そろそろプレイ時間がHM3に取られ、ドラクエ9をまとまってプレイする時間がなくなってきたので(移動時間の合間ぐらい)、ここらでひとつ今回のドラクエ総括を自分なりにまとめてみたいと思う。
■システム
- スキルまわりのシステムと転職のシステムはこれまででも一番良いと思う(バランスの点で)。
- 「はくあい」スキルだけは強過ぎる気もするが、それ以外は意外とどの武器や特技をとっても問題なくゲームが進められるバランスになっている。
- 転職時にスキルは維持されるが呪文は職業依存というシステムも良バランスに一役買っている。これのために全員を最強キャラにできず、かつ仲間にそれぞれ役割分担をさせる意義が生まれているのは旨いやり方。
- 正直、後半は「盾」がないと苦しいかなーと思ったが、盾スキルなしでもLV90台の宝の地図をなんとかクリアできているので(ザコ戦でも開幕スクルトx2が勝利の鍵)意外と戦略次第で何とかなる。
- 魔法を使う職業では「賢者」が特に顕著で、これまでのシリーズだと「僧侶」と「魔法使い」を合わせた職業だったのに、今回は賢者には仕えない呪文をそれぞれの職業が持っているため、より使い分けが鮮明になっている(このため、結局メインストーリーが終わるまでは僧侶を賢者に転職させなかった)。
- タンスやつぼの仕様変更により、調べまわる重要性が下がったことと、誰でも何度でも取れる青空箱はよい改善点だと思う。いちいちタンスやつぼを調べなくとも気にならず、それでいてアイテムの補充は容易に行えるこの方式は、なにげに今回の良バランスを支えている部分だと思う。
- ガデス城の青宝箱3つは多分わざとあそこに置いてあるんだろうなぁ。
- ちいさなメダルを手に入れるのが比較的容易になったことも大きい。いちいち各地方を探し回らなくとも良いのはありがたい。
- コマンド関連の操作では、ところどころ謎の仕様があり微妙に悩まされたりもした。具体的には以下の点。
- コマンド「どうぐ」の「わたす」がなぜか記憶されるので、一度アイテムを誰かに渡した後、別のアイテムを使おうとした時に誤爆しがち。
- 戦闘中の武器の持ち替えが個別のコマンド操作時に出来ない。そのため、4人目のコマンド時に武器持ち替えに気が付く→3人分のコマンドをキャンセルして全体コマンドへ→再度コマンドやり直し・・・といった事態がちょくちょく発生した。まぁ、これはプレイ方針のせいもあるけど(ひとりに複数の得意武器スキルを用意しているため、持ち替えが頻繁に起こる)。
- 今回セーブデータがひとつしかないことが話題になっていたが、元々携帯ゲームのRPGではひとつしかセーブが無いことなど良くあることだし(ポケモンとか)、そもそもセーブデータを分ける意味があまり無いので、これはまったく気にならなかった。
■デザイン・音楽
- キャラはローポリゴンだが特徴がよく現れていて、しかも結構動く。DSであることを差し引いても良く出来ていると思う。
- でもやたらと豊富なアクションは、やっぱりWiFi対応の名残なんだろうか・・・。せめてもうちょっとクエストで使うところがあっても良かったと思う。
- キャラクターメイキングではもうちょっとパーツの種類が欲しかったが、装備によって見た目が変わることも考えるとやっぱりコレぐらいが限界だったのかな。
- 戦闘中、キャラがぐりぐりと動き回るところは意外とカメラワークが凝っていたりする。でもそのせいかちょっとテンポは良くないと思った。
- 要所でムービーが挟まるが、画質以外はかなり良く出来ている。むしろDSで、鳥山絵がこれほどグリグリ動くことに驚きを感じた。どの道ムービーはそれほど多くない(3回ぐらい?)し、プレイ意欲をそがれることは無いのに好感が持てる。
- 移動が擬似3Dで7に近くなったが、7時にあったマップ回転してのカラクリがほとんどなくなっていたことと、ダンジョン内でマップが常時表示されることでほぼ迷わずにいけるようになった点は良かった。
- やっぱり7のアレはあまり評判よくなかったのかな?
- 8は8で3D視点だからか、マップがあってもよく迷子になった。(多分ゲーム時間の1/4ぐらいは迷ってた気がする。でも他のRPGではそれほど迷子にならなかったのになんでだったんだろう?)
- 音楽は音源がDSに合わさったせいか、過去のドラクエっぽい、分かりやすく派手さの抑えられた、このゲームにマッチした感じだと思う。
- すぎやまあきらの言うところの「聞き飽きない曲」という奴かな。その分、印象には残りにくいけどゲームの邪魔にならない。
- ところどころに過去のドラクエの曲がアレンジされて使われているのはちょっと嬉しい(宝の地図のダンジョンとか)。ただ、あまりに元の曲まんまだったりしたところもあったので、そこはもうちょっとアレンジして欲しかったかな。
■ストーリー
- 全体的に話が短めにも思えるが、ドラクエ4、5と比べてもボリューム的に劣るわけでもなく、7、8時にあったストーリーの長さがすっきりとまとまっている印象。むしろひとつひとつのエピソードが携帯機でプレイするにはちょうどいいぐらいのボリュームになっていてプレイしやすかった。
- 終盤の帝国がらみのエピソードは、天使界できっちり話を聞いていればきちんと伏線が張られているのが分かったと思うが、必須イベントに絡むのが一度きりだったのでちょっと唐突に登場したように感じた。が、よくよく考えたらドラクエの歴代ラスボスだってわりとそんなもん(特に5とか6とか)なのであんまり気にすることでもないかな。
- ゲーム開始前に散々言われたサンディだが、正直気にはならなかった。時々空気が読めないような発言もあるが、天使界での天使との会話をこなしていれば、彼らの人間観(あからさまに人間を見下している)とあわせてもそれほど外れたことは言っていない(むしろ人間に対して同情することもあるぐらいで、天使達よりよほどマシな感情を持っているように思えた)。終盤以降、話が重い展開になってもこいつが無駄に明るく振舞うため救われている節があるし。これやっぱり堀井さん計算しているんだろうなぁ。
- ゲームクリア時に戦歴コマンドにサンディが出なくなったらむしろちょっと寂しくなってしまった。終わってみればコイツ必要なキャラだったんだなぁと感じた。まぁ、すぐ戻ってくるんだけど。
- ストーリーそのものには不満は無いのだが、ちょっと気にかかったのがパーティメンバーの存在である。同じくキャラメイクが適用されていた3の時は、仲間は「魔王バラモスを倒す*1」という目的の元に団結していると解釈していたが、どうも9の場合、なぜついて来てくれるのかがイマイチ分からない。イベントシーンで姿が見えなくなる事を含めて、もうちょっとそのあたりに理由や動機づけがあってもよかったかも。
■オンライン
- 今回のドラクエ9を象徴するのが「すれちがい通信」。これは明らかにこれまでのドラクエではありえなかった現象を生み出したと思う。地図の交換のために秋葉原を始めとして全国各地でプレイヤーが集まる様は本当に社会現象になってる感ありあり。それだけでこのゲームがDSに出た価値があると思う。
■まとめ
総評すると、ぼちぼち不満な点もある(システム周りに残る不便さやキャラメイクの幅など)が、ドラクエとして非常に真っ当で面白いRPGだと思う。
8のようなキャラ・ストーリ重視路線が好きだった人間には向かないかもしれないが、それ以前のドラクエが好きだった人や、初めてRPGをプレイするような人(DSの購入層にはかなり多いと思われる)には凄くオススメできる一品である。