最近プレイしたゲーム(44):HIVE(ハイブ)

 今回のゲームレビューはちょっと変わり種の2人用アブストラクトゲーム「HIVE(ハイブ)」。

↑蜂の巣を思わせる六角形のコマ。
 昆虫をテーマとした、独特の形のコマが特徴的なアブストラクトゲーム。お互いが交互にコマを「配置する」もしくは「移動する」を繰り返し、相手の「女王蜂」の全方位(6方向)を囲むことで勝利となる。将棋やオセロのような「ボード」がなく、お互いのコマをルールにのっとって配置していくのがこのゲーム最大の特徴。

  • まず最初の一手はお互いのコマが接続するように設置する。それ以後は反対に「相手のコマに隣接しない+自分のコマに隣接する」場所にのみコマを設置できる。
    • ただし、お互いの勝利条件(敗北条件)となる「女王蜂」のコマはお互いの4手番目までに、どこかに配置する必要がある。
  • 配置したコマは、手番時に「移動」させることもできる。コマに描かれている昆虫の種類によってそれぞれ移動できる範囲などが異なっていて、これをうまく生かすことが勝利への近道。
    • たとえば「女王蜂」は一度に1つだけコマの辺を移動できるが、「蜘蛛」は3つまで移動できる。「クワガタ」はほかのコマの上に乗ることが出来、「バッタ」はほかのコマを乗り越えて1直線に進められる、「蟻」にいたってはほかのコマの外周に沿ってどこまでも移動できるという破格の能力。
    • ただし移動時の重要なルールとして「ほかのコマが孤立するように移動してはならない」というルールがある。これをうまく利用して相手のコマを移動できなくすることが女王蜂攻略のカギとなる。


↑移動できない例:この写真の図だと、白の女王蜂を移動させようとすると黒の蜘蛛コマが孤立してしまうため移動できなくなっている。


↑こちらが終局図(黒の勝利)。こんな風に囲んでボコるのが基本戦略。

 アブストラクトとしては1プレイ時間が短く(長くとも20分ぐらい)、それでいて繰り返し遊びたくなるぐらいに熱中できる。「配置」と「移動」のルールの制限が絶妙で、1手1手が重く、それでいて簡単には読めない奥の深さ。アブストラクトゲームとしては昨今でも破格の面白さではないでしょうか。

  • ただ、ちょっとだけコマの強弱が強すぎる気がしないでもない。特に「蜘蛛」が完全に「蟻」の下位互換でしかないのが悲しい。そのため、個人的な定石として「蜘蛛は初手の捨て石」という戦略がなんか定着してしまったw

 また、コンポーネントの出来も素晴らしい。かっちりしたプラスチック製のコマはそれなりの重さでちょっと豪華だし、そのコマがきっかり収まる箱に、なぜか携帯用ポーチまでついてくる至れり尽くせりな出来。


↑箱はコマがぴったりしまえるようになっている。独特な形のコマだけにありがたい。