最近プレイしたゲーム(79):ゴットファーザー(Der Pate)

 またまた一か月も間が空いてしまったボードゲームレビュー。もうちょっと更新したいんですが最近はあんまり新作プレイしていないんですよね。
 これもみんなアグリコラがいけないんですよ刑事さん。お、俺は悪くねぇ。 
 というわけで今回のレビューは、「ゴットファーザー」(DerPate)。元ネタは言うまでもなく同名の映画で、ボードのあちこちにそのモチーフが見られます。

ゴッドファーザー(Der Pate)

ゴッドファーザー(Der Pate)

↑映画版ばかりがヒットして何気に探すのに手間取ったw

 さて、舞台となるのは映画と同じニューヨークはマンハッタン。この街で縄張りを広げ、最もお金を稼ぐことがプレイヤーの目的となります。

↑ボード全体。雰囲気はまさしく大人のボードゲーム。映画見てなくても問題ないですが、見ておいたほうがいろいろ盛り上がります。

  • ゲーム開始時、各プレイヤーはプレイヤーボードと構成員コマを受け取ります。プレイヤーボードは一応映画の登場人物(マフィアのドン)を模しているのですが、映画を見たのはずいぶん前なので「コルレオーネ」(マーロン・ブランド)しかわからんかった。

 
↑個人ボードと構成員コマ。ちゃんとギャングとわかるコマの造形はなかなかのもの。

  • マンハッタンを模した中央ボードには全4エリア、それぞれにシマとなる店が3店舗ずつあり、得られる収入が異なります。ゲーム開始時に各プレイヤーは任意のエリアを指定し、その場所にある3店舗それぞれに構成員を配置します。

 
↑マンハッタンの店。ここが基本的な収入源となる。最初は皆バラバラのエリアを支配している状態から始まる。
 
 さて、ゲームの流れはそんなに難しくなく、まず各ターンの初めに「イベントカード」を引き、そのカードに書かれたイベントが発生します。

  • このイベントは割と致命的なもの(特定の店舗に配置した構成員がしょっぴかれる)から、ちょっと嬉しい類のもの(臨時収入となる)まで多数ありますが、重要なのが「車の移動距離」と「勝利条件ゲージの上昇」です。
    • イベントカード処理時、カードに書かれた「車の移動距離分」、ボード上の車コマを移動させます。この車が止まっているエリアは抗争の舞台にならず、摘発もされないという特殊なエリアとなるため、この車がうまく自分が有利なエリアに止まってくれるかどうかは結構重要になります。
    • また、イベントカードの属性に従って勝利条件ゲージを進めます。この勝利条件属性は「赤(ファミリーの信頼)」と「灰(政治への影響)」がそれぞれあり、それぞれ最大4まで上昇します。各プレイヤーはどちらか4に到達した勝利条件ゲージを最大まで上げないと、ゲームの勝者になれません(いくら稼いでも敗北する)。ゲーム中、以下にこのゲージをうまく調整していくかが重要なポイントです。


↑これが勝利条件を表すチャート。最終的に四段階に達した方のゲージがMAXで無い場合、勝利できない。

 その後、プレイヤーは順番に4色(赤、黒、白、灰)のサイコロを振り、それぞれを個人ボードの各アクションの上に配置していくことで、そのアクションを行うことができます。

  • ダイスは一列目から順に配置し、配置する事に残ったサイコロを振りなおすことができます。


↑サイコロ配置図。各列ごとに配置可能な条件が異なります。

  • 一列目はサイコロの目のみが影響するエリアで、サイコロを配置した目と同じ店に構成員を配置しているプレイヤーは全員収入を得られます。当然、なるべくならば自分の構成員がいる店の目を配置していきたいところですが、これが意外と難しい。
  • 二列目、三列目はともにサイコロの色と目が関連するエリア。二列目の赤、灰色はそれぞれ目の分だけ赤、灰ゲージを増加してくれため勝利するためにはかなり重要なアクションとなります。ほかに二列目白サイコロのの八百長試合「出目×1000ドル」の臨時収入も結構大きい(一列目と違い自分だけがもらえる収入なので)。
  • 三列目で重要なのは何といっても黒サイコロの「襲撃」。これは出目と同じ目の店に対し襲撃をかけ、その店を自分の構成員で乗っ取るというもの。このアクションにより直接的に他プレイヤーからシマを奪うことができ、乗っ取った店にいた敵構成員はハドソン川にぷっかり浮かぶことになりますw

 
ハドソン川に浮かぶ構成員。最終的にはかなりの数の死体がw

  • ほかにも三列目の赤サイコロの「密告」によって特定の目の店にいる構成員をムショ送りにしたり、灰サイコロの「調停」で殺された構成員×5000ドルのお金を受け取ったり、白サイコロの「仲間」によって仲間トークンを購入したりと、とにかく三列目には重要なアクションがたくさんあり、もっとも使うアクションの選択に迷うところでもあります。


↑ムショ送りの図。ムショに送った場合、襲撃と違って店を奪い取れませんが、調停でお金を払わされることはないのでケースバイケースです。

  • 四列目はサイコロの色だけ関係するアクションで、置けば確実に発動するのが強みです。この列だと特に重要なのが白サイコロのアクションで、仲間トークンの効果、もしくはターンごとに得られる定期収入のどちらかのゲージを1段階上昇させてくれます。仲間トークンは使い捨てとは言え、ハドソン川に浮かんだ構成員を蘇らせたり、赤/灰ゲージを進めたりできる便利なトークンなので、ここで効果を上昇させておくことの意味は大きいです。また定期収入もターンごとに得られるため、早めに上昇させておけばゲーム終了時までかなりの金額を稼いでくれます。

 イベント→各プレイヤーのアクション、を繰り返していき、7ラウンド終了した時点でゲーム終了。そのとき勝利ゲージが示すゲージがMAXになっていないプレイヤーは脱落し、MAXとなっているプレイヤーの中で最も所持金の多いプレイヤーが勝者となります。
 ダイスアクションゲームですが、単純な運だけでなくどのタイミングでどのサイコロを使っていくか、どの勝利条件を目指すか、どのプレイヤーを狙うかなど考えることが多く、プレイヤー間のインタラクションもかなり多いです(まさにマフィアの抗争のごとしw)。ダイスゲームらしく状況が二転三転しやすく、最後の最後まで気が抜けません。
 マフィアというややアングラな雰囲気(ボードのデザインとか)を楽しめる大人のボードゲームといったところでしょうか。

  • 地味な難点として、お金が紙製のお札なのですが、それぞれの枚数が少なめでかなり頻繁に両替しないといけないところがちと面倒。この手のゲームを遊ぶ際は別にチップなどを用意していると遊びやすいです。