朧村正 レビュー(鬼助編クリア後)

鬼助編クリア。 「無双」モード、プレイ時間は大体9時間ほど。クリアレベルは46。
プレイ時間こそ短いものの、非常に濃度の濃いゲーム内容に大満足である。<注意:ここからはネタバレを含みます>

全くストーリーやキャラ等の前情報を仕入れずにプレイしたこの朧村正であったが、当初のシナリオ予想とは全く違った、予想以上に熱い内容だった。
(以下、記憶にそってストーリーを大雑把に記述します。間違っているかもしれない)

記憶を無くし、抜け人として追われる少年、鬼助。
彼は美濃藩の妖刀を奪うために、藩取り潰しを狙う公儀に雇われた忍軍の一人だったが、潜伏した美濃藩の姫、虎姫に惚れたために仲間を裏切り、襲撃の際彼女をかばって致命傷を負っていた。
だが、死に瀕した彼の前に朧流と呼ばれる妖刀を操る剣士の魂が現れ*1、朧流の技を振るう代わりに蘇らせてもらう。(記憶はこのとき失った)

記憶を取り戻した後、虎姫とともに妖刀に封じられた犬神の復活を阻止するため、江戸城へと向かうことを決意する。
だが、虎姫は公儀の襲撃の際すでに死亡しており、妖刀を封じる巫女としての勤めを果たすため、阿弥陀如来にわずかばかり生き返らせてもらった身であった。
それでも、共に死ぬ覚悟で戦う鬼助。その覚悟は悲壮だがカッコいいことこの上ない。

最終章の温泉*2で、虎姫と交わす会話が非常に切なくてぐっと来る(これはぜひ実際に見ていただきたい)。
そして最終章。鬼助の陽動により、江戸城に討ち入ることこそ出来たものの、犬神に操られた(?)徳川綱吉に破れ、再び死の川を渡る虎姫。今わの際に鬼助の腕の中で「お前は死なないでくれ」と言い残して息を引き取る様。そして、勝ち誇る徳川綱吉に、鬼助のストレートな怒りが伝わってくる最終決戦。そして、その決戦の結末────。

RPGでなくとも、壮大なムービなどに頼らなくてもきちんとシナリオを魅せることは出来る、ということをまざまざと見せ付けてくれた。
プレイ時間が短めなこともあって、このシナリオの緊張感と疾走感も壊れることなく持続できたと思う。

読み込みやセーブが早いことも○。特に読み込みはほとんど気がつかないほど速く、ボス戦などでまれにあったかなと言う程度。おかげで緊張感がそがれることも無い。

ゲームのキモとなる戦闘アクションも、最初こそやや戸惑ったものの、すぐに慣れた。
ただし、ゲームプレイ時にはゲームキューブコントローラがあったほうが良いと思った*3
空中ダッシュがとにかく強く攻撃の要となるが、何も考えずにこれを出していると敵の強力な攻撃と相殺しあって刀がポキポキ折られる羽目になるので(折られた場合、直るまでにある程度時間がかかる)、きちんと避けるテクニックも要求される。

ただ、ザコ敵は見た目こそ変わらないものの、こちらのレベルに合わせて強化される仕組みのようで、魔窟(ストーリー上関係の無いボス敵が登場する場所)のザコラッシュ時に推奨レベルをはるかに上回る強さの敵が出ることだけは参った。
特に「七人の侍」とか無茶苦茶苦戦したよ。

ともあれ、朧村正ファーストプレイは予想よりずっと良かった、という評価。かなりの満足度。

最終ボス時点で装備している妖刀により、エンディングが変わるらしく、それでいてクリアレベルの段階ではまだ装備できない妖刀が大量にあり、しかも百姫編もプレイしないと作ることさえ出来ない刀も多く、まだまだ真のエンディングへの道のりは遠い。

ひとまず、鬼助編はここで一旦置いておいて、早速百姫編をプレイしてみることにする。

*1:百姫編をプレイすると、この剣士が百姫に乗り移った飯綱陣九朗(いづなじんくろう)に斬られた男であるっぽいことが分かる

*2:たまに現れる。もしかすると場所が決まっているのかもしれない

*3:Wiiゲームキューブ互換もあるし、コントローラを持ってて損はないと思う