完全に遅きに失した感ありまくりの話題ですが、とうとう3DS(正確には2DS)の生産が終了したそうです。これで2004年から始まって長らく続いたDS系ハードもとうとう全機が退役と相成りました。
初代から始まって足かけ16年という長丁場を駆け抜けた、ガチの長寿名機でした。本当にお疲れ様。
- 何だかんだでDS系は3台、3DSもなぜか3台購入の合わせて6台も買ってるの我ながらわけわからんですが。ペースにしておよそ4年に1台。携帯電話より買い替えてるよw
そんなわけで、今後はちょいちょいDS系、3DS系のゲームレビューなども挟んでみようかと(いつものごとく適当に)思いついたので、今回は3DSのダウンロード専用ソフトから一本。
2014年のソフト「不思議の国の冒険酒場」です。
- メーカーはライドオンジャパン。なんかSFC時代のような微妙な懐かし風ゲームを大量に出しているところです。印象的には「第二のケムコ」みたいなもんかな。
- これ自体はもともとIPhone版、そのコンシューマ移植版としてPSP版があり、3DS版はその最終版みたいな立ち位置。今遊ぶなら一番手に入れやすくプレイしたい3DS版一択。
↑飾り気のない(なさすぎる)スタート画面。
ジャンルとしてはアトリエ系RPGとでもいうべき内容で、ファンタジー世界の食堂を舞台に、材料を集めて料理を売って食堂ランクをなりあがっていくのが基本的な目的。
- ゲームシステムとか雰囲気は凄く初期アトリエシリーズ風味な内容ですが、どうやらシナリオの中の人は本当に初代アトリエの人らしい。
ゲームの流れとしては、食堂を経営してお金を稼ぐ→料理リーグを勝ち抜いていくことでストーリーが進行していくようになっており、食堂で出す料理の材料はRPGパートで稼いでいきます。
街の外に出ると、マップからダンジョンを選択する。
- 基本的にダンジョンは1日1回だけ入れるようになっている。とはいえ、ダンジョンに行った後にも食堂経営パートは行えるので、カレンダーはそんなに気にする必要もないかな。クリアまでの期限的なものも無しで、あえて言えばランクアップのための料理コンテストは一応決まった日に行われますが、別にスルーして次に回してもいい。その辺はかなりゆるゆる。
ダンジョン内には目に見える形で大量の料理素材が落ちている。「麦」とか「卵」とかはギリギリ分からんでもないが、「ライス」(レシピ的に見ると炊いたものが落ちてる)とか「スパイス」とか、道端に落ちてたらおかしいものまで幅広く落ちてます。
- むしろ素材が豊富過ぎて、拾いきれないことも間々あります。
パーティは最大3人。味方と敵は素早さ順に行動し、早いほど何度も行動できるアクティブ式。斬新なところはないですが、堅実なシステムとバランス。
- パーティバランスも良く、主人公にして万能タイプのシーラ、採取強化と盗むスキル持ちの戦士役フレット、回復と魔法面では万能に近いアルフィネあたりを使っていけば終盤までは楽に進めます。
- それ以外だと盗賊系で補助スキルが優秀なリーディア(のちのスピンオフ作品主役)、終盤加入だがその分無茶苦茶強いミリヤあたりを好みで入れ替えるのが良さげ。
一風変わっているのが経験値システムで、このゲームでは敵を倒しても経験値が得られません。料理を作り、それを食べることで経験値を取得していきます。
- 序盤のジュース系、中盤になると黄金魚を使った料理、終盤はドラゴンを使った料理などの稼ぎやすい料理もあるため、この辺狙っていくと進行がだいぶ楽に。
- レシピはゲーム中にレシピを入手できるものの他に、適当に食材やツールを選んで作るオリジナル料理もある(これでしか作れないものもある)。攻略サイトを使うと簡単にできてしまうが、温くなるのでご利用は計画的に。
- 料理を食べると満腹度が上がり、満腹になるとそれ以上料理を食べられなくなる(一日待たないといけない)のですが、「胃薬」という満腹度を下げるアイテムも安く買えるので、後半になるとひたすら料理を食べては胃薬を飲んで…という拷問じみた状況が繰り広げられますw でもこれが一番効率良いんだよ…。
- また経験値だけでなく、「暑さ軽減」や「先制確率上昇」などのステータス上昇効果なども得られるため、潜るダンジョンに合わせて変えたり、ボス前で有効なスキルに変えたりと、とにかく料理の恩恵が非常にデカい。とにもかくにもまず料理を作ってから始まる。
戦闘に意味がないかといえばそうでもなく、食材の他にも属性別のスキルポイントが得られるようになっています。
属性別のスキルポイント獲得累計で新しいスキルが解放される仕組み。これもダンジョンや敵ごとに入手しやすいタイプが決まっており、これまたある程度は狙って稼いでいく必要があるります。
- このシステムのため、後半メンバー入りする奴は料理システムでLV上げることは簡単でも、スキルは鍛えないといけないので戦闘だと使いづらいんですよね。具体的には中盤以降仲間になる隠しキャラのエーリアス。スキルは優秀だし中盤の山場となる砂漠マップだと鬼使えるんですが。
このように、ダンジョンに潜って食材稼ぐ→料理を作って食堂を繁盛させたり経験値に変える→またダンジョンに…を繰り返して進めていきます。シンプルっちゃシンプルですが、むしろこの分かりやすさがむしろ今時の複雑化したゲームに疲れた身には助かるw
- ストーリー進行はシンプルですが、たまに一部のイベントを見ないと進めないことがあり、これが微妙に分かりにくかったり見落としやすかったりします。たまにダンジョンではなく他の町に出向いたり、ちゃんと情報収集してれば詰まることもそんなにないとは思いますが。
- メインとなっている料理要素も、料理を食堂で出してランクを上げるか、それとも経験値にするかなどはシンプルに悩ましく、新しい食材を求めて新しいダンジョンを探ったり、いろいろな食材を組み合わせてレシピを作ったりと、RPGを進めるモチベーションと料理要素がガッチリかみ合っていていて非常に良い感じ。
- 何気にボリュームも豊富で、600円という安さにもかかわらずたっぷり20~30時間ぐらいは遊べます。
とまぁ、タイトルの「冒険酒場」をこの上なく体現したシステムと王道RPGが合わさったような、何気ない名作。元々600円という安さなのに、結構セールやっているのでさらに安く入手できる、3DSダウンロード専用ソフトの優等生のようなやつなので、あえて今3DSで遊ぶなら個人的推しの一本。
- なお、システムを継続した実質続編「マレニア国の冒険酒場」もSwitch/PS4で発売中。こっちもこっちで面白いぞ。