Switch版「蒼き翼のシュバリエ」 クリア後レビュー

 本日のゲームレビューは「蒼き翼のシュバリエ」。

 メーカーはダンジョンRPGばっかり出していることで有名なエクスペリエンスで、このゲームも例にもれずダンジョンRPG

 

 このゲームは過去にエクスペリエンスがリリースした「円卓の生徒」のリメイク版で、オリジナル版「円卓の生徒」はXBOX360版を過去にプレイしていますが(プレイ日記見たら2011年だった。もう12年も経ったのか…)、ストーリーとかはもはや超うろ覚え。

  • 円卓の生徒」自体はPSP版でも一度リメイクされているので、これはさらにそのリメイクという扱いになるのかな? 毎回キャラデザが変わるという中々稀有なソフト。

 

 とりあえず今回は裏ボスの撃破までプレイしたところまでの感想。二か月間、ほぼ毎日プレイして大体60時間ほどかかりました。いやこれ思ったよりボリュームあったわ。

 

 基本的なストーリーの流れは「円卓の生徒」と同じ(だと思う…)。100年前に魔王に敗れた円卓の騎士を再建し、魔王打倒を目指すというシンプルなストーリー。こういうのでいいんだよこういうので。DRPGのストーリーなんて分かりやすいぐらいでちょうどいい。

  • ラスボスがチャーム攻撃を仕掛けて来るから大軍で対処できず、限られたメンバーで防ぎながら戦うしかない、という舞台設定はかなり好き。勇者一行だけで魔王攻略せねばならない理由付けとしては良く出来ていると思います。
  • ちなみに調べていて驚いたんですが、これデモンゲイズと世界観を共有してたんですね(これの数百年後がデモンゲイズ1&2らしい)。そこが一番びっくりしたわw

 

 この移動する拠点「エンドロール」で大陸各地のダンジョンを巡って魔法討伐を目指します。このデカい空飛ぶ城を拠点として、円卓の生徒たちと冒険を繰り広げるのだ。

 

 基本的なプレイ感は王道のダンジョンRPG。前衛3人後衛3人の6人パーティというスタンダードなスタイル。こういうのでいいんだよこういうので(2回目)

  • 移動速度はかなり早い上にオートパイロットにも対応しており、移動関係は割とスムーズ。個人的には後ろ入力でそのままバックが欲しかったところではありますが、そこはまぁ許容範囲。
  • エクスペリエンスのダンジョンRPG独特のシステムとして「トラップポイント」があり(本作のリメイク元である「円卓の生徒」が初出なんでしょうかね?)、ダンジョン内のポイントに特定の「エサ」を配置することで、宝箱を持ったモンスター集団を出現させることが可能。これによりトラップポイントを回りながら延々稼ぐことが可能。この稼ぎ効率の良さは本作の良点ですね。とにかく稼いでレアドロップを狙うのが面白い。
    • ただ、本作は表クリアするまでは商店の買い物に制限があり(在庫が補充されるまで買えない)、このせいで肝心のエサが足りなくなってしまう現象も多々あります。特に中盤あたりでがっつり稼ごうと思ったらコレがめちゃ足引っ張ったので、ここはもう少し緩和してほしかった。

 

 バトル関係もコマンドリピートがめちゃ早くサクサク。戦闘テンポが良いDRPGは名作の証w

  • 特にサムライの全体攻撃スキルが超便利で、これを複数人に覚えさせることで一気に雑魚戦が快適に。というか最終的に戦闘員の大半がサムライになるレベル。ボスに強いファイターとの使い分け(あるいは併用)スタイルになるでしょうか。
  • また「勇者の歌」でユニオンスキルポイントが回復できるようになると、戦闘開始とともにバーストスキル(スペル攻撃力を増強)を使っての全体攻撃スペルによる一掃がめちゃ強力。というか本作の魔法攻撃はめちゃ強力で、MPに余裕が出てくる後半戦あたりはこれを使いこなすことで一気に殲滅力が跳ね上がります。前衛3人サムライ+主人公は後列から攻撃、1人は魔法、1人は回復あたりが最終的に使いやすいバランスかな。
  • ただ、この魔法攻撃の強さはそのまま敵の攻撃にも適用されるため、通常攻撃なら1ケタ台のダメージしか出ないが、全体魔法喰らったら全員5割ぐらいダメージを喰らうとかもザラ。魔法を使う敵はやるかやられるかの死闘が繰り広げられます。
    • 特に魔法が強くて硬い後半戦ともなれば、ただの雑魚相手でもユニオンスキルのダメージ軽減スキルなんかもフル活用していかないと厳しいでしょう。

