最近プレイしたゲーム(15):INVASION FROM OUTER SPACE(インベージョンフロムアウタースペース)

 なんだか久しぶりのボードゲームレビュー。今回は、以前紹介しているゾンビ映画ボードゲーム「LAST NIGHT ON ERARTH(ラストナイトオンアース)」(以後LNOE)のある意味正統続編とも言える「INVASION FROM OUTER SPACE(インベージョンフロムアウタースペース)」(以後IFOS)です。
 前作の敵はゾンビでしたが、今作の敵は火星人! 相変わらずのB級センス全開です。

↑箱といいセンスといい、前作同様のB級っぷりが溜まりませんw

 一昔前*1に流行ったインベーダー侵略映画をモチーフとしたゲームで、アメリカの片田舎より侵略を開始した火星人と、それ戦うサーカス団*2の一員とで分かれて、各々の勝利条件を目指してプレイします。
 もちろん、例のサントラは今回もありますw センスが全く一緒なので*3まず間違いなく前と同じ作曲者でしょう。こういうこだわりはやはり素晴らしい。


↑ボード。これもLNOEと同じく複数のボードを組み合わせる。キットの互換性もあり。

 ルールも基本的にはLNOEと同じで、ヒーロー4人に対し、火星人プレイヤー1〜2人で遊びます。ただ戦闘のルールが簡略化されていたり(ダメージを受けやすく、与えやすい)、火星人達は光線銃を持っているため遠距離攻撃をしてくるとか、火星人の技術を使ったカード(場に残り続ける)などがあり、よりアグレッシブに変化した印象があります。その分、運の割合も強烈で、サイコロ運やカード運が悪いとあっさり勝ち負けが決まったりしますがw

  • 今回はヒーロー達が「サーカス団の一員」ということもあり、ほぼ全てのキャラがある意味イロモノというとんでもない事になっています。その中でも異彩を放つのが「踊る熊さん」ことジョジョと、「ヒゲ女」アンジェリカ。どっちもゾンビ映画ではあり得ないキャラですが、相手が火星人なだけに何でもありですw しかもこいつら能力も強いし。火星人プレイヤーは真っ先に狙いましょうw
  • また火星人側もキャラの濃さでは負けていません。明らかに他の火星人とは格の違う巨大生物「ザード・ビースト」などを召喚できます。ただし、味方のはずの火星人も踏みつぶしてしまうあたりが、いかにも暴れまくりの怪物っぽいです。


↑左がジョジョ(熊)とアンジェリカ(ヒゲ女)、右がザード・ビースト。デカイ!

  • ヒーロー側は基本LNOEと一緒ですが、火星人側は結構ルールが変わっていて、自分の手番に「命令フェイズ」というものが増えた。ここで追加でカードを引く、UFO(火星人を上陸させる地点)を動かす、火星人の戦士(ザード・ビーストなどの強力なキャラを召喚)といった行動がポイントを割り振ることで選択できます。このルールのお陰で、かなり戦略的になっています(さすがにゾンビよりは頭が良いということでしょうかw)。
  • 中でも重要なのが「テック(技術)カード」で、こいつはポイントを割り振る事で場に出す事の出来る特殊なカードであり、基本的に場に残り続けて効果を発揮します。これがあるため、時間が経てば経つほど火星人側が有利になっていくシステムになっています。ラストに近づく毎にピンチが連続してやってくる、というわけですね。

 ゲーム的にもLNOEと一緒でノリが重要ですが、何となくプレイしているだけで往年の火星人侵略映画(というかマーズアタック)っぽくなっていくあたりはさすがの貫禄w ぜひCDを掛けつつプレイできる環境で遊んでみて貰いたい一品。


【ここから余談】
 さて、今回これをプレイするに辺り、一からカードやボードに貼るシールを作成したのですが・・・これがまた別の意味で苦労しました。
 今回このIFOSを購入した際、国際通信社の和訳ルールが付いてきたのですが、これが大小様々な誤訳や分かりにくい訳(直訳しすぎなど)が多く、かなり混乱しました。これから購入を考える人は注意しましょうw*4

  • たとえば例の踊る熊さん【ジョジョ】の持っている能力【熊】の説明で「パワートークンを1使用すれば、戦闘ダイスを1追加する事が出来る」とありますが、原文だと「Dice rolls」が+1されるとなっていますので、「出目に+1できる」の間違いであると思われます(これ重要なルールだと思う)。
  • 特に間違いが多いのが各種カードの名前。別にルール的には間違っていても問題はないのですが「いくらなんでもそれは・・・」といいたくなるようなミスも結構あり、カード作成時に無駄に修正するハメに。
    • たとえば「REINFORCED DOMES」というカード名をなぜか「補給ドーム」と訳になっている。REINFORCEDは補給じゃなく補強だろ・・・。まぁこれは多分変換ミスか。
    • 「TANSLATION MATRIX」は「基盤の翻訳」。基盤を翻訳してどうするんだw 「翻訳基盤」もしくは「翻訳機」がたぶん正しい。
    • 「BRACE OF PISTOLS」の訳が「革ベルトピストル」。BRACE(つがい)という語といい、PISTOLが複数形のPISTOLSとなっていることといい、カードの見た目といい、これは「二丁拳銃」などと訳すのが適当だと思う。
    • 「PITCHFORK」はなぜか「三つ叉」に訳されている。カードの見た目がそもそも三つ叉じゃないぞw(4つある) 「熊手」とかならまだ分かるんだが。これは素直に「ピッチフォーク」でわかるだろ。
    • 仲間カードの一つ「THE FLYING FARINI TWINS」は「双子のフライング・フェアリー」に。どこからフェアリー(Fairy)が出てきたんだw それっぽいのが「FARINI」の部分ですが、他の仲間カードには名前があるんだからこれも素直に名前と解釈して「空飛ぶフェアリーニ姉妹」とかでいいだろうに。
    • 個人的に一番笑ったのが「JIMMIY,THE STABLE HAND」が「ジミー,びくともしない手」と訳されていた事。そのまま訳しすぎだろコレw カード見て翻訳がおかしいと気がつこうよ(どう見ても優男で、びくともしないどころではない。むしろ弱そうw)。この場合STABLEは「家畜小屋」とかの意味で、後ろのHANDは「○○員」という意味に当たるから「飼育係のジミー」が多分正解。この二人に限らず、仲間カードはなぜかやけに直訳気味なのが気になるw
  • あとカードについても当然のようにルール漏れやら紛らわしい記述が発生しているので、プレイ前に一度は原文を確認した方が良いと思われる。英語苦手でも。

*1:タイトルはかのエド・ウッドの「プラン9フロムアウタースペース」を彷彿とさせます。中身は「マーズアタック」っぽい・・・というかまんまw

*2:インストのとき、「からくりサーカス」みたいなモンです。といったら一発で納得されたw

*3:音源の安っぽさから言って、使っているシンセも多分一緒w

*4:あまりに間違いが多すぎて、ここの記述だけで本編の内容より多くなってしまったw これでも一部なんだぜ・・・