最近プレイしたゲーム(20):世界の七不思議

 本日のボードゲームレビューは、ごく一部のボードゲーム界で話題沸騰の「世界の七不思議」。

↑ゲームプレイ風景。 とにかく場所を使うので広いスペースを用意しましょう。

 さる2010年エッセンシュピーレでファン投票1位に輝いたと言われるこの作品。いろいろなゲームサークルのイベントに参加するとそこかしこでプレイ風景が見られるようになった、今一番ホットな新作です。
 プレイヤーはそれぞれ世界の七不思議の文明を担当し、三段階ある時代を経て最も自分の文明を発展させた者が勝者となります。
 

  • まずこの手のゲームで珍しい、2人から最大7人までプレイ可能というプレイ人数の多さ。しかも何度かプレイした経験上、ゲームバランス的にはその6〜7人ぐらいでプレイするのが一番面白い気がします。多人数向けでありながら、ゲームプレイ時間は短め(30分程度)なのも魅力的。
  • ゲームプレイはマジックザギャザリング等のトレーディングカードゲームで行なわれる「ドラフト」と呼ばれる方式に似ている。
    • まず第一時代の文明カードを各人7枚受け取り、そこから必要なカードを一枚取って残りを隣のプレイヤーに渡します。これをカードが無くなるまで繰り返したら一時代終了となり、これを三時代分行なったところでゲーム終了となります。
  • カードには建物を建てるための資源(茶色)(灰色)から民生(青色)、科学(緑色)、商業(黄色)、軍事(赤色)、ギルド(紫色)といった様々な建物から成り立っています。建物を建てるには決められた資源が必要となるため、まず最初は資源をいくつか取得し、それから建物を建てていくのが基本的な流れになるでしょう。
    • 建築時に資源が足りない場合は自分の左右に座ったプレイヤーから「借りる」事が出来ますが、この場合お金を支払う必要があります(借りないととても建物は建てきれないのですが、お金は最後に得点になるためあまり与えすぎるのも考え物です)
    • 建物には「建築の前提条件」となる建物が設定されている場合があり、前提を満たしていれば資源無しでタダで建てられます。これを考慮して建物を建築していくのも重要です。(ただ、ほとんど言語依存がないこのゲームで唯一英語だと分かりにくいのがココで、コレのせいでなんかいつも場のカードばっかり見るハメになりますw)
  • 勝利条件となる得点を得る方法は多彩で、「条件を満たして七不思議を完成させる」「時代の変わり目に行なわれる戦争フェイズで左右のプレイヤーに勝つ」「お金を得点に替える」「得点を得られる建物を建てる」「ギルドを建築して諸々の条件を満たす」「得点が得られる道具?(文明の利器)を揃える」などなど。この多彩な得点方法により、勝ちパターンが多く存在するため、一方的に誰かが勝つ、という状態になりにくく最後の最後まで勝負がわからない。諦めずに頑張れば逆転もよく起こります。


↑ゲーム終盤。建物が並びまくっているところ。この状態だと誰が勝っているのやらさっぱり。

    • とりあえず何度かプレイした感じでは、唯一他のプレイヤーにマイナス点を与えられる「戦争での勝利」が意外とバカにならない。
    • また「得点を得られる建物」を集中して取るのが最も点が高くなりやすい(その分、妨害もされやすいけど)気がする。「ギルドを建築」は条件がややマニアックで満たすことが難しいが、その分一枚で一気に点を稼げる可能性を持っているため一発逆転には向いているかも。
    • 「七不思議を完成させる」は最初に取った文明によって効果が異なる。これ結構強さのバランスが悪い気がするだが・・・。個人的には「オリンポス文明」の『一時代につき一軒までコスト無しで建物を建築できる』能力がお気に入り。なるべく早めに完成させて能力を使えるようにするとかなり使える。


↑これが「オリンポス文明」。二段階まで七不思議を完成させると能力が使えるように。

  • 勝利の目安として、とりあえず「50〜60点ぐらい」が勝利のボーダーラインになるかと。自分が干渉できる相手が上手と下手のプレイヤーしかいないので、その二人の得点だけでも把握しておくべし。あまり妨害は重要ではないが、それでも止めるべきカードは必ずゲーム中何枚か出てくるので。

 「多人数でもプレイできる」「プレイ時間短め」「それでいて満足度の高いプレイ感」という良作。さすがエッセンNo1は伊達じゃない。難点は得点計算がやや煩雑なことだが、ゲーム付属の得点表を使うと割と簡単に計算できる。これ自作しても良いかも。
 あまり数が入っていないせいか入手がちょっと難しめだが、たぶんこれはそのうち日本語版が出ると思われるので(輸入元ホビージャパンだし)そのときには是非購入したいところ。手軽に本格ゲームを楽しむにはぴったりの一品だと思う。