本日のボードゲームはかなり古いアブストラクトゲーム「ヌバ」。マンカラやごいたといった伝統系ゲームを除けば、ボードゲームレビュー史上で一番古いゲームか?
↑いかにもアフリカ的な雰囲気を漂わせる、独特のパッケージ。
タイトルにもあるヌバ族はスーダンに実在する部族名で、このゲームはその部族が行っている「サンダ」という儀式をテーマとしたアブストラクトゲームとなっています。
- 映画監督であり写真家であったレニ・リーフェンシュタールが発表した写真集とかで有名。
まぁこのゲーム、デザイナーがライナー・クニツィアなので、実際にはテーマはあって無いようなものですが…。
↑ゲーム開始図。将棋とかチェスに近い。
まず、ゲーム開始時にプレイヤーは自分の領域(それぞれの手前二列)に、1〜9と×が書かれた駒をお互い交互にひとつずつ配置していきます。
配置後、プレイヤーの手番ごとに駒を動かしていくのですが、動ける方向はどの駒も前に1つか斜め前に1つだけ。
そして、対戦相手の駒とぶつかった場合は「数値の小さいほう」が勝利し、負けた駒は取り除かれます。
- 設定としては、この勝負は「レスリング」によるもの。ヌバ族はおよそ3000年前よりレスリングを儀式として続けてきているらしいです。
- ちなみに「×」が書かれた駒は特殊で、自分から勝負に行った場合は相手がどんな駒でも勝てるが、相手から勝負を挑まれると必ず負けます。
- また、このとき自分から仕掛けて駒が取られるような移動はできない。わざと負けて場所を開けるとかそういう戦い方はできないようになってる模様。
そして、駒を前へ前へと進めていき、相手の陣地に入るとボードの横にある「舞台」の上へと駒を移動させます。
この舞台では「演奏」を行っているのですが、舞台に上がれる駒はひとつのみ。そして、前に舞台に上がった駒より「数字が大きいほう」の駒が舞台に上がることができます。ここがこのゲームのポイント。
敵陣へと進むには数字が小さいほうがいいが、そのまま舞台に上がらせるとほかの駒に引き摺り下ろされ易い。いかにしてレスリングが弱い(数字が大きい)駒を相手の陣地まで移動させるかが難しい。
- 例外として「×」の駒は舞台に上がった瞬間勝利となります。これを狙うのも面白いかも。
どちらかが舞台に上がれる駒がなくなった時点でゲーム終了となり、舞台に上がっている駒のプレイヤーが勝ちとなります。
↑終局図。赤側のプレイヤーは緑側の「9」駒を止める方法がないため、緑側が勝った状態となっている。
テーマとゲーム内容にはあまり関連性を見出せませんが(駒に数字しか書いていないのも味気ない)、ゲームそのものはやはりクニツィア。ルールは簡単でありながらも戦略性に富んでいて、プレイ時間も比較的短めでさくっと終わります。
まぁ、古いゲームなのでプレイするのは難しいと思いますが、もし見かけたらぜひ遊んでみてもらいたい一品。
どっかでこっそりリメイクとかしていないかな…。