最近プレイしたゲーム (11):ボードゲームギーグゲーム(TheBoardGameGeekGame)

 11回目の今回は、マニュアルを一から翻訳せざるを得なかったために苦労させられたコイツ「ボードゲームギーグゲーム」。


↑パッケージ。実在するボードゲームが大量に描かれている。いくつ分かるかでギーグ(オタク)度がわかるかも。

タイトルにもなっている「BoradGameGeek」とは「ボードゲームオタク」の事。同名の有名な海外サイトもあるのだが、パッケージに登場するキャラクターデザインがBoradGameGeekのサイトのアイコンと同じなのでたぶんなんか関係があるのだろう。

  • 箱を開けると、その側面部分にBoradGameGeekの掲示板で使用されているアイコンが無数に記載されている。中にはマジンガーZだとかスパイダーマンだとかクマのプーさんだとか、あからさまにヤバ気なヤツも混じっているのだが本当に大丈夫なのかコレ。

 プレイヤーはボードゲームメーカーの出版社となり、自社製品を売り込んでGG(ギーグゴールド)を稼ぎつつ、他のプレイヤー達が出版するボードゲーム達をコレクションしていくことになります。


↑こちらがゲームボード。ブロードウェイにある六軒のボードゲームショップが舞台。各お店には有名どころのボードゲームが所狭しと並んでいるので、ボード見ているだけで楽しい。

  • ボードの裏面を見ると、ボード上に描かれているゲームが何であるかの答えが書かれていたりします。コレを使ってマニアックなクイズ勝負も出来そうです。

 このゲーム最大の特徴が、プレイヤー分するボードゲーム出版社、および販売するゲームが実在のモノである事。
 プレイヤーが担当するゲーム出版社は「HANS IM GLUCK」(ハンス イム グリュック)*1、「YSTARI Games」(イスタリ ゲームズ)、「R&D GAMES」(アールアンドディ ゲームズ)、「Treefrog Line」(ツリーフロッグ)、「eggert spiele」(エッガード シュピーレ)、「QUEEN GAMES」(クィーンゲームズ)と錚々たる顔ぶれ。ちょっとボードゲームが好きな人ならすぐにピンとくるメーカーばかり。
 ゲーム中で発売する事になる「ゲームタイル」に描かれたゲームも、例えばハンス社ならば「サンクト・ペテルブルグ」や「カルカソンヌ」、「エルグランデ」といった有名ゲームタイトルが目白押し。

 まさに名は体を表す。ボードゲームギーグ(オタク)のためのゲームといった雰囲気。
 さて、肝心のゲームの方ですが、勝利点を稼ぐ方法は大きくわけて「自分の出版社のゲームを他のプレイヤーに買って貰う」もしくは「他のプレイヤーのメーカーのゲームをコレクションしてボーナスを貰う」の二つ。

 1ラウンド中のアクションは、大雑把に分けると以下の通り。このアクションを6ラウンド繰り返して行い、最終的にもっともGG(ポイント)を稼いだプレイヤーが勝者となる。

  1. ボードゲームが自社倉庫に届く(ゲームタイルをドローする)
  2. ゲームを店に並べる
  3. ギーグを各店舗に派遣する
  4. 購入フェイズと次のラウンドのスタートプレイヤーを決める
  5. ギーグがゲーム購入
  6. 販売したボードゲームの得点を計算する
  • ゲームを店舗に並べる際は、スタートプレイヤーから順に商品となるゲームタイル(ボードゲームタイトルが書かれている)を裏向きに配置していく。1ラウンドの配置でいくつ配置しても良いのだが、1ラウンドに補充できるゲームタイルには限りがあるし、6ラウンド目に至っては補充できない事などから、あまり並べすぎるのも良くない。
  • ゲームを買うためにギーグを店に派遣する方法はサイコロを使う。プレイヤー一人に3つのサイコロ(ギーグ)が渡され、振って出た目に対応する店に置く。これだけだとただの運ゲーですが、配置後にはGGを消費する事でサイコロを振り直したり、店を移動したり出来る。場にある裏返しのタイルが何であるのかを店舗の情報柄読み、他のメンバーを出し抜くようにサイコロ(ギーグ)を配置する必要がある。
  • 6ラウンド終了時に得点計算にはいる。このとき、自社の製品のタイルや、重複してしまったタイルは計算に含まれない。(まぁマニアにはありがちだけど)そして、タイルに書かれた数値(1〜6)が同じゲームを全プレイヤー分集めた場合は1枚6GG、揃わなかった場合は数値そのものをGGに加算する。これにより、低めの数値のタイルはなるべく揃えるようにしたほうがお得。逆に5〜6あたりは無理して揃える必要があまりない。
    • なお、余談だがこのゲームタイルに書かれている数値は箱のサイズを表しているらしい・・・。クィーンゲームズあたりはなんか設定とあっていない気がする*2んだが気のせいか?

 ゲーム中、やれることはひとつひとつはシンプルなのですが、タイルの置き方やサイコロの配置方法、それによるゲーム購入の順番などはかなりの高度な駆け引きが要求される。見た目より考える事も多く、心理戦や読み合いが好きな人向け・・・文字通りギーク向けなゲームです。

  • 相手がどのタイルを取ったのかは非公開(衝立で隠す)のため、きちんと誰が何を取ったのかは把握しておくべし。重要なのは1〜3あたりの低得点のタイル。このあたりをコンプリートされると一気に得点が跳ね上がるため、他のメンバーのタイルを押さえたり、逆に自分の低得点タイルを取らせないといった戦術が重要になる。
    • そのため、時には自社のタイトルを自ら購入したり(この場合、得点にはならない)、あるいはわざと絶版させる(店舗に置いたゲームはラウンドごとに値引き処理を行う。このとき値引きできないゲームは絶版となる)などをして、他のプレイヤーのコレクション成立を阻止する必要もあります。

 さて、こんな感じで結構面白い(ギークであればあるほど)ゲームなのですが、問題なのが英語版しかないことと翻訳が付いていない事。このゲームに関する日本語の情報も少なく、これで遊ぼうと思うとちょっと難しいのが現状です。
 そこで、今回プレイするに当たって作成した私家訳をダウンロードできるようにしてみました。以下のアップローダーからダウンロードできます。<ボードゲームギーグゲーム私家訳マニュアル>
http://www1.axfc.net/uploader/File/so/47912.zip

 ぜひコイツを参考にして、より多くの人に遊んでいただければ幸いです。

  • ゲームのルールに関係なさそうな部分は基本省いております。もし間違いがありましたらコメントしていただければ幸いです。
  • あんまり関係ないが、翻訳時に一番苦労した点が「TheBoardGameGeekGame」で検索すると本家「BoardGameGeek」関連のサイトばっかり引っかかって、肝心のコイツの情報がほとんど見つけられなかった事。というわけで、今回は普段は記事タイトルに含まないゲームの英文名も記載する事にした。これでちょっとでも他の人が調べやすくなってくれてるといいんだけど・・・。

*1:「幸せなハンス」という異名?でも有名。

*2:クィーンゲームズの箱は汎用設計なのか、あまり中身にあっていないデカさだったりする。しかも妙にデカイ事が多い。