Switch版「リベンジ・オブ・ジャスティス」ファーストインプレッション

 「ケムコ」といえば今や低価格帯ゲームで多くの種類のゲームをリリースしている、ちと独特な立ち位置のメーカー。ここのRPGは結構好きなのでこれまでも何度か購入していました。何といっても安いしね。

 そんなケムコが3000円という、やや高めな価格で勝負してきた新作シミュレーションRPG「リベンジ・オブ・ジャスティス」。何気に初報から気になっていたので思い切って購入してみました。

 

 というわけでプレイ時間4時間ぐらい、5章突入したあたりまでの感想になります。

 

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 まず本作のシステムですが、シミュレーションRPGとしては非常にオーソドックス。いわゆるアクティブターン式で、取った行動により、次の行動順が決まる形式。この手のゲームの開祖タクティクスオウガにあったアレですね。

  • 攻撃そのものもスキルとなっており、どのスキルで攻撃したかで順番が変わってくるようになっているあたりが若干癖がある所でしょうか。
  • 使える攻撃スキルは武器によって違い、両手にそれぞれ装備できる(盾とのトレードオフ)。特に強力なスキルを使うとなかなか順番が回ってこなかったりするため、ある程度軽い武器を装備する、射程や攻撃範囲を取るといった使い分けが重要で、案外このあたりの編成要素は面白い。

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  • また、キャラクターごとにパッシブスキルを付けられるが、これがパズル的にスキルの形を組み合わせる形式。アリスソフトのゲームで結構見た気がしますがwどれを組み込むかは悩ましく、キャラクターの役割にも個性を持たせられる中々良い要素だと思います。
  • ただこのパッシブスキル装備についてチュートリアルがないんですよね。割と初期から使えるのに使えることに気が付かなった。この辺は実プレイ時は気を付けましょう。

 

 とまぁ、システムはわりと普通なんですが、問題なのが難易度。このゲームかなり難しいです。とりわけ序盤の2章、4章あたりはマジで厳しい。

  • 難しさの理由は「敵の多さ」と「敵の硬さ」。毎回こちらの人数の2倍以上の敵が出てくるうえ、こちらの攻撃は適正レベルだと3回は当てないと倒せないため、序盤はひたすら敵にタコ殴りにされやすいです。
  • しかもそのうえで「味方も敵も」攻撃をかなりの確率で外します。大体70~80%程度の命中率しか出ないため、結構な確率で敵を撃破するまでに1~2回はミスをしてしまい、ますます泥沼となります。そのくせクリティカル率はやたら高いため、ダメージ計算がさっぱり立たないし。
  • さらに言うと、魔法は移動後に使えないという仕様のため、ますます「足を止めての乱打戦」に陥りやすい。そのうえで序盤は回復魔法の威力がしょぼく、敵からの攻撃>回復量でありちょっと敵の攻撃が集中すると割とあっさりやられます。このゲーム最初の方に辛い要素が重なり過ぎでは…。
  • 若干珍しい仕様として、戦闘マップで援軍という名のモブ兵士を召喚できます、これを壁にすれば若干マシにはなりますが…。ただこれ行動を1回潰す上に、モブ兵士が敵を倒しても経験値が入らないためどうしても使いづらさが目立ってしまう。呼び出したキャラに経験値入るとかであれば、稼ぎ辛い後衛キャラが稼ぐ手段としても使えたんですが…。
  • 幸い敵に倒されても死亡しないうえ、フリーマップでひたすら稼げるため、これでひたすらレベルを上げてゴリ押しするのが正道かw  
  • 初期メンバーである回復薬のジェヌヴィエーブはLVを上げると(12ぐらい?)回復量の高いスキルを覚えること、4章をクリアした時点で遠距離範囲攻撃手段を持つ魔女2人が仲間になることなど、5章あたりまでくるとだいぶマシになります。2章クリア時点でLV15ぐらいまで上げて、一気に5章まで進めるのが良さげ。

 

 とまぁ、シミュレーションRPGのシミュレーション部分は今のところ微妙な感じですが、RPGの部分はなかなか良く出来ています。

 記憶喪失状態で神のお告げを聞いた主人公が、テルニア教の騎士団、聖盾騎士団に助けられて大陸を救うため動く。だが、そこには様々な勢力の思惑が絡んできて…という感じで、ストーリーは非常に王道的。

 登場人物はどいつもこいつも一癖も二癖もあり、一見でかなり記憶に残るやつばかりです。

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 主人公に神の啓示と神器を授ける女神。無茶胡散臭いw

 

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 パッケージも飾っている、多分ヒロイン的存在の騎士団長アメリア。ただ性格は苛烈そのもので、異教徒相手に「豚」と罵る、テルニア教の狂信的な信者で世俗的なテルニア教主には非常に批判的といった、どっちかといえば悪役にいそうなキャラですw 

 

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 テルニア教主アレクサンデルは非常に悪人面(実際に悪役)w お前良く聖職に付けたな。

 

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 聖盾騎士団の前に立ちはだかる傭兵、ゲルツクネヒト(ランツクネヒトがモデルかな)のリーダー、エミリア。前述のアメリアとは姉妹だが非常に仲が悪い。

 何を置いてもお金という俗な性格だが、団員たちを鼓舞したり、スポンサーの顔を立てたりと非常にリーダーシップあふれるキャラ。主人公はこちらの団についていた方が良かったんじゃないかなw

 

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 同じテルニア教でありながら、教主の命令で聖盾騎士団より攻撃される教王アッバーフはモロにイスラム関連ですね。サラディンとかがモデルでしょうか?

 王様としては非常にまともな人物で、明らかに味方ポジションにいるべきキャラw

 

 とまぁ、まだ5章だというのに強烈なインパクトのあるキャラばかりで、ストーリーの方も早くもテルニア教主と対立を始めたりとかなりのスピード展開。結構先が気になる内容で、このあたりは数多くのゲームをリリースしてきたケムコの面目躍如といったところでしょうか。