 

  シナリオ面ではダンジョンぶつ切りになるほどには頻繁に展開せず、それでいてテキストスキップがめっちゃ高速なので長すぎてダレるというほど気になる所はなかったです。この辺はデモンゲイズ2よりも良かったですね。

  • キャラクターは10人いますが、中でも最序盤で仲間になるエルサとルーミがストーリ上でも優遇されていて、こういうイベント用グラフィックもあり、実質ダブルヒロイン状態。戦闘要員としてもほぼ外れないんでいいっちゃいいんですが、さすがに全キャラ均等に一回ぐらいイベントグラ欲しかったな。

 

 表クリアまでは35時間ほど。そこから裏ダンジョン編が始まります。さぁ、ここからがこのゲームの本番だ。

  • 本作の裏ダンはストーリー的には表クリアから繋がっており、これまで拠点に詰めてきたマァリンが満を持してパーティ入りする。というか裏ダンを進めるにはこの加入イベントが必須なのだが、全メンバーの好感度LV7まで上げなければならないのは中々キツイ。ここで結構手間取ったわ。
    • 食事をこまめに取ったり、好感度を上げるスキルを持ったチュップをパーティに入れたりしてマメに稼ぐべし。

 

 裏ダンに入るといきなり敵が手ごわくなる。クリア直後ぐらいのレベルや装備だとマジできつく、雑魚で稼ぐのもかなり安定しません。表クリアはLV40ぐらいで可能なのに、裏ダン稼ぎはLV60位にならんと厳しい…。というか、それを超えていてもやられるときはやられるというデッドオアアライブなバランス。

  • 繰り返し受けられる「神の座」クエストでレアドロップを稼ぐのが攻略の鍵。クエスト受注に必要なドランナイトは表クリア後に合成可能になるので、ここでしばらく稼ぐと楽になります。道中入手した宝石はなるべく売らずにここまで取っておきましょう。
  • 裏ダンまでくると買い物制限がなくなるので、レアドロップ吟味が一気に楽に。村正とかのドロップも狙えるので、LVが上がったらここが最速効率。

 

 裏ダンは4F構成だが、1F毎にボスと戦う必要があり、しかも拠点に戻ると復活してしまう。とはいえ、このゲーム雑魚敵の強さのわりにボスがそんなでもないので、ある程度レベルを上げたら逆に経験値稼ぎにも使えたりします。

  • ただ、即死攻撃や連れ去り攻撃(何ターンかバトルに参加できない)が多くて負けるときはあっさり負けます。装備で耐性をカバーできますが、どの装備が即死・連れ去り耐性があるのがすげぇ分かりづらいんですよね…。
  • 裏ダンのボスバトルでは主人公かマァリンのどっちかは連れ去りを防ぐ「オーラホイッスル」を毎ターン使うなどしていた方が安全。

 

 なんだかんだで裏ダンもクリア。最終的には60時間ぐらいかかりました。

  • 最後かなり稼ぎを入れたため、結構かかりました。実際は50時間ぐらいで攻略できるラインだと思います。稼ぎが楽しいゲームだからしょうがないねw

 

 そんなわけで稼ぎ良し、移動良し、戦闘テンポ良しとDRPGとして非常に良く出来たゲームだったわけですが、それなりに不満点もありまして、特に「UIの洗練のされていなさ」は引っ掛かります。元が2011年のゲームなので一部仕方ないところはありますが、さすがにそこはリメイクの時に直しといてよ、と思う箇所がちょいちょいある。

 

  • 例えば、本作は別の迷宮や街にいくとき、ワールドマップ上で移動先を選択するというシステムなのですが、これいちいち移動時にアニメーションが挟まります。これと「街のショップで売っている消耗品は売り切れを起こす」仕様が噛み合ってしまい、後半は各街のショップを移動して売っている場所を探す、みたいな状況になった時クッソ鬱陶しいことになります。せめて消耗品切れが無ければそこまで問題なかったのに…。
  • 後は、バトル中のコマンド入力が「並び順」ではなく、主人公からの加入順なのがステータス表示と噛み合っていなくてクッソやり辛い。武器装備の関係上、後半はずっと主人公を後列に置いていたので、この見た目のズレには終始悩まされた。
  • あと、個人的に気になったのが「自室で生徒を呼び出すと通常メニューが開けなくなる」こと。これの為に「転生(メインとサブクラスを変更する転職)」を行ったとき、装備が外れるのにメニューを開けないのでいちいち生徒を返して自室から出る→装備変更とやらなければならんこと。ここで転職ミスに気が付いて、再度自室→生徒呼び出し→転生のやり直しになった時などはもうキレそうになりますw
    • せっかくオリジナルと比べて転生に制限がなくなったのにこの仕様のせいで、「今何が装備できるのか」を確認するのもめっちゃ手間かかるんですよね…。せっかく豊富な職業が使い分けづらいのはいただけない。

 

 とはいえ不満点はUIぐらいで、戦闘のテンポ良さや罠によるハクスラのやり易さなどもありDRPGとしてはかなり満足した一本。DRPG好きとしては十分楽しめますね。今だと中古も3000円切っててコスパも良好だしw

 

 最終的なパーティ構成はこんな感じ。

  • 主人公(ヴァリアントLV63/サムライLV49)
    • パーティメンバーから外せない&ヴァリアントがメイン固定という育成面での面倒くささこそあるものの、その分経験値が集まりやすいので最後まで主力として活躍できます。
    • とはいえ、他メンバーとの射程距離の兼ね合いもあってか、後半はほとんど後列から弓を撃っていましたが。というか本作は弓がかなり強いので、レアな弓はほとんど主人公に回してしまって良いね。
  • サウル(ファイターLV54/サムライLV42)
    • 初期からいる物理前衛エース。特にファイタースキルの複数回攻撃は単体相手だと狂った威力を誇るので、こいつに強力な武器を集めておくとボス戦がかなり楽になります。
    • ただ、HPは高めなのに後半飛び交う即死で一撃KOされがち。正直防御が下がってでも耐性装備優先したほうが良い。
  • エルサ(ウィザードLV54/アルケミストLV35)
    • この娘も初期組の一人で、最終的に狂った全体攻撃火力を1ターン2回繰り出せる砲台と化します。その分耐久は弱めなのでしっかり後列に置いて守ろう。
    • あとサブ職に悩むキャラ。移動スキル目当てにドルイドにしていましたが、後半は錬金の費用に悩んだのでアルケミストにした。ここは好みが出るかな…。
  • ルーミ(パラディンLV55/サムライLV42)
    • パーティの盾役。後半は他メンバーへの攻撃を庇う「ディポーション」がめちゃ強く、ほぼコレ目当てでパーティ入りしていた。物理攻撃をほぼシャットアウトできるのは強力。敵が強い本作では生命線ともいえる強さです。
    • サブ職は全体攻撃目当てでサムライを取っていますが、より盾役を活かすならば回避が上がるレンジャーの方がいいかな。
  • マイ(サムライLV53/ファイターLV41)
    • 中盤過ぎたあたりで加入するサムライ娘。固有スキルが全員の物理火力アップなので物理メインで行くなら加入して損はない。
    • この娘もボス戦の火力目当てでファイターにしていたが、加入直前ぐらいだとかなり脆いのでパラディンとか取っていた方が安定するかも。
  • マァリン(ヒーラーLV44/ヴァリアントLV50)
    • 最終版加入のメンバー。主人公以外だと唯一のヴァリアント(勇者みたいなもん)に付けるキャラで、補助+回復役としてめちゃ優秀。
    • サブ職をヒーラーにしておくとマナ回復が付いて補助魔法使いたい放題になる。他にもユニオンを回復する「勇者の歌」、一定ダメージを防ぐ「ホーリーシールド」、連れ去り防止の「オーラホイッスル」などとにかく役割が多いので、逆にこの娘がやられると一気にピンチになる。即死耐性は切らさぬように。