最近プレイしたゲーム(37):ハンザ

 ここのところ連続のボードゲームレビュー。今回はSNEのボードゲーム座談会でいつもいじられる人ことミハエル・シャハト作の「ハンザ」。

ハンザ Hansa ボードゲーム 日本語説明書付き

ハンザ Hansa ボードゲーム 日本語説明書付き

↑まさかAmazonに商品があるとは…。絶賛売り切れ中だけど。


↑ボード全景。タイトルの「ハンザ」は14世紀ごろバルト海を中心に成立した都市同盟のこと。

 プレイヤーはハンザ同盟の商人となり、バルト海に面した各都市間で貿易を行い、商品の取引や支店の建設を行っていきます。
 ゲームそのものはいわゆる「アクションポイント制」(手番に決められた数だけアクションできる)のゲームなのですが、結構独特のルールがあり、はじめはちょっと戸惑うかもしれません。どちらかといえばアブストラクトに近い感覚のゲームですね。

  • まずゲーム開始時に、各マップの都市にある「倉庫」(丸印)に商品マーカーを適当に置いていく(大体都市ごとに1〜3個)。
    • 商品は全部で6色あるが全部樽のマークで表現されている。いったい何の商品なんだろう…。なお、使用する商品の種類はプレイ人数で変更される(2人だと4色、3人だと5色、4人で6色)。
  • その後、ボード脇にある商品ストックマスに残った商品マーカーを裏返しで積んでおきます(大体均等になるように)。


↑商品マーカーはこんな感じで裏返しに積んでおく(これはゲーム開始からちょっと経ってるので山がいくつかなくなっているが)。

  • その後、ボード上の各都市にプレイヤーに渡された「販売所」コマを2個ずつ、時計回りに3回おいていきます。
    • ゲーム開始地点となる「Copenhagen(コペンハーゲン)」だけは販売所を設立できません。初期配置だとこの点だけは注意かな。


↑ボード上に置かれた黄色や紫色のコマが「販売所」。商品の仕入れ、売却などに必要なほか最終的に得点となる。

  • 各プレイヤーはターン開始時に3ターラー(金貨)を受け取って手番開始となる。この金貨を使用して各アクションを行っていくこととなる。
    • 金貨なのでいろいろと勘違いしやすいが、単にアクションポイントマーカーと思っておくとわかりやすいか。
  • プレイヤーの手番の頭に一回だけ「商品の補充」が行える(1ターラー必要)。これを行うとマップ中の倉庫マスで空いている部分に商品マーカーを新たに山札から置いていく。
  • 「船の移動」。マップに置かれた船を各都市の方向に移動させる(1ターラー必要)。
    • 移動できる方向は矢印の方向にしかできないため、思ったように移動できないことも多い。あとマップ上部に一か所だけ陸路もある。
    • このゲームでは、以下の都市でできるアクションについては「各都市で一回しかできない」という鉄の掟があるため、とにかく頻繁に移動する必要がある。
  • 「商品の購入」。各都市の倉庫にある商品マーカーを1つ取ることができる(1ターラー)。取ったマーカーは表向きに自分の前に置いておく。
    • このアクションはちょっとわかりにくいルールがある。その都市に販売所がない場合は1ターラーを銀行に支払うが、ほかのプレイヤーで一番多い販売所を持つプレイヤーがいた場合はそのプレイヤーに支払われることとなる。逆に、自分が一番多い販売所を持っていた場合はタダでもらえる。
    • このアクションに限って、ほかのプレイヤーに金貨が渡る場合がある、という点が特徴。これによって自分の手番時にアクションが増えたりする。そういう意味でも販売所は重要。

 
↑金貨と商品マーカー。商品マーカーは1〜3個の樽が描かれていて、これが得点となったり販売所設立個数になったりする。

  • 「販売所の設立」。商品マーカーを捨てることで、そのマーカーに描かれた樽と同じ数の販売所トークンを都市に置くことが出来る。(これにはお金がかからない)。
  • 「商品の販売」。同じ色の商品タイルが2つ以上あり、かつ販売所マーカーが置いてある都市である場合商品の販売を行うことが出来ます。
    • 販売を行った場合は、その都市の販売所マーカーを一つ取り除かなければならない。この販売所マーカーが取り除かれるのが結構厳しい。商品の購入や販売などにも影響するので、タイミングを見計らって行う必要あり。
    • 商品販売後、ほかのプレイヤーが販売した商品と同じ色の商品を持っていた場合は、1つマーカーを捨てなければならない(複数あった場合は任意で選択)。この効果はかなり凶悪なので、商品マーカーを持ち越す場合は状況を見て行わないといけない。逆に商品を積極的に売って邪魔する先方は結構有効だ。


↑商品を販売するとこんな感じに商品マーカーを裏返しておく。最終的にこれが得点となる。

  • プレイヤーの手番が終了すると(任意の数のアクションを行うと)、「税金」フェイズになる。これは金貨3枚、商品マーカー3個を超える分は没収されてしまうというもの。これと売却時の商品廃棄があるため、販売所節約のためになるべくまとめて売りたいが、それが難しいバランスとなっている。

 商品マーカーの山札が切れたところでゲーム終了。得点計算を行う。

  • 得点は、プレイヤーが売却した(裏返しの)商品マーカーに描かれた樽の数のほか、「販売所がある都市」の分+2点、または「その都市に一番多くの販売所がある」場合は+4点として計算する。
    • 商品マーカーの樽の数は1〜3個なので、場合によっては販売所の設立を優先したほうが点が高い場合もあります。結構この点は重要ですね。

 ほとんどのプレイヤー情報は公開情報であり(得点となる商品マーカーは数しかわからないけど、十分カウントできるぐらい)、場の状況を見ながらのアブストラクトさながらのゲームとなります。いかにもドイツゲームらしい、かつシャハトらしい「アクションひとつひとつは簡単だけど考えさせられる」、といった趣のゲームです。

  • 同じくシャハトの「王と枢機卿」とかが好きな人はこれもいけるんじゃないでしょうか?

 難点というか、アクションポイント制というゲーム的な構造上、プレイ人数が多くなるとけっこうダウンタイムが発生してしまいます。逆に2人〜3人のほうがプレイしやすいですね。

  • そういう意味でも同じくシャハトの「王と枢機卿」にも近いです。あれも3人専用って言われるぐらいだしw

 一見地味目ですが、その中身は王道的ドイツゲーム。意外にプレイ感も軽いため、ドイツゲーム初心者〜中級者にもおすすめできる作品です。ちょっと今だと手に入れにくいですが…(どっかで再販しないかしら)