最近プレイしたゲーム(71):青春斗

 またまた前回から間が空いてしまったボドゲレビュー。今回は中国産カードゲーム「青春斗」。
 海外ゲームでありながら、日本の「萌え」文化に染まってしまった稀有なゲームですw


↑説明書イラスト。いろいろ日本文化に汚染されている!?

 以前紹介した「中国ボードゲーム雑誌」中にこのゲームの宣伝があったのですが、それがすごいインパクトだったのでずっと気になっていたゲーム。
 このゲームは平たく言うと、手札をコストにしてードを競り落としていく「競りゲー」要素の強いゲームで、最終的に「より良い生活と女の子をゲットしてリア充人生を勝ち取ろう」という内容ですw(だいたいあってる)

 まず、ラウンド開始時、プレイヤーは自分の手札から、このラウンド中に「競りあうカード」を1枚伏せて場に出します。

↑手札から1枚出す。出したくなくても出す。

  • 手札がないプレイヤーがいた場合、山札から補充します。どちらにせよ必ずプレイヤー人数分の「競り」カードが場に溜まります。全員が場に「競り」に使うカードを出した後、一度シャッフルします(誰が出したかわからないようにするため)。

 それからこのラウンド中に自分が行う「行動」を三枚の「行動カード」からひとつを伏せて、一斉に公開します。

↑プロットに使う行動カード。全三種類。

  • 行動カードは「買い物」(黄色)、「デート」(ピンク)、「仕事」(青)の三種類。

 全員が行動カードを選んだところで一斉に公開し、それから最初に提出した競りカードを1枚ずつ公開し、実際に競りを行っていきます。

↑競り開始。最初に提出したカードを1枚ずつ公開→競りを行っていく。

  • 競りに使用するカードは大きく分けて4種類あり、黄色の「アイテムカード」、ピンクの「女の子カード」、青の「仕事カード」、その他の「イベントカード」などがあります。
    • このうち、主に購入することとなる「アイテムカード」と「女の子カード」には基本情報として左上隅に「最低落札価格」、右上隅に「カード獲得時の得点」が記載されており、とりあえず競りの際はこのへんの数値が目安となります。
    • この二種類のカードの競りは、基本的に早いもの勝ちで購入時に支払うカード枚数(最低落札価格以上の値)を宣言し、最後の一人になるまで行います。ただし、まず行動カードで「買い物」「デート」を出したプレイヤーからそれぞれ「アイテムカード」「女の子カード」を競り落とす優先権が与えられる、という点がポイントです。
    • うまいところ、自分だけ「買い物」「デート」という状況に持ち込めれば無理に競らずとも最低落札価格だけで競り落とせるため、他プレイヤーの動向を見つつ、どのタイミングで購入に行くか、をうまく考える必要があります。


↑アイテムカード。

  • アイテムカードは車や自転車、あるいは不動産(マンションとか)などがあり、これらのカードを獲得すると、手札上限が増えたり、カードの獲得枚数が増えたりといったプラス効果が得られるようになります。
    • アイテムカードの得点は「女の子」カードに比べ低めですが、獲得した際の効果が強力なため、まずはこれらを獲得して自分を強化していくのが基本的な路線です。


↑女の子カード

  • 女の子カードは様々な職業のキャラクターが存在し、こちらもカードを獲得すると特殊効果が得られたりするのですが、必ずしもプラスの効果が得られるわけではないため競り落とすタイミングが重要となります(例えば上記カードのアーティストは「買い物時コスト+1」というデメリット効果を持っています)。
    • 女の子カードの利点として、「最低落札価格の割に獲得得点が多め」というところがあります。ただし、後述するイベントカードによっては破局する(カードを失う)ことがあるため、あまり大量に抱えておくのもリスクが高いため難しいです(浮気は良くないというメッセージでしょうか?)
    • ゲームとは関係ないですが、女の子の職業として日本のゲーム・アニメといった媒体ではまず出てこないであろう職業の女の子がいたりしてちょっと面白い(「精神科医インターン」とか「携帯電話デザイナー」とか)。
  • 「仕事カード」と「イベントカード」については、競りを行わず、カードが公開された時点で、そのカードの効果を適用します。


↑仕事カード

  • 仕事カードは基本的にカード補充系の効果が得られます。行動カードで「仕事」を選んでいた場合、より多くのカードが補充できます。
    • 手札の上限枚数は初期だと10枚ですが、ラウンド中はそれ以上の枚数を持っていても問題ありません。
    • 上限が10枚だというのに、平気で10〜15枚といった高額落札価格のカードがあるため手札管理はなかなか難しいです。

 
↑イベントカード

  • イベントカードは基本的には全プレイヤーに対する妨害効果があるカードです。
    • 例えば上記カードの「ボスが来た」カードが出た時点より、行動カードが「買い物」「デート」のプレイヤーはそのラウンド中カードが引けなくなる+カードを1枚捨てるという強烈な効果。また「渋滞」は「仕事」を選択したプレイヤーがカード補充できなくなるという極めて凶悪な効果。カードをシャッフルして公開するため公開順によってはまったく意味がなかったりもしますが、うまく使用すればこれ以上ないぐらい効果的に妨害できます。
    • ただし、「アイテムカード」や「女の子カード」の効果によってはイベントカードを無効化したりプラスに変えたりする効果もあります。このあたりを意識してカードを抑えていくとカード管理がグッと楽になります(特に「スクーター」や「婦警さん」といった「渋滞」でカードを引ける効果のあるものは強い)。

 こうしてラウンドを繰り返していき、最終的に「88点」を超えたプレイヤーが出たらそのプレイヤーが勝者となります。

 カードマネジメントとプロッティング、競りといった要素がいろいろ絡み合うなかなかの傑作。テーマがわかりやすく、ゲームシステムとうまく絡んでいる点も好印象です。イラストも日本向けだしねw

  • 実は88点を超えれば勝ちなので「女の子」を完全に無視しても勝てるw それはそれでどうなんだって気がしますが・・・。

 あえて難点といえばイベントカードが多すぎる気がすること。「ボスが来た」や「渋滞」、女の子カードを没収される「浮気メール」などは高い効果を持っていますが、効果が薄いカードや使い道が限定されているカードも多く、これらは大抵はコストとして捨てられてしまうことがほとんどです。もう少しイベントカードは絞っても良かったんじゃないでしょうか?

 とはいえ、デザインのパクリも多い中国産ゲームとしてはかなりのオリジナリティを感じるカードゲーム。これ日本のアークライトとかが輸入してもおかしくない出来です。どこかでプレイできる機会があったら一度遊んでみてはいかがでしょうか?