最近プレイしたゲーム(78):ツァール

 がんばって月一ペースを保ちたいボードゲームレビュー。今回は二人対戦アブストラクトゲーム「ツァール」。

↑流石にAmazonにも商品ページがなかったのでイメージ画像を。正直見た目に地味なことは否めませんw

 このゲームはゲームデザイナー「クリス・ブルム」が「ギプフプロジェクト」というアブストラクトゲームの企画として発表したゲームの中の一つで、それぞれが白黒コマの一見地味な見た目ながら洗練されたデザイン性と、キレの良いゲーム性で評価されています。

 まず各プレイヤーは白黒どちらかのコマを担当し、最初にボード上にコマを配置するところから始めます。

  • この配置はボードの三角の頂点が中心に来るように対象に並べる初期配置方法があるのですが、交代で一つごとにコマを配置していく方法もあります。
  • コマの種類は「無印」「丸」「二重丸」の三種類あり、それぞれ数が異なっています。

 
↑石配置。なお通常ルールでは初期配置が決まっていますが、このように適当に配置するのも面白いです。

 さてこのゲームで特徴的なことが、各手番ごとに「2手」行うということ。アクションポイントなどが採用されているゲームはよくあるが、アブストラクトでは珍しいんじゃないでしょうか?

 このとき、まず最初のアクションは必ず「自分のコマを動かして相手のコマをとること」を行わなければなりません。動かし方は単純明快で、その石をボードに書かれた直線上の範囲に移動させることができます(他のコマを飛び越えることはできない)。
 だれかのコマが直線上にあれば、自分のコマを移動させてコマを取り除き、そこに自分のコマを置くことができます。
 そして2回目のアクションですが、ここでは3つの選択から好きなアクションを選択することができます。

  • 一つが「自分のコマを動かして相手のコマを取る」。これは一手目と同じく、自分のコマを動かして相手のコマを取るというアクションです。
  • もう一つが「自分のコマを自分のコマの上に移動して重ねる」。こうして重ねることで高さが増していきます。コマを取る場合相手のコマ以上の高さがいるという条件があるためこうしてコマを重ねることで相手に取られにくくなる。ただし、重ねた際に下になったコマは存在しない扱いになるため、相手が勝利条件(後述)を満たしやすくなるというリスクもある。
  • 最後が「パス」。何もしないで終了する。このゲーム後半になるとうかつにコマを動かしてしまうと負ける場面があるので結構重要。

 こうして相手のコマを減らしていき、以下の条件を満たしたプレイヤーの負けとなる。

  • 3種類あるコマのうち、どれか1つの種類のコマが盤面からなくなった。
  • 1手目の「自分のコマを動かして相手のコマをとる」が行えなくなった


↑終局図。黒の二重丸のコマがなくなったため負け。

 とにかく直感的にプレイできるわかりやすいシンプルなルールながら、完成度が高いアブストラクトゲーム

  • わりと慣れないうちは結構ポカっとコマを取られて敗北しやすいので、とにかく視野を広くもって、盤面全体を確認していくべし。コマを重ねることも、確かにコマを取られにくくはなるがその分種類が減ってしまうので、あんまりむやみにも重ねることもしない方が良い。

 アブストラクトでありながらプレイ時間もそれほどではなく、サクサク進められてだいたい15分かからないぐらいで終了するだろう。ギプフプロジェクトのゲームの中でもかなり軽くて遊びやすい一品です。二人対戦ゲームとしてはかなりおすすめ。