- 作者: 石ノ森章太郎,滝沢ひろゆき
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 1991/09
- メディア: 新書
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なんと単行本初版発行が1990年。なのだからもう19年も前の本なのか*1。
日本発のコンシューマRPGであり、いまや国民的タイトルにまで成長した「ドラゴンクエスト」が出来るまでを描いたマンガ。
ガンガンで連載していただけあってドラクエ主要スタッフである鳥山明はあまり出てこず、主にプログラム担当の中村光一*2、シナリオ担当の堀井雄二、プロデューサーの千田幸信、そして音楽家すぎやまこういちを中心とした話となっている。
「アドベンチャーゲームをファミコンに移植するにはキーボードが足りない」*3や、「RPGはマニアのゲームだから売れない」*4といった時代を感じるセリフがいくつも
アメリカに行った中村光一と堀井雄二がお互いの夢「ウィザードリィよりすごいゲームを作りたい」を語り合うシーン。
すぎやまこういちにゲーム音楽を担当してもらうと千田プロデューサーが決めたことに「ゲームを分からない人であったら困る」と反対する中村光一。
そして、すぎやま本人と出会っての和解。真摯な依頼など、名作ドラゴンクエストが生み出されるまでの数々のエピソードは名作が生まれるためには本当にゲームが好きな人々の情熱があればこそなのだと思える。
最後の、ゲームバランスのために発売日を延期するシーンなど、この後のシリーズがたどった運命*5を決定付けるようだ。
最後の、ドラクエ4開発終了後の会話で「スターウォーズサーガみたいですね」「よせよお、あと5つもつくるのかよ」という会話が今見るとちょっと笑える*6
*1:しかも「石ノ森章太郎監修」というところがまた時代を感じさせる。
*2:この物語における実質的な主人公。まさかこの人が後々ドラクエ本編に関わらなくなるとは連載当時は思ってみなかった。
*3:ポートピア連続殺人事件をファミコンに移植するに当たっての中村光一の言葉。当時はコマンドを選択するのではなく、コマンドをキーボードで入力していた。それを受けて堀井雄二がコマンド選択式を採用した。
*4:実際、DQ1発売当初はそれほどでもなかった。DQ2発売前あたりに火がつき、次のDQ2がスマッシュヒットとなったと記憶している。