先日、ベルトスクロールアクションの「THE TAKEOVER」をレビューしたので、せっかくだから同じジャンルのゲームをいくつか取り上げてみようと思う。
ということで今回は「アーケードアーカイブス」の中からベルスク三本をレビュー。アーケードアーカイブスは手軽な値段なのでついつい買いすぎるな…。
●64番街
- 今は亡き、ジャレコ謹製のベルトスクロールアクション。ジャレコのベルスクといえば「ラッシング・ビート」シリーズなんかが割とメジャーですが、これはその前身ともいえる作品で、キャラクターとかがファイナルファイトわりとまんまなところとか芸風変わらんなw
- 一応ストーリーとしては、探偵リックとアレンが誘拐事件を(主に暴力で)捜査していくという内容だが、正直そこはどうでもいいw というかストーリーの絡ませ方がだいぶ適当。
- 町の住民らしき雑魚どもをぶっ飛ばしつつ、ステージクリアの幕間ごとに一応上記のストーリーが繰り広げられるのだが、その想像を絶する適当さはある意味必見である。
- キャラはデカくて迫力はあるものの、動きがかなりもっさり気味で、こちらの攻撃判定が弱すぎるため、敵をまともに倒していく事さえ難しい。敵の攻撃力はやたら高いし、起き上がりに無敵がないため一度ダウンするとハメられ捲るし(ボスは大体これ。よりによって一面ボスからハメてくる)で、難易度がむやみやたらに難しい。
- 敵を壁に向かって投げつけることで大ダメージを与えられたり、場所によっては即死させられたりする独特なシステムがあり、これによってバキバキ叩きつけるのは結構爽快。あとBGMは結構いいので全く見るところないわけでもないかな…。せめてもうちょっとキビキビ動けは印象悪くなかっただろうに(ラッシングビートシリーズのテンポの良さはここからの反省だったのかも)。
●ゼロチーム
- 謎の忍者軍団が悪の組織に立ち向かうという、特撮番組じみた内容のベルトスクロールアクション。開発は「雷電」シリーズのセイブ開発で、1993年リリース。アーケードのベルスクとしては結構後期ですね。
- キャラクターの大きさや敵のキャラクター性といい、ベルスクとしてはファイナルファイルト型ではなく、ダブルドラゴンの系譜ですね(1面の車のシーンとか)。忍者なだけに、かなりサクサク動けて、大量の敵をなぎ倒していくという、シンプルなベルスクの魅力が詰まっています。
- 主人公たちが忍者だからなのか敵も謎の日本かぶれな組織で、現代何だか戦国何だかよく分からない謎の世界観が展開されます。アメリカ人の考える忍者みたいなテイスト。
- コマンド入れによる必殺技と範囲の広い投げ技を使うことで無茶苦茶敵をテンポよく片付けることができ、かなり爽快感があります。オススメは紅一点のSPIN。こいつの超高速往復ビンタ→つかみ→打ち上げる投げ技はかなりの巻き込み力があり、これで一斉に敵をなぎ倒していくのが無茶楽しいw
- 変わった要素として、エンディングでは各種リザルドが表示されますが「敵を倒した回数」とかのほかに「食べ物を食べた回数」やら 「殴られた回数」やら謎の要素がカウントされています。これのボーナスもあるので、スコアアタックを突き詰めるとこの辺も重要になってくるのかしらw
- ベルスクとしてはかなり面白い隠れた名作。こういう埋もれ気味なゲームにさらっと脚光が当たるのがアーケードアーカイブスの良いところですね。
●戦国伝承2001
- ネオジオ切っての怪作として名高い「戦国伝承」の、今のところ最終作として発売されたベルトスクロールアクション。戦国伝承2が1993年で、次のコレが2001年とだいぶ間が開いて発売されたという珍しいシリーズ。
- なお、キャラクターが全員忍者なところとか、話のノリとかは戦国伝承よりも同じくネオジオの「ニンジャコンバット」のほうが近い気がしますw
- 実はWiiのバーチャルコンソール版も持っていたりします。なんでまた買ってるんだ…。
- ゲームシステムとしては出が速い素手攻撃と、出が遅いが威力が高い武器攻撃の二種類の攻撃を使い分け、コンボを叩き込んでいくタイプ。結構テクニカルにつないでいくことができ、投げやダッシュ攻撃、ジャンプ攻撃などを絡めたりと操作は終始忙しい。
- 戦国伝承シリーズにあった謎の世界観は鳴りを潜め、侍やら忍者やらやたらと和物な敵やら妖怪やらが登場するものの、何回極まりない謎ストーリではなくなった(割とまともに)。この辺はちょっと残念かもしれん。
- それでも、イタリアやらアメリカやらに謎の侍軍団が闊歩しているのは無茶苦茶アレな光景ですが。世界中を暴れまわって、最後の最後が京都というのもそれっぽい。
- 最初の三ステージを攻略すると、ボスとして立ちはだかった白鬼と阿国が仲間に加わり、ここで再度キャラ選択ができる。この辺も「ニンジャコンバット」 っぽさを醸し出している…。というか登場キャラ全部忍者だし、これニンジャコンバットシリーズとして出してもマジで違和感ないんじゃw
- さて、このゲームの問題点はその難易度。最初の三ステージは比較的マシで、軽快なコンボを叩き込んでいくのが面白いのですが、後半ステージになると一気に殺意むき出しに。まず、ダッシュ攻撃を絡めてダメージを取っていくコンボを封じるがごとく、移動を制限するダメージ床が激増します。これマジで萎えるよ。
- また、「背が低くて素手攻撃が当たらない敵」「投げられない敵」「画面外に頻繁にフレームアウトする敵」といった鬱陶しい要素が重なり、後半は難易度が高いというより理不尽な展開が増えます。難易度展開までニンジャコンバットっぽくしてほしくはなかったなw
- そして本作の理不尽が極まったのがラスボス。 このゲームのボスは基本強敵ばかりなのですが、こいつはレベルが桁違いなほどに強く、それを支えるのが↑の生首召喚。これはボスが無敵化した上に生首をラインで放ってくるという凶悪技。これを「3秒に1回ぐらい」の勢いで放ってくるので、こちらが攻撃できる時間よりも敵が無敵の時間の方が長い、というクソ極まりない技。しかもこちらのコンボをガードして、その硬直中に放っては、接触ダメージ4割弱を叩き込んで来る。これが無くてもクソ強いのに、この技の性で頭おかしくなるわw
- 正直、ベルスクとしてはテクニカルなコンボ要素もありかなり面白いんですが、後半の極悪難易度の性で気軽にはおすすめしづらい。特にラスボスはベルスク界でもトップクラスの凶悪さ(ネオジオにはありがちですが)で、こいつのせいで1コインクリアは諦めた。