映画「キラーカブトガニ」を観てきたのでレビューする

 というわけで、先週の日曜日にめちゃくちゃ久しぶりに映画館に映画を見に行ってきました。サブスクでもビデオレンタルでもなく、映画館で映画を見るのは去年の「ゴジラVSコング」以来かな。

 まぁ、その映画がよりによって「キラーカブトガニ」なるZ級バリバリのアレな奴なんですけどねw。いや、オススメされちゃったので。

 

<公式>

映画『キラーカブトガニ』公式サイト

 公式サイトが禍々しいな…。というか全国ロードショーなことに驚くわw

 

 さすがに公開館が限られるので、上映時間とかタイミング良い映画館を探して、池袋の「シネマ・ロサ」をチョイス。池袋ってサンシャインがある東口方面しか行ったことないので、西口側って始めて来た。

 

 めちゃめちゃ古い建物で、券売り場がまさかの手売り。今時珍しいぞw

  • ネットで予約もできないし、購入時に座席表を渡されて「どこ良いです?」と聞かれたりと、中々のカルチャーショック体験。昨今のコロナ過にありながら、まだこんな映画館が残っているとは…。

 

 禍々しい邪気を放つポスターも発見。「サメの時代は終わった」というキャッチコピーを考えた奴は天才じゃないかなw

 

 上映前の待合室もめちゃめちゃ雰囲気ある。というか、飲食物の販売がペットボトルってのも斬新だな…。マジで今時の映画館からかけ離れた空間だ。

 

 上映前に一枚。スクリーンの横に、恐らく今使わることはないであろう「休憩」「禁煙」のランプがあるのが趣深いぜ。

  • なお、意外と客が多くてびっくり。こんな映画見に来る奴なんて相当な数寄者だけだと思っていましたが。まぁ、多分ここに集ったのが鍛えられし数寄者だけだったんだと思うけど。

 

<ここから映画のネタバレ>

 いやー、スゲェ映画だった。何というかタイトルから想像される「モンスターパニック映画」要素と、タイトルから想像もつかない「青春学園モノ」と「巨大怪獣特撮モノ」を足した欲張りセットみたいな内容で、「なんか凄い映画」としか言えねぇ何かだった。

  • 映画が始まって最初のシーンで「原子炉を爆破」して、カブトガニがなぜ狂暴化するのかを示し、次のシーンで「無駄に盛っていたカップルが最初の犠牲者となる」流れまでをめっちゃスピーディに終える(3分もない)ところとか、「こういう映画を見に来る層が期待するもの」に対して最速の100点満点で答える姿勢は非常によろしい。
  • それでいて、中盤あたりまでは青春学園映画風味(「学校の授業でネコを解剖する」だのちょいちょいわけわからんグロ描写も挟みますが)で進み、化け物カブトガニは合間合間にチラ見せしてくるなど、割と真面目に先が(やがてやってくるゴアシーンが)気になる展開。この辺は意外にも丁寧な作りで、並みのZ級トンチキ映画との志の違いのようなものが感じられます(多分気のせいですけど)。
  • そして中盤の山場、プロムの和やかなカットを経て、一気にカブトガニ共が人間を(特に意味もなく)食い殺していくシーンはそれまでの溜めもあって「キターーー」と一気に盛り上がります。いや、マジでこの映画緩急が割としっかりしているのよね…。
  • この怪物カブトガニ共が街中で暴れまくっている部分はちょっと「グレムリン」を彷彿とさせる感じで、無秩序に人間を襲ったかと思えば、ポルノ映画を見て盛り上がっていたり、ビールを浴びるように飲んだくれている絵面とかちょっと愛嬌あるのがムカつくw
  • そして終盤は怒涛の展開の連続。それまでのモンスターパニック映画が一転して巨大怪獣映画に切り替わるという、今思い出しても「なんでそうなるの?」というトンデモ展開何ですが、何気にここの大怪獣バトルが意外にもしっかり特撮バトルしていて好感度高め。Z級怪獣映画だと怪獣バトルがしょぼいのがお約束なんですが、「割と長尺」で「画面が明るく」それでいてピンチ→逆転の展開がしっかりしていて見応えがあった。
  • 冷静に考えると、手持ちで怪獣貫くビームが放てるあの電池みたいなやつは個人レベル(しかも高校生)で入手出来ちゃダメな奴では? とか、最後の巨大カブトガニ倒したところで町中の惨状は何にも解決していないのでは?とかいろいろ突っ込みどころがあるんですが、展開がスピーディだったりで案外気にならない。いや、気になるんだけど気にしている暇が無いw 
  • エンディングの、死体と血だらけになったプロム会場を掃除する…と思いきや途中であきらめて落ちている頭部でバスケットを始めるシーンとか、最後までグロ要素も欠かさない点もバカ映画として花丸です。マジでこの映画見どころ多いよ。

 パンフレットも買っちゃったw 

  • このパンフレットのインタビューを見ると、監督が「お前らこういうの好きだろ?」と、笑顔で親指立てている様子が目に浮かびますねw これは分かっている奴だ。これが長編デビュー作らしいが、次作があったら観に行きますよ。
  • というかこの監督日本のゲーム好きすぎですね。打越鋼太郎、小高和剛、ヨコオタロウ、高橋哲也の名前が出て来る映画監督インタビューって何なの…。

 

 ということで、「減点方式なら10点満点中6点ぐらい」「加点方式なら10点満点中95点ぐらい」という、非常に刺さる人間には刺さる本作。「ゲテモノZ級モンスターパニック+怪獣映画好き」という数寄者にはめちゃくちゃオススメですね(めちゃくちゃ狭き門ですけど…)。