Switchでなんかセールやってるとついつい購入しちゃったりすることが多いんですが、そのまんまプレイせずに積んでしまうことが多い。たまに意識して消化しないとマジで買いっぱなしになっちゃうので、今回はそんな積みゲーの中からこの一本。
スクエニの「Sa・Ga COLLECTION」。ゲームボーイ版サガ1、2、3が一つにまとまったコレクション系ソフト。「この一本」とか言っておきながら三本ありますねw
- 3100円とミドルプライスのゲームではありますが、たびたびセールしているので実際はもうちょっと安く入手可能。というかこれいつ買ったんだっけ…。多分なんかセールした時に買ったはずなんだけど…。
最初にプレイするソフトを選択するところは「聖剣伝説コレクション」と同じ。なお英語版も遊べるので実質6バージョンで遊べます。
- というか英語版だと「FINAL FANTASY LEGENDS」なのね。携帯アプリ版にそんなタイトルのソフトなかったかなと思ったら、そっちは海外だとタイトル変わってた。ややこしいことしやがって…。
- 欲張るならばワンダースワン版1もついでに収録してほしかった。
今回、1、2、3の全シリーズ攻略したので、それぞれの作品を語りつつ、コレクション全体のレビューなどを。
まずは初代となる「魔界塔士Saga」。1989年(もう33年前か…)作でスクウェア初のミリオンソフトとなった一本。塔でつながった階層世界で、遥か頂上にある楽園を目指す冒険者の物語。
主人公決め。人間やエスパー、各種モンスターから選択できる。Saga1では人間が育てやすく強いので、初っ端はサーベルを持っている人間女を選び、はぎ取って売る所が攻略のセオリー。
システムはオーソドックスなRPGスタイル…と見せかけて、武器やスキルが回数制、経験値などが無く、金で強化できる人間、突然変異的に強化されるエスパーに、モンスターの肉を食って変化していくモンスターなど、主に成長システム周りがなかなか独創的。
- GBという容量が少なかった時代にこういう割り切ったシステムを搭載したあたり、本当にこの時代のスクウェアはセンスの切れっぷりが凄まじい。
- プチ攻略情報として、人間は道具屋で売っている「〇〇のもと」というアイテムでステータスを上昇させることができ、ちからやすばやさは99でカンストするが内部的には255まで上昇する(256を超えると0にループする)。これを活かしてカンスト後も「〇〇のもと」を使いまくることで戦闘能力を向上させることが可能。とはいえ、これを使っても人間はグループ攻撃にステータス依存の武器がほぼないため、多少ボスが楽になるぐらいですが。
またSagaといえばセリフ回しの珍妙さ。初代は楽園を目指す冒険者という設定なためか妙に口が悪く、Saga節とでもいうべき独特のキレがあります。
ある種伝説のセリフ。発売から30年以上経っても今だネタにされるネタが満載。
かと思えば、このシェルターのように、殺伐とした世界観を示すイベントもある。この殺伐としたイベントも初代Sagaの魅力。
- というか正直ここは規制的になくなっててもおかしくないと思ってたよ。都市世界の「イレイサー99」の材料が「プルトニウム」という部分は「ハデスニウム」に差し替えられていたのに。そっちは変更するのか。
シェルターイベントと並んで個人的に印象深いのが、この小世界で一人50年間も冒険者を待った老人のイベント。後々のストーリーを知っているとここ趣深いなぁ。
塔の最上階で待ち受ける、ラスボスの「かみ」。ストーリー中何度も行く先々に現れて、パーティ一行を支援した訳を語る一連のシーンはこのゲームを色物ゲームから伝説へと押し上げた不朽の名シーン。
- 最初にプレイした時、ここかなりゾッとしたことを今でも覚えている。
なお、この「かみ」はまともに戦うとめちゃくちゃ強いのですが、有名なネタとして一撃必殺武器である「チェーンソー」が効いてしまう。詰まったらこれでサクッと片付けていこう。
- 「かみ」と戦う前に復活した四天王との闘いもありますが、こちらはアンデット特攻武器の「サンブレード」で一撃で倒せるなど、なぜか最終版に至ってやたらボスに一撃必殺が決まるという謎環境。
というわけでSaga1クリア。こいつはかつて何度もクリアしただけあって、ストーリーの進め方とか今でも完璧に覚えていたので、多分2~3時間程度でクリアできます。難易度は全体的には低めでサクサク進められるんですが、正攻法だとラスボスだけ極端に強いという(設定上は神なんだから当然ですが)、割と大味なバランス。ただそれもこのゲームの味といったところでしょうか。
続けて、「Saga2 秘宝伝説」をプレイ。1990年作でSaga1からわずか一年後に発売されたとは思えない高い完成度で、Sagaシリーズ随一の名作として名高い一本。
ストーリーは世界各地を巡って秘宝と呼ばれる宝を探しつつ