前回はこちら→http://d.hatena.ne.jp/kaz20001/20120506/1336234011
というわけで、前回の中国ボードゲーム雑誌に続き、今回はいよいよ中国ボードゲーム紹介。
まずはこちら「PICK A PIG」。PICK(取る)とPIG(豚)を掛けたタイトルですが、その名の通りブタ・・・と、良く似たイヌのイラストが特徴的なカードゲーム。
↑パッケージのでかいほうがブタ、小さいほうがイヌ。かなり見分けがつかないw
- 肝心のゲームは、様々なポーズを取っていたりアイテムを持っていたりするブタ+イヌのイラストが描かれたカードを並べ、「前に取ったカードと一箇所だけ違うカードを取っていく」というゲームの模様。良く似た紛らわしいイラストが多く、子供向けっぽいのに地味に難易度高いですw
- イラストの雰囲気等は結構ヨーロッパのゲームに近い感じで、こいつは英語マニュアルがついていたりと海外出版を重視したゲームなのかも(ひょっとしたら海外ゲームの中文翻訳版かもしれませんが)。
こちらは三国志をテーマとしたゲーム・・・とやはり中国歴史ものっぽいパッケージのゲーム。
- 「三国志」は台湾の「パンダゲームズ」というゲームバーのオリジナルゲームらしく拡大再生産をテーマとした内容(未プレイのため、どんな内容なのか不明)らしい。パッケージが渋い。
- 右写真の左側にあるのは中国の武侠コミック「風雲 ストームライダーズ」*1のゲームらしい。
- これに限らず、中国ボードゲームのパッケージは墨絵を基調としたカッコいいものが多い。これは国際的なゲームマーケットでもかなり目立つ外見だろう。わかり易い中国らしさだし。
続いて「捕捕捕」という、魚類を育ててお金(元)を稼ぐ、というカードゲーム。
↑こちらが箱絵。魚・・・と呼べない外見の奴もいる。新種のポケモンみたいだ。
- 魚は何種類かいて、それぞれの種類ごとに3つの形態(進化?)が存在する。
- これらの魚に対し、数値が書かれた餌カードを出していって、一匹の魚に対し合計3枚以上のカードが出された場合、一番多くのカードを出したプレイヤーがその魚の点数をもらうことができる。
- ただし、餌カードの数値合計がその魚の進化点を上回った場合、その魚が進化し、出したカードが一度リセットされてしまう。魚に出したカードがリセットされないように調整したり、逆にオーバーさせて進化を促したりしながらカードを出していく。
- ただゲームバランスは正直あんまり良くないと感じた。20点取ったプレイヤーが勝者なのだが、一回で14点取れる魚がいるとかどっかおかしい。
- なお、上記ルールはその場で翻訳しながらのプレイだったため間違っている可能性あり。バランスとか結構おかしなところあったし、どっか間違っているんじゃないかな・・・。
- なお、先日紹介したボードゲーム雑誌の「卓遊志」の裏表紙はこの捕捕捕の新エディションの広告記事だった。なんかもう全然イラストがかっこよく別物になっているんですが・・・
↑これ。垢抜けないポケモンみたいなイラストからいきなりこれにってパワーアップしすぎだろ。
お次は英語タイトル「5EFFECT」。二人用アブストラクトゲーム。
↑二人用アブストラクト。テーマがない抽象的なコンポーネントが実にクール。
- ゲームは前半のボード上にカードを配置するターンと、後半の配置が済んだカードを移動(交換?)するターンに分かれる。
- 「5EFFECT」の名のとおり、合計値が5になる自分のカード同士で相手のカードを挟むと、ひっくり返す(自分のカードにする)ことができる。最終的に相手がカードを取れない状態にするか、相手陣地の「王様」的カードをひっくり返せば勝ちとなる。
- なかなかに渋い本格派のアブストラクト。どうもこのゲームを出しているメーカーはこれが初作品らしく、ルール解説用DVDがついていたり、ゲーム雑誌に大々的に攻略記事が載っていたりと、かなり宣伝に力を入れている模様。
こちらは新進気鋭のメーカー「益遊」(1YOO!)さんの「FleaMarket」と「Chaf Masters」。
- 「FleaMarket」(ノミの市)は、その名の通り買い物ゲームっぽい。「Chaf Masters」も料理人として注文された料理を作りながら天を稼いでいくゲーム。どっちもしっかりとドイツゲームを研究したような本格的な出来+コンポーネントで、海外展開も期待できそう。
- 実は今回プレイできなかったことを一番悔やんだのがこのふたつ。どっちも面白そうなので機会があれば遊びたいところ。
そして、今回最も目を引いたゲームがこれ。その名も「罐装女神」!
↑なんと缶に入ったカードゲーム。しかもパッケージは日本風萌え絵!
・・・いやぁ、これ見た目がすごいインパクトだなぁ。まず箱ではなく、缶に入っているという特殊さ(始めこれ秋葉原に売っているようなお菓子の一種だと思ったよ)。そしてそのパッケージに書かれた、やたらレベルの高い美少女イラスト。
これだけでもスゴイが、さらにすごいのがその「裏側」。なんと実写コスプレイヤー!
↑パッケージにコスプレ美少女。萌えイラストとコスプレイヤーの融合という、日本ボドゲ界でも未だ成し得ぬ快挙。
そう、このゲームカードイラストが萌え美少女(イラスト)とコスプレイヤー写真(実写)という二つの軸で形成されているという古今稀に見る面白いコンポーネントコンセプトのゲームなのだ。
↑コスプレイヤーと美少女イラストの華麗な融合。なお、右の写真のキャラは「同一のカード」になります。
- あ、ちなみに中身はデッキ構築ゲームっぽかったです。自分はプレイしていないのですが、プレイを見ている限り割と普通のデッキ構築ゲームっぽい。
といった感じで、今回プレイできたり触ったり出来たのはこれぐらい。コンポーネントデザインなどが、ヨーロッパゲームとも日本のゲームとも違う独特さでかなり個性的。今のところ、ルールやシステムはまだまだこれからといった印象ですが、これだけの盛り上がりならばすぐに高いレベルのゲームが登場してもおかしくないと思う。
今後、中国ボードゲーム市場が国際市場でどのように化けていくのか、これからも注目したい。