マイナーゲームの集い[第六回:デスティニーリンクス]

マイナーゲーム探訪。今回取り上げるのは今年でたばかりのこのソフト。

■ディスティニーリンクス■ ニンテンドーDS(2009/02/05)
開発:ベック 販売:バンダイナムコゲームス

このコーナー始まって初のニンテンドーDSソフトであり、しかも今年の二月出たばかりと、まだまだ新しいソフトである。
これを取り上げたのは他でもない。このゲーム、凄く良質なその内容に反してあんまり売れなかったんである。
ファミ通クロスレビューでゴールド殿堂入りもしてたのに(あんまり当てにならない同誌のレビューだが、このゲームはそれが納得の出来であったと思う)。

 ゲームはアクションRPG
 伝説の島アメイジアの文明の秘密を求めて、王国開拓団の一員となり、モンスターや未知なる遺跡で満ちた島々を冒険するといったストーリーで、プレイヤーは主人公候補8人の中から好きな
キャラを選択し、島の奥にある古代文明の謎に挑んでゆくこととなる。

 このゲームを一言で表すとすると、聖剣伝説モンスターハンターといったところだろうか。
 個性的な島々を巡りつつ、モンスターを倒したり地面を掘ったりしながら素材アイテムを手に入れ、そこから武器や装備、道具を作りながら、ちょっとずつ遺跡を調査してゆく、の繰り返しがプレイの基本となる。ここはちょうどモンスターハンターを髣髴とさせる要素である。
 また、アクション部分の操作性は軽快。装備する武器ごとに2種類のスキルがあり、それぞれに溜め時間が存在するため(威力の弱い攻撃はためが短く、強力な攻撃ほど長い)、ボタン連打でごり押しできない絶妙のバランスとなっている。ここは聖剣伝説に近い感覚である。

 主人公のレベルアップなどの要素が無いため、ゲーム攻略には適格な装備の強化とプレイヤーの実力が要求される。装備の強化には調査団の船をグレードアップする必要があり(多額の資金が必要)、しかもそのグレードアップの分岐により、強化できる装備やサービスが異なるため、戦略的にどの系統の船を鍛えてゆくかを考えながらプレイする必要がある。(同じグレードの別の船にはいつでも変更可能)

 また「探検記録」という、XBOX360の実績システムにも似たやり込みの記録要素もあり。モンスター何匹倒したや、お金をいくら稼いだ、あるいはボスをノーダメージで倒したなど、やり込み要素も高い。また、クリア後はすべての島の敵が強化される「ハードモード」でもプレイできるようになる(このモードでしか取れないアイテムや戦えないボスがいる)。

 アクションRPGとして高度にまとまった、プレイアビリティの高い一本だと思う。実際、筆者の人はこのゲームを、全クエストコンプリートまではまりまくった(50時間以上かかった)。

 欠点として、まず主人公に個性が殆ど無いこと。
 最初にプレイヤーは8人の中から1人を選択するが、実は初期武器と見た目(若干ボイス)が異なるだけで、性能に全く違いがなく、ストーリー上言葉を発することが無いため特に、個性も感じられない。しかも、ストーリーを進めてゆくとウラワザにより別のキャラに変更できてしまうのでますますもって見た目だけの違いである(それだけに好みで選んでも全く問題が無いのだが)。
 次に、基本的に素材アイテムを売ることが出来ないためお金を稼ぐのが難しいと言う点。
 プレイを進めてゆくと、調査船の船に乗せられる船員の中に、特定の素材を買い取ってくれるメンバーなども乗せられるようになるが、素材を買ってくれる船員が現れるかどうかはランダムであるため狙うのが難しく、しかもあまり稼ぎにならない。
 メインとなる稼ぎとして依頼(クエスト)をこなすことと「探検記録」が一定ポイント溜まった際にもらえる賞金があるが、クエストや探検記録そのものが頭打ちになったりするととたんに資金繰りが悪化する。(筆者は後半は素材を集めて武器を作成→武器を売る、といった稼ぎや、武器そのものを落とす敵を狙うなどして稼いでいた)このへんのバランスももうちょっと考えて欲しかった。
 また、頻繁に使う消費アイテム(回復アイテムや採掘用のスコップ)も、買うことが出来ずに作成する必要があるため、先に進むほどアイテム補充が難しくなるという点もちょっと厳しい。

  • 回復薬だけは時たま出現する補給係を乗せれば購入できるが、例によって出現はランダムなため、見逃さないようにしたい。 

 それでも、アクションRPGとしての軽快な操作感と、アイテム集めや探検記録などのやり込み要素など、1プレイは短くかつ繰り返し遊べるそのゲーム性は高く評価したい。
 だれか買って、そして通信してもらえないかなぁ・・・(通信関係の探検記録だけ埋められねぇ)


■ワンポイント攻略■

  • 武器は大きく分けて近距離系(片手武器、両手武器)と、遠距離系(銃、医学書、科学書、楽器)に分かれている。ザコ戦では素早く連続攻撃できる近距離系が有利だが、ボス戦ではほとんどのボスで遠距離系が有効である。
  • すべての敵に弱点属性が割り振られており、弱点をついた攻撃で敵を倒すと素材を多く落とす。狙った素材を持つ敵はなるべく弱点属性で倒すのが良い。
  • ゲーム中盤のクセロン砂漠の湖の北の部分(岩陰になっているあたり)で話しかけると隠しキャラ「???」がいて、主人公の見た目を変えてくれる。ただし名前は変えられない。
  • 敵は基本的に主人公めがけ真っ直ぐ突っ込んで来るので、地形の凹凸に引っ掛けるようにすると、遠距離攻撃で一方的に攻撃できたりする。レアモンスター(通常の敵より強い)などではこのテクニックを使うとかなり楽。