7月になって少しは仕事楽になるかなぁと思ったら、さらに仕事が増えて8月までほぼ休みなしという状況になりました。なんだこれ。
ということで気を取り直してのボードゲームレビュー。今回は「ショウグン」。クィーンゲームズの方の「将軍」ではなく、エポック社が1979年に出した方の古ゲーム。つい先日の「街コロがドイツゲーム賞ノミネート」された際、ごく一部で話題となったゲームです。
- 実はこれが栄えあるドイツゲーム賞1回目の1979年にノミネートされた初の日本作品だったり。日本では「デジタロン」という名前でも発売されていたことがありました。こっちなら知っている人もいるかも?
ちなみに今回私が入手したバージョンは「ジュニア版」の小さ目の奴。ゲーム内容は一緒(多分)です。
↑結構小さく持ち運びしやすいです。
さてこのゲームは二人用のアブストラクト。将棋やチェスに近いゲーム内容で、お互いに手番ごとに一コマを動かし、相手の王を詰むか残り二個になるまでコマを取ることができれば勝利となる。非常にシンプル。
↑お互いに駒を並べたところ。
- 最初のコマの並べ方は自分側のエリア一辺に横一列に並べればランダムでもよいし、お互いに示し合わせてもよい。何気にこの初期配置は超重要。
さて、このゲームでは各コマには小さな窓が開いており、そこから通常コマは1〜4まで、王将は1か2の数字が表示されます。この数字はコマを動かせる数を示しており、動かす際は必ずこの数字分移動させなければなりません。
- そのため、2や4などが出た場合隣り合ったコマを取ることができないという状況が発生します。これ重要。
そしてこのゲーム、コマを動かした後、ボードとコマに仕込まれた磁石によってその数字がぐるっと回転して別の数字に変化します。これにより一回ごとに駒の移動できる範囲が変化していく、というのがこのショウグン最大の特徴。
↑コマの動きはかなり読めないため、常に乱戦に。
将棋系ゲームでありながらこのコマ移動力が毎回変化するという特徴ゆえに全く先が読めない展開。アブストラクトとしてそれはどうなの、って気もしますがよくよく考えればこのルールゆえ一手先だけ考えればよいという逆転の発想。これによりアブストラクトにありがちな「読みあいによる実力差」がある程度回避され、一手先が予想できないスリリングなゲームになっています。
- ボード内の磁石は固定されているため、実はどのコマがどこでどのように変わるかの法則はあります。が、それも初期コマ配置のランダム性とボードを回してプレイすることで簡単に変更可能。プレイ前に適当にボードをぐるぐるして開始するといいかもしれません。
こんな面白いゲームが30年以上前に、日本人の手によって生まれていたとは驚きです。街コロの際、ほんのちょっとだけ話題に上がったこのゲーム。結構日本でも出回っていたのかオークションなどでは意外と入手しやすいです(このゲームもオークションで1000円で入手できた)。これを機に遊んでみるのもオススメですよ。