映画「映画大好きポンポさん」を観てきた

  このところあまりに忙しくて休日出勤を続けていたため、ストレスで急に映画見たくなった。

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 ということで横浜は桜木町まで遠征してきました。ブルグ横浜への遠征は2年ぶりぐらいですかね。「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」以来かw

 

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  わざわざ横浜まで出向いたのはこの映画「映画大好きポンポさん」を観るためである。

 こちらは本当ならば去年に劇場化していた予定だったのだが、コロナのあれこれで公開が何度か延期になってしまい、ようやっと(つい昨日)封切りとなりました。

 

  初っ端に感想を述べるならば「マジで面白かった」。

 ポンポさんをはじめとしたキャラの魅力、「創作の楽しさ」「映画を作るという大変さ」が伝わってくるストーリー、劇中の演出や音楽の良さなどが90分という上映時間にぎっちり詰まっており、退屈するところがマジで無い。今のところ今年観た映画だと一番良かったわ。

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 かなり良かったんで、お布施の意味も込めてパンフレットとキーホルダーも買った。このキーホルダー、一見して映画アイテムに見えない渋さがいいよねw


<ここからネタバレ含む感想>

  この作品、元はpixivに投稿されて話題となっていた漫画だったのですが、今回の映画は漫画版1巻の内容をきっちり収めつつ、そこに映画オリジナルとなる要素をまとめて膨らませたみたいな感じ。その膨らませ方が絶妙で、オリジナルの良さを損なうことなく、劇場版として非常に綺麗にまとまっている。というか編集やカットの見せ方がむっちゃうまく、原作と同じストーリーラインなのにぐいぐい惹きつけられる。

  • とにかくキャラクターが魅力的で、タイトルでもある幼女プロデューサーのポンポさんはじめとして、主人公のジーン(見た目や態度は典型的な映画オタク)や新人女優となるナタリー、ベテラン俳優のマーティン、先輩女優のミスティアと、どいつもこいつも個性的。
  • 特に良かったのが声で、ジーンやナタリーの声優さんは下手ではないが微妙に浮いているところが逆に新人監督と新人女優というキャラクターにぴったり合っており、それとは対比するようにマーティンの声優さんが大塚明夫というベテラン俳優という肩書にぴったり合った堂々たる演技で、きっちりキャラクターの違いが浮き彫りになっていた。
  • 個人的にツボったのが、ポンポさんが「ニュー・シネマ・パラダイス」の感想について「名作だけど長い」とぶった切ったところ。そうだよね、あの映画長いよね(通常版で2時間、ディレクターズカットだと大体3時間…)。ずっとそう思ってたよw 「2時間以上の集中を求めるのは現代の娯楽で厳しい」という視点は確かにその通りだと思ったよ。
  • 他にも15秒CMの作り方に対する助言とか、監督をいきなり任せてのプレッシャーの掛け方とか、追加撮影に対しての苦言の仕方とか、ポンポさん見た目幼女なのに凄腕プロデューサー感が凄まじい。見た目幼女なのにな(いや、作中だと年齢とか出てこないけど)w
  • 原作になかった中盤以降のストーリーも素晴らしい。特に映画オリジナルキャラであるジーンの同級生アランがジーンとの偶然の再開、過去の自分の言葉と向き合い、追加撮影のためにスポンサーが足りなくなった映画のための追加融資を取ってくるところはマジでグッと来たよ。オッサンになっちまったせいかどうもああいう「若者の奮闘」シーンに弱くなったw あと、原作1巻の範囲ではあんまりジーンとは絡んでなかったミスティアがこの追加撮影シーンでいい女っぷりを発揮していてそこも良かった。
  • 劇中作の「マイスター」も、撮影しているシーンだけつなぎ合わせてもストーリーが頭に思い浮かぶぐらいには名作感があってこの映画マジで観たいぞ。というかあの題材でよく上映時間90分に収めたな(最後のオチとしてキッチリつながっている)。
  • あと劇中作が音楽にまつわる作品なためか劇伴もかなり良い。これは音響がいい映画館でこそ見るべきタイトルかもしれん。

 

 全編映画に対する愛に満ちた胸熱な本作。見た目がアニメアニメしていて、取っ付き悪いかもしれませんが映画好きならぜひ見るべき名作といえるでしょう。

  • というか映画館で書き下ろしコミックスを貰ったのだが、これ前編だけなんですよね。これもっかい見に行かにゃならんのでしょうかw 正直言って迷うぜ…。