- メディア: おもちゃ&ホビー
- 購入: 1人 クリック: 12回
- この商品を含むブログを見る
まずゲームのコンポーネントで真っ先に目が行くのが、専用カードスタンドが付属していること。そしてゲームのシステムも、この専用カードスタンドに依存したちょっと独特のシステムになっています。
↑専用カードスタンド。ちょうど8枚分のカードを立てることが出来るようになっている。
ゲーム開始時、各「ゲームスタンド」に8枚のカードを配ります。そしてこのスタンドを、各プレイヤーの「間」に配置します。このカードスタンドがそれぞれ左右のプレイヤーとの共通の手札になるというわけです。
↑カード配置図。左右のプレイヤーのと間にカードスタンドを置く。
まず、ターン開始時に売買フェイズがあり、ここでスタートプレイヤーから順に「証券を買う」「証券を売る」「パス」のどれかを行うことが出来ます。
- 一度に売買できる証券は3枚まで。売る、買うのどちらかしかできない(1枚買って2枚売るみたいに組み合わせることはできない)。
- また後述する「証券投資」もこのフェイズ中に行うことが出来ます。
売買フェイズ終了後は相場変動フェイズとなり、カードスタンドの左右から1枚ずつ2枚のカードを場に公開し、そのカードの内容によって証券の相場を変動させていきます。
- カードには、6種類の証券(塩とかコーヒーとか)と、それぞれ-4〜+6までの相場変動幅が描かれている。カードを使用する際、1枚を「通常の数値」、もう1枚は「半分の数値」で相場を変動させる。
- 相場の変動は中央ボードのコマを移動させて示す。最初は40$からスタートし、250〜0$の幅で変動する(ただし0$の際は売買できない)。
- 相場変動は、左右のプレイヤーの手札が半分見えている状態であるため、売買フェイズ時にどんな証券を買ったかなどを考慮し、相手の手を読んでいくことが重要になります。
カードスタンドのカードが一度無くなったところで前半戦終了。証券投資の金額を清算し(前半終了時点での相場で売却し、その金額を発表する)、新たに8枚のカードをカードスタンドに配ったのち、後半戦開始となります。
このカードを使い切ったらゲーム終了となり、最後に残った証券を売却して最終的な資産を計算します。
ただし、単純に所持金が多ければ勝ちというわけではありません。このゲームでは公共への投資金額という要素もあり、この金額が最も少ないプレイヤーはゲームから脱落するという厳しいシステムがあるのです。
- 「証券投資」は売買フェイズの際、証券1枚を自分の投資ボード上に伏せて置くことで行います。この伏せた証券は、前半戦終了時と、後半戦終了時にその時点の証券額で売却し、お金に換えます。最終的にこの金額が少ないプレイヤーは強制敗北となります(複数いた場合はその全員が敗北)。
↑投資ボード。このボード上に証券を伏せて置く。前半終了時点で金額をいったん発表するため、後半の投資が熱くなる。
投資額が最下位でなかったプレイヤー同士の資産を比較し、最も金額が高いプレイヤーの勝利となります。
他に類を見ない手札共有システムと、投資額が最も低いプレイヤーが強制的に負けとなるシステムなど特徴的なゲームシステムにより、お互いの行動をある程度予測、邪魔することが出来るため読みあいが熱く、特に投資を巡る争いはこのゲームのキモと言ってもいいぐらい。
- 当然、投資しすぎればその分資産が減ってしまう。きっかりギリギリ最下位にならない程度に投資していく必要がある。誰が何の証券を買ったのかを覚えておくことが勝利のポイント。
経済ゲームとしても、相場を直接変動させるというわかりやすさから、プレイしやすいのも良いところです。時間的にやや中量級(40〜60分)ぐらいなのでちょっと本格的なボードゲームをプレイしたい際にはお勧めできる一品です。
- 難点はボードその他の見た目が地味な事。カードスタンドなどゲームシステムそのものは特徴的ですが、ボード的には相場コマを動かすだけなのですごく地味というかダイナミックさに欠ける気がします。
- システムそのものはかなり面白いので、このシステムを活かしたゲームとかもっと出てくれないかな。