Switch版「ゴシックマーダー 運命を変えるアドベンチャー」レビュー

 今日も今日とてゲームレビュー。本日は「ゴシックマーダー 運命を変えるアドベンチャー」。

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↑イラストが乙女ゲー

 ぱっと見は凄い乙女ゲーな本作だが、どちらかといえば推理アドベンチャーとしての趣の方が強い内容で、公式ページなどでも「神宮寺三郎」シリーズなどを制作したスタッフ制であることを押している。

  • 一応、乙女ゲーとしての要素も無くはない…期待するほどではないけど。

 

 舞台は20世紀初頭(ホームズがどうしたみたいな話があるので、1900~1920年ぐらい?)、貴族の屋敷にメイドとして努めることになった少女エリーが、その屋敷の若き主人アーヴィングの相続にまつわる殺人事件にかかわっていくというもの。

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↑主人公のエリー。やたら貴族のもめごとに首を突っ込む性分

 このコテコテの古典ミステリーチックな舞台は、逆にゲームの世界だと新鮮な気がするw

 ゲームそのものは全5章からなり、各章ごとにアドベンチャーパートと探索パートを繰り返し、最後に推理パートという流れ。 

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↑探査パートでは証拠を集める

 探索パートは各登場人物から話を聞いたり、証拠を集めたりする普通のアドベンチャーゲームっぽいパート。

  • ちょいちょい謎解きが挟まりますが、4章の金庫破りあたりは案外難しいかも。Switchのスクショ機能を使って豆に情報を撮っておくと楽になります。ただ雰囲気ぶち壊しですがw 正統派ならメモを使おう。

 なかなか面白いのが「推理パート」で、推理の内容に従って探索パートで集めた証拠などを登場人物に突き付けていくのですが(ちょっと「逆転裁判」のような感じ)、これが案外絶妙な難易度。

 それなりにきちんと話の筋を追って推理する必要があり、特に複数の証拠を組み合わせて突きつけるあたりは結構難しい。

  • ただ、間違えてもロードが速いほか、分岐部分からやり直すチャート機能もあるため、推理のための世見直しなども容易。悩んだらちょいちょい見直しできる。
  • これを活かしてか、やたらとそこら中にバットエンドが仕込まれており、結構バリエーション豊かに主人公たちが死んでいく(ちゃんとチャートにも反映される)。そうはならんだろ、という死に方も結構多いけど。

 全体的なストーリーは案外面白い。ちゃんと20世紀初頭であることを活かした背景や、貴族らしい人間関係が入り乱れており、それなりに読みごたえがあった。

 あと、意外だったのがエンディングが2種類あったこと。ちゃんとイケメン二人から選んでエンディングが見れます。ここだけちょっと乙女ゲー要素w

  • どこで分岐するかも分かりやすいし、チャート選択から回収できるためオマケ要素のようなものですが、ある分には悪くないしね。

 

 難点はまずボリューム。全5章の筋立てだが、まぁ2~3時間程度でクリアできるぐらい。作中の雰囲気とかテキストなどはかなり良いだけにもう少しこのゲームを味わいたかったw 1200円なので定価だとちと割高感あるかな。セールとかで1000円切っているなら十分買いのクオリティですが。

 あと、地味目な問題として「UIの消去↔再表示」の切り替えが重いこと(なぜか1秒弱かかる)。使うことはあまりないけど操作ミスしてイラっとすることが結構あった。イラストを堪能してくれという気づかいだろうかw

 

 とまぁ、手軽な推理ゲーとしては結構悪くない出来。特にストーリーそのものやわりと考えさせられる推理要素などは案外引き込まれた。この雰囲気が好きな人にはオススメ勧めできるかも。

 26日には同スタッフによるアドベンチャーゲームイヌワシ」も発売されるようだし、ちょっとそちらもどんな出来か気になるところですね。