なんだか前回から結構間が開いてしまったボードゲームレビュー。
今回は「ビール侯爵」に引き続き、フリードマン・フリーゼの「暗黒の金曜日」。
Schwarzer Freitag: Für 2-5 Spieler
- 作者: Friedemann Friese
- 出版社/メーカー: Franckh-Kosmos
- 発売日: 2010/11
- メディア: おもちゃ&ホビー
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↑ボード全体。これが各株の株価変動を表すチャートとなる。
各プレイヤーは株を売買しつつお金を稼いで銀塊を購入、最終的には最も多くの銀塊を手に入れたプレイヤーの勝利となります。
- プレイヤーの手番毎に出来るアクションには「株を買う」「株を売る」「銀を買う」「パス」の四種類あり、そのうちの一つを選んで行なうことになる。
- 株を買う場合、5種類ある株のうち、ボード上部の株ストックに置かれている銘柄を購入できる(無い場合は当然購入できない)。購入価格はボード上の価格に従う。
- その後、買った株コマと同じ色の株コマをボード右の「購入表」に置いていく。購入表に5つの株コマが置かれると、後々の「株価変動」のトリガーとなる。
↑株ストック。中盤は不足しがち、後半は余りがちになる事が多い(気がする)。
- 株を売る場合、まずボード右側にある売却表を確認し、そこにストックが存在しない色を売ることは出来ない(ここには最初に各種類2コマずつ配置している)。
- 売却後は売った株コマを袋に戻し、売却表から売った株コマと同じ色のコマをストックに補充する。その後、売却した株の価格を左に一つ下げる。この売却表の残り株コマ数が5つになった時も「株価変動」トリガーとなる
↑売却表。ここにストックがない株コマは売れない(よく売れない事態に陥る)。
- 銀の購入は、ボード左側にある銀価格表の金額で購入することが出来る。最終的にはこの個数で勝敗が決まるため、株で稼いだお金をどのタイミングで銀購入に回すかが勝負の鍵となる。
- 購入後にはボード右にある「銀購入表」に、株コマストックから好きなコマを一つ取って置いていく。これまた5つの株コマが置かれた時、「株価変動」のトリガーとなる。
↑ぐねぐね曲がっているのが銀価格表。下に見えるのが購入数チャート。
- パスの場合、何もせずに銀購入時の時と同様に、株コマストックから好きなコマを一つ取り、銀購入表に置く。
- また、各手番には上記のアクションとは別に、任意で借金をすることが出来る。借金は返すことが出来ず(重要)、株価変動が起こる度に利息を支払う必要がある。後半はとかく株価変動が起こりまくるため、あまり早めに借金すると利息払いがかなりきつくなるが、無借金プレイでは資金が息切れするため、どこで借金するかがポイント。
↑借金タイル。よく借金の利息を払うために借金するという状態が発生するw
このゲームのキモが「株価変動」。株を売買したり銀を購入したりで株価変動が発生した場合、現在の場のレベルに合わせて株コマを入れた袋からコマを取り、そのコマの数に従って株価が上昇します(下がることもあります)。これにより株価がかなりダイナミックに上昇していくため、どの株が値上がりするのかを予測し、購入→売却で資産を増やしていくのが基本となります。
株価上昇に従って場のレベルが上がると、株の売買可能数や銀購入可能数が上昇し、一気にダイナミックに場が動き出します。ただし、途中から袋に投入されていく「黒の株コマ」を二つ以上引いた場合は「暗黒の金曜日」状態となり、全体的に株価が暴落してしまう、それも価格が高い者ほど暴落しやすくなっているため、どのタイミングで売却するかはかなり重要。欲張りすぎると痛い目に遭います。
最初は場のレベルは低いため株や銀はそれぞれ一つずつしか売買できず、相場の変動時に引くコマも少ないためなかなか価格がダイナミックに上がりにくい。が、レベルが上がると売買の上限や、借金の限度額が増え、相場の変動も大きくなるため、場が凄まじい勢いで加速していく。終盤になれば銀相場が一回の決算で4〜5段階上昇してしまうことも珍しくない。
決算時に袋に残っていない色は引きにくくなるために上昇し辛い、と言った具合にある程度株相場は読めるがそれもかなり運に左右されるため確実な手を打つのが難しく、それがこのゲームの面白さにつながっていると思う。
実際、序盤に同じ色のコマだけ5つ来てしまいどうしようかと思っていたらあっという間に価格が130まで上昇したため素早く売り抜け→銀購入で逃げ切れたこともあったり、逆にある程度買い込んだコマが全く上昇せずに、最後までどうしようもない事態に陥ったりということもしょっちゅう。なんというか株価のままならなさがよく表されているゲームだと思うw
また、単純にお金を稼ぐだけでは駄目で、どこかで銀の購入に踏み切らなければならない、という辺りも面白い。前回紹介した「ビール侯爵」にも同様のメカニズムがあったが、フリーゼらしいバランス調整方法といえるかも。
ルールにちと分かりにくいところがあったものの、初プレイ時には続けて3回行なったぐらいハマった。前回の「ビール侯爵」とあわせて、今後のボードゲームサークルでの定番ゲームとしてプレイしていきたいぐらい。