最近プレイしたゲーム(41):メディチ

41回目のボードゲームレビューは、いまさら紹介するのもおかしいぐらいの名作競りゲー「メディチ」。

メディチ

メディチ

 ライナー・クニツィアの三大競りゲーの一つと呼ばれる作品で(あと二つは「モダンアート」と「ラー」)、その名に恥じぬ傑作ゲームです。

↑上のAmazonはリオ・グランデ版だが、今回の写真のはアミーゴ版のものです。 
 ルールは単純明快で、プレイヤーは自分の手番になったら商品カードを1〜3枚めくって一巡競りにかけ、プレイヤーはこの商品カードを勝利点を使って競りあいます。

  • 5種類の商品で、0〜5までの数字が描かれているものと、商品ではない10のカードがある。
  • 競り落とせるカードは1ラウンドでは5枚まで。5枚競り落とした時点でそのラウンド中の競りには参加できなくなります。
    • 競り落とされなかったカード(誰も買わなかったカード)は捨て札になります。これによって最終的な枚数が5枚に満たないことも起こりえます。

 
↑五種類の商品カードを競り落としていく(左図)。中には商品ではないが「10」になるカードもある(右図)。

 全員が5枚のカードを競り落とした(もしくは商品カードが切れた)ところでラウンド終了となり、決算が行われる。

  • まずプレイヤーが競り落としたカードの合計点が一番高いプレイヤーが30点ボーナスを得られます。
    • 商品ではないが「10」の数値が描かれたカードはこの合計点に影響します。
  • 次に、獲得したカードの商品ごとにカード枚数分、商品ボーナストラック(正式名称が分からんw)の段階を上げていきます。この段階がラウンド終了時にトップの場合、20点、2位の場合10点のボーナスが入ります(得点がややうろ覚えなので間違ってるかもw)。
    • このトップボーナスとは別に、ボーナストラックのてっぺんに到達した場合は20点ボーナス、二段目まで到達した場合は10点ボーナスが入ります。トラックの段階は下がることはないため、なるべく早めのラウンドでトラックを上げておくと、次のラウンドでもボーナスが入るようになり、得点が跳ね上がります。


↑商品ボーナストラック(左図)。カードの商品枚数分、段階を上げていく。

 3ラウンドが終了した時点でゲーム終了。最終決算後にもっとも得点が高いプレイヤーの勝利となります。

  • わかりやすい競りゲーですが、商品の値段のつけ方はかなり絶妙。良いカードはなるべく早い段階でほしいが、競りの人数が減るごとに値段が下がりやすくなり、最後の一人に至ってはカード5枚になるまで無料でもらえるようになる。なるべく競り値は安くしたいが、良い商品はどうしても早めに階に行かないとなくなってしまうという、クニツィアらしいジレンマがつねに味わえますw
    • コツは買い占める商品をうまく絞ること。2ラウンドの競り終了時点でどれかひとつの商品ボーナス20点を達成できればかなり大きい。最終的には2商品ぐらいをうまく独占するぐらいが理想的かと。

 ルールはシンプルでわかりやすく、クニツィア三大競りゲーのひとつと呼ばれるだけあって、競りの値付け、駆け引きが非常に熱い作品。プレイ時間も程よい長さ(1時間ぐらい)で、カードとちょっとしたコマぐらいしかないため準備や後片付けも簡単w
 難点はやはり「競りゲー」であるため、ある程度の相場観が必要となること。このせいで初心者と上級者を混ぜてプレイすると差が付きやすく、一度差が付くと挽回が難しいという部分がどうしてもあります。

  • 個人的な印象ですが(簡単)メディチ>ラー>モダンアート(難しい)といった感じでしょうか。一巡競りしか競り要素がないことと、カード構成がシンプルで考えることが少ないので、ラーやモダンアートよりは気軽にできる気がします。それでも、簡単なわけじゃないけど。

 後ゲームそのものの問題ではないのですが、この「メディチ」はこれまでに何度もリメイクされていて、バージョンによっては異常にプレイしづらい(得点ボードが見づらい、商品カードが分かりにくい等)ボードになってしまっている奴がある(具体的には旧リオ・グランデ版)。プレイ前にその点だけは気を付けたほうがいいかも。