今回のボードゲームレビューは、つい先月発売となった「村の人生」の拡張セット「酒場」。
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2013/07/21
- メディア: おもちゃ&ホビー
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さて、今回は拡張ということで、主にノーマル版との違いを中心にレビューしていきます。
- 本編「村の人生」については、以前のボードゲームレビューをご参照ください。
今回の大きな変更点はまず「5人プレイが可能」となったこと。拡張セットに5人目の個人ボード、村人コマがついてくるので、ノーマル版ルールでも5人で遊べるようになりました。これは地味に嬉しい点。
そして、新しいアクションとして拡張タイトルでもある「酒場」と「醸造所」が追加されました。
- このアクションボードは、下のボードの上に重ねるようになっており、下のボードの形に合わせて端がギザギザになっているのがユニーク。
↑新アクションの「酒場」と「醸造所」。
- ちなみに「酒場」、「醸造所」をボード上においた場合、そこにあった「村の名簿」「墓場」は別ボードとして脇に置かれますw
↑「村の名簿」と「墓場」はボード脇に。名簿は5人プレイにも対応しているためちょっと大きくなっています。
さて、まず「醸造所」の方の解説から。このアクションは職人スペースに追加する形で置かれ、ほかのアイテム制作と同様、村人コマを派遣(派遣に3時間、制作に3時間)する、または購入(小麦袋を3つ消費)ことで「ビール」タイルを2枚獲得することができます。
このビールタイルは従来のアイテムのように「商人」で売ることもできる(効率はそこまで良くないですが)ほか、新アクションの「酒場」でコストとして使用できます。
で、その「酒場」のアクションは、30枚ある「村人カード」を、コストを支払って獲得することができる、というもの。その代わり、この「酒場」に入り浸っていた村人が死んだ場合、村の名簿には載らずに即墓場送りとなる。
↑こちらが村人カード。かなり強力で、戦術にも大きく影響する。
- 村人カードは全30枚。これは10枚ずつ3つの山になっており、村人カード獲得時は任意の山の一番上のカードをコストを支払って獲得できる。支払うコストは「ビール1枚」「ビール2枚」「金貨1枚」のどれかになっている。
- 30枚すべての効果が異なり、大きく分けて「ゲーム中1回だけ使用できるもの」と「ゲーム終了時の得点集計に影響するもの」とがある。それぞれ、カード右下に書かれたロウソクのマークの違いで区別できる(ロウソクが点っているものが「1回使用型」で、消えているものが「終了時判定型」となる)。
↑一回使用タイプの一例。これは「巻物2枚」を獲得できる「写本屋」。
- 一回使用タイプは何らかのアクションの効果を上乗せするものや、アイテムをその場で手に入れられるものなどがある。インスタンスだが効果的なものが多く、即得点を得られる+何らかのアクションというタイプはかなり使いやすい。
- 個人的に一番面白かったのが「薬屋」。獲得時に時間を一番初めに戻す、または最後まで進めるという劇的な効果。この村の薬屋はどうなっとるんだw
↑終了時判定型の一例。これはオレンジキューブの残りで得点が変わる「ギルドの親方」。
- 終了時、得点判定に影響するものは、その条件を目指していかないと取れないものも多く、きっちり狙っていかないと得点できないことも多い。ただその得点の高さは流石に無視できないので、中盤以降状況に合わせて何枚か取っていきたい。
実際に通してプレイしてみた印象ですが、やはり「村人カード」の存在は大きですね。これによって得点効率がぐっと上がることに加え、通常プレイにあった「どのように得点していけばいいか」が目指す方向がわかりやすくなってプレイしやすくなった印象。
- ただ地味に気をつけなければいけないのが「酒場」で死んだ村人は即墓場送りになるため、墓場が埋まりやすくなっている点。村人を死なせるプレイにはより慎重さが求められます。
全体的にプレイしやすくなっておりなかなかの良拡張と言えるでしょう。個人的には拡張を加えてプレイした方が遊びやすい気がします。
今回「村の人生」日本語版発売に合わせての拡張セットですが、あわせて購入してもいいんじゃないでしょうか。