かなり高いです。
- 今だと説明書がないソフトがほとんどだと思うのでワンポイント攻略として、「敵が上段までやってきたらBボタンのジャンプでかわすことができる」、「A+B同時押しでボム的なもの(動きを止める煙?)が打てる」、「アイテムを出す虫はポスターではなくレーザーで倒せる」「スタートボタンから獲得したアイテムを使える」あたりを覚えておくとよいでしょう。
なかなか独特なシステムですが、それゆえに替えが効かない一本。値段の高さはそのオンリーワン性によるものでしょうか。
●ミニ4ボーイ2
最後はこのゲームボーイ屈指の珍作、ミニ4ボーイ。この1/32ミニカーを使ったレースに勝ち抜いていく。決してミニ〇駆ではない、いいね。
まぁ、このタイトルから想像される通り、レースをしながらパーツを獲得しつつ、ステージを勝ち進んでいくというそのまんまな内容です。
ぶっちゃけレースゲームとしては無茶苦茶ショボく、レース中のマシンは1種類のみ(パーツが反映されない)、全体コース図では自分と敵が「〇」と「×」の記号で表示されるなど、グラフィックはかなりしょぼい。またバランスもかなり悪く、プレイ時間の9割方はひたすらフリー走行で稼ぐ必要があるなど、正直ミニ〇駆もどきのゲームとしては結構厳しい出来。
ですが、このゲームが単なるクソゲーではなく、珍作と呼ばれる所以はそのストーリー。
一言で言えば「パロディの塊」。ぶっちゃけあまりにもハジけ過ぎており、「ゲーム部分がクソだからぶっ飛んだ内容にしてしまおう」という当時のスタッフのやけくそじみた思惑のようなものが見て取れます。
たとえばこのゲームでは主人公のパートナーとなるキャラを4人(男女2人ずつ)から1人選択できるのですが、そのうちの一人「くれないアキラ」を選んだ場合、最終話のサブタイトルはこのようになります。
もう、このタイトルだけでこのゲームのノリが分かりますねw
ほかにも作中登場する敵キャラとして「きみどりかわひかる」などは露骨にヒイ〇・ユイそのもの(マシンが「ゼロハチシステム」だの、掛け声が「にんむかんりょう」だの)だったりと、出る奴出る奴何らかのパロディなのではというぐらいにネタが詰め込みまくられております。
- 特に中盤に登場する「シャドウマスク」なる、ホビー漫画にありがちな謎のおっさんのうさん臭さとストーリー展開は異常に面白すぎる。
- というかこのゲームのシナリオは「ToLOVEる」などの原作を務めていた「長谷見沙貴」氏によるものだそうで、そのぶっ飛びっぷりにもちょっと納得いくかもw
また、レースゲームのしょぼさに比べ、キャラクターのグラフィックはゲームボーイと思えないぐらいに凝っており、この「司会のお姉さん」などは特にグラフィッカーの魂が感じられます。なんでレースゲームなのにレース側のグラを手抜きして、キャラグラに力入れているのかさっぱり分かりませんがw
まぁそんなわけでレースゲーなのにレースゲー以外の部分が面白いという珍作。エンディングでは「ミニ4ボーイ3もよろしく」的なメッセージがあるのですが何時発売されるんですかね。