最近プレイしたゲーム(17):アセンション

 今回のゲームはまだ日本にはほとんど輸入されていないと思われるカードゲーム「アセンション」のプレイ感想。 

↑ボードにカードを並べたところ。

 いわゆるドミニオン以後大量発生したデッキビルド型カードゲームのひとつなのですが、それらと大きく異なるのが、上記のボードがある事と、取得するカードの山(サプライ)が存在しない事。
 そのかわり、ランダムに場に置かれた6枚+常設の2種類のカードからどれを取得するかを選択してきます。

  • カードの取得は「魔力」か「武力」のどちらかを使用します。主に「モンスター」以外のカードは「魔力」を支払う事で捨て札に置き、「モンスター」は「武力」を使用して倒すことで、そのカードの能力(主に勝利点の獲得)を即時に使用する事が出来ます。
  • 主にモンスター以外のカードは「ヒーロー」「コンストラクト」に分かれ、ヒーローはいわゆるドミニオンで言うところのアクションカード、コンストラクトは場に残り続けて効果を発揮するカードになります。
  • それぞれ、マジック・ザ・ギャザリングのように複数の色(陣営)に分かれており、同じ陣営のカードを集めているとより効果を発揮するカードなどが存在します(コンストラクトのカードに多い)。
  • 常設のカードは「魔力+2のヒーロー」か「武力+2のヒーロー」。実は初期手札とこれ以外に魔力、武力を増やす「財宝」的カードはほとんど無い(+3のカードも常設にはない)ため、どのタイミングでどれだけこれらを購入していくかがポイント。

 また、購入権やアクション回数といった概念もなく、手札の許す限りカードの能力を使用でき、かつカードを購入する事が出来る、勝利点はトークンで取得し、トークンのストックが切れた時点でゲーム終了というあたりもこのゲームの大きな特徴です。
 そのため、ルールそのものはドミニオンよりも分かりやすく、また勝ち筋も結構運に左右されるため最後まで勝敗が分かりにくく、よりプレイヤー間の駆け引きがものを言います。

 なにしろ場には6枚しか並ばないため、なかなか取れるカードが場に残るとは限らず、またようやく現れたとしても他のメンバーに先に取られるなど良くある事事。
 ほかにもモンスターを倒した場合、得点にはなるがカードは獲得できないため後半伸び悩んでしまったり、逆に武力を取らないでいたら場がモンスターだけで埋め尽くされてしまい何も購入できない、といった現象も発生するため他のプレイヤーがどう動くかを予測し、的確な場のカードを取得していく事が求められます。

  • 実際のプレイでは、私は武力はほとんど獲得せずに場のカードをひたすら購入。カードを引くヒーローを優先して取得し、とにかく大量の手札を回すプレイを心がけたところ、得点トークンで30点近い差があったにも関わらず、カードの価値で逆転勝ちを収められた。
    • ただこれも後半良いタイミングで高得点のカードがあったからうまくいった事であり、どちらか一方だけに偏って勝つのは結構難しそう。とにかく場札と自分の手札のタイミングがうまくかみ合うかが重要。
    • 逆に他のプレイヤーにカードを渡さないプレイや、場に並べられた「コンストラクト」カードを攻撃するのはかなり有効。

 プレイテンポは余りよく有りませんが(ドミニオンと違って自分の手番が回ってきた段階で場札が一変してしまうため、どうしても考える時間が長くなる)、ドミニオンと違いプレイが単調になりにくく、ある程度運要素が強いため初心者でも勝ち目がある事、プレイヤー間の絡みがより重視されているところなどから、個人的にはかなり気に入った。
 まだ日本語訳されていないが、噂では年明けぐらいに日本語訳版は出るらしいとのことなので、もし出たら買ってみたい。