Switch版「砂の国の宮廷鍛冶屋」レビュー

 いまさらになって親知らずが傷んできて、ここ一週間ほど軽く地獄を見て来たぜ…。しかも治療できるのはまだまだ先になりそうだし…。辛い。

 

 ということで今回はそんな一週間、痛みをこらえるつもりでずっとプレイしていたSwitch版「砂の国の宮廷鍛冶屋」のレビューです。

 リーズナブルな価格で手軽なRPGを多数提供している「ケムコ」と、小粒ながら味があるゲームを作る「ライドオン」のタッグが手掛けたゲームで、以前に当ブログでも紹介している「冒険酒場」シリーズの一本。

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 今回は舞台が酒場ではなく鍛冶屋ですが、やることは基本的に同じ。稼ぎ→店のランクを上げてイベントを起こすを繰り返していく超作業ゲー。だがこの作業ゲー完成度が高すぎるw

 

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 ガチ砂漠の真ん中の国、ムスペルヘイム(なぜ砂漠なのに北欧神話由来なのか…)を舞台

に、死んだ親父の跡を継いで、鍛冶屋を盛り立てつつ冒険者としても成りあがるという、昨今のなろう小説バリの欲張り設定です。

 

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 まず冒険に出る前に、主人公以外のパーティメンバーを作成します。今時珍しいキャラメイク要素。

  • 最初に選択できない職業はクエスト攻略で解放されていき、中盤あたりでメインとは別にサブ職業を搭載することもできるため、キャラメイキング幅は結構広い。
  • これまでのシリーズだと戦闘しないと強化できなかったが、今回はお金さえあれば幾らでも好きに上げられるようになったため、気軽に転職+強化できるようになった点は非常にうれしい。使用できるスキルは職業に依存しますが、パッシブスキルは転職しても維持できるので、最強キャラを作りたければ転職と強化を繰り返すべし。

 

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 で、これまでの冒険酒場シリーズと同じように各種フィールドを回ったりモンスターから素材を収集し、アイテムを作成→鍛冶屋で販売していくという流れ。

  • プレイ期間には特に制限がないので気が済むまでお金を稼いで強化することもできるようになっており、かつアイテム作成に必要な素材の入手も店でかなり安く買い込めたり、スキップチケットを使ってダンジョン探索そのものを飛ばして素材入手出来たり、モンスターを倒したときに得られる素材は街の闘技場でカバーされていたりと容易に入手できるようになっている。
  • 肝心のアイテム作成も素材からの逆引きや、アイテムツリーからの作成など様々な方法に対応しており、スキがない作り。おかげで延々アイテム作成→販売→強化の流れを続けてしまう罠が待っている。マジで時間が溶けまくるよw

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 ただ、戦闘システムの操作性には微妙に難あり。

 通常攻撃はモンスターをターゲット→コマンド選択という流れなのに、スキル関連はコマンド選択→モンスターターゲットという順番になっているため慣れるまで間違えまくる。なので最後の手番のキャラは重要コマンドがない奴にしておくとマシになるだろうw

  • なので後半はターゲットしなくても良い全体攻撃に偏りがち。冒険酒場シリーズではいつものことですが…。 

 

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  あと快適性を突き詰めた本作なのだが、快適性を追求しすぎたのかストーリーは短く薄味気味。特に相棒の妖精枠のビッテは工房から動かないうえにイベントでしか出てこないのでガチで影が薄いw 仲間キャラもキャラメイク枠であるため全くしゃべらず、ダンジョン内だと主人公一人会話になりがち。マジでなんでこの妖精はダンジョンについてこないんだw

  • あと左の娘ヴァレリアも幼馴染だが鍛冶屋の店員枠のため、基本イベントに出てこないという不憫枠。マジでもう少しイベントに絡んできてくれても良かったのにw

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 それでも登場キャラそのものは結構インパクトが残りやすく、特に冒険者ギルドのイーゴンさんはいかつい顔だが面倒見の良い主人公の保護者ポジション。多分一番イベントも多い。

 

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 パーティを強化できる酒場の店員カルメラさんも天然年上お姉さん枠でイベント多し。後半は鍛冶屋で稼いで酒場で強化を繰り返すことになるので登場機会も多いよw

 

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 とにかく快適なプレイ感ゆえに延々稼ぎを繰り返してしまう、清く正しい作業系RPG。シリーズも3本目となるためか、完成度は非常に高く、マジで好きな人はかなり好きなタイプのゲームだと思う。ケムコとライドオンのタッグはマジで外れが少ないが、これはその中でも個人的にかなり上位。値段も安いしマジでお手頃で超オススメ。

 

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 最終的なクリア時パーティはこんな感じ。プレイ時間19時間ぐらいで、大体LV80ぐらいあればラスボスには勝てる感じ。装備とスキル構成をしっかりしていればもう少し楽だったかも。

  • メイン騎士+サブ探検士
    前衛の壁役。基本的には攻撃を引き付ける「タウント」を使う係で、たまに「チャージ」で攻撃する役。スキルの練り込みが甘く、最終的にはアイテム係みたいになってしまった。探検士はパッシブだけ取って、サブ職は別に変えるべきでした。
  • メイン忍者+サブ舞楽士(フォルカー)
    主人公であるフォルカー。忍者が激烈に強く、全体物理技の「乱れ手裏剣」で後半のザコ敵を狩りつくす死神と化す。ボス戦でも「剣の舞」や各種バフ振りにと大活躍。MP消費が激しいのがネックだが、後半はアイテムが実質買い放題になるので気にせず使いまくろう。
  • メイン侍+サブ精霊士
    パーティのメインアタッカー。いかれた攻撃力の単体攻撃「居合い」で後半のボスをぶった切る係。雑魚適用の範囲攻撃「一閃」などを持ち、スキがない。その分状態異常にかかった時のダメージが半端でなかったので、自動状態異常回復スキルとかを付けておけばよかったかも。
  • メイン舞楽士+サブ賢者
    パーティのザコ戦担当その2。各種全体攻撃魔法を最速でたたき込む役。舞楽士は剣装備可能だが、後列配置安定なので杖装備と盾装備のパッシブを取って守りと魔法攻撃だけを上げた。ボス戦時はバフ振り係にも成れる便利屋。
  • メイン神官+サブ賢者
    こちらは回復役としての起用。雑魚戦では全体魔法、ボス戦では全体回復や状態回復を振りまくる役。ただ回復アイテムが全体的に安いので、無理に回復役を入れなくても十分最後までは行けそうである。