42回目のボードゲームレビュー。今回はちょっといつもと趣向を変えて「お勧めできるゲーム」ではなく、「あんまりお勧めできないゲーム」を紹介してみたい。まぁ、たまには外れもあるよね、ということで。
というわけで今回のゲームはついこの間買ったばかりの「アリエナイマシーン」。
- 出版社/メーカー: Glowfly Games
- メディア: おもちゃ&ホビー
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いわゆる「ループゴールドバーグマシン」(日本だと「ピタゴラ装置」でおなじみのアレ)を作るのが目的のカードゲーム。
↑どれもこれも、胡散臭く回りくどいギミックの数々が描かれたカード。
プレイヤーは6枚のカードを持ってスタートし、手番が来たら、最大3枚までカードを場に出すことが出来る。
- カードには左に「入力」、右に「出力」のマークが描かれていて、カードを場に出す際はこのマークがつながるように置かなくてはならない。
- すでに置かれているカードの間に割り込んでおくこともできる。カードを出し切って最終的にマークがつながればOK。
- カードの中には分岐するカードもあり、このカードが出た以降は
↑カードの左に描かれた「入力」と右に描かれた「出力」をうまくつなぎ合わせていく。
- カードを置いたら、手札が6枚になるまでカードを補充する。
- カードが出せない場合などは最大3枚までカードを交換することもできる。
こうしてカードを出していき、条件が整ったらマシンが起動する。起動条件は「終端カードが場に出された」または「場に15枚以上カードが出ている」場合。この条件が整った場合、次のプレイヤーの終了時からカードの開始側(配置的に左側)から3枚ずつ裏返しに(マシンが起動したという表現)していきます。
↑カードを並べたところ。写真だとわかりにくいですが、左側のカードが裏返っています。
全部のカードが裏返ったところでそのマシンの作成は終了。マシン完成までに出した自分のカードを裏返しに脇に伏せて置きます。
全部で3台のマシンが作成されたらゲーム終了。脇に伏せていた完成マシンのカード枚数が一番多かったプレイヤーが勝者となります。
さて、ここまで紹介したこのゲームなのですが、実際に何度かプレイしてみたのですが、正直なところあまり面白くありません。
なんというかゲームデザインを含めいろいろ問題があるゲームというか、楽しむのにコツが入りすぎるというか。どうにも「面白さの勘所がつかめない」タイプのゲームなのです。
- まずゲーム的な問題点として「あっさり終わりすぎる」点。マシンが起動する条件である「終端カード」を出せる条件が「場に4枚以上」とハードルがかなり低いため、本当にあっさり終わってしまいます。5人でプレイしてたら一周回る前に終わることもザラw あまりにあっさり過ぎるのでルール間違えているのかと確認したぐらい。この条件はもうちょっと厳しくても良かったんじゃないかな。
- いちおう「15枚以上繋がったら起動」というルールもあるにはあるが、こちらが適用されることは本当に稀。たいがい誰かが終端を置いて起動させてしまいます。
- また、一度起動するとカードが3枚ずつ裏返されていくのですが、上記のあっさり起動させられる問題のせいか一度起動するとほとんどカードを挟むチャンスがありません。ヴァリアントルールにある通り1枚でプレイするか、調整して2枚裏返すルールにしたほうがバランス良かったです。
- そして最大のゲームの問題が「マシンで起動したカードが裏返しになっていく」こと。そのため、最終的にどんなマシンが完成したのかが分からなくなってしまい、ゲームの目的から見れば本末転倒な状態となってしまいます。さすがにこのルールはどうよ…。
- またルールブックの出来も問題。日本語訳はホビージャパンの翻訳で大体原文に忠実に訳されているっぽいのですが、この元々のルールブックがすでにダメっぽいのがまた何ともw
- まず第一に「カードの枚数が書いていないこと」。せめて何が何枚入っているのかは書いとけよ。ボードゲーム買ったやつは大体欠品の有無を調べると思うんだけど(海外製だとまれに欠品がある)、この手のマニュアルの奴はいつも困る。
- あとかなり重要なのが「一部重要なルールがあやふやなままになっている」こと。裏返しになっているカードと表になっているカードの間にカードを割り込ませるルールが原文に特に記述がなかったりする。日本語訳だと「裏になっているカードのシンボルに合うようにする」となっているが、正直いちいち確認するのは面倒すぎるので、実プレイ時には「割り込みできない」というルールでやっていた。正直ここははっきりしてほしい。
うーん、こうしてみると細かい点で不満が多い…。なんというか「いろいろ足りてない」という感想かな。システムやテーマそのものは悪くないと思うんだけど。どうしてホビージャパンがこのゲームに目を付けたのかは謎だ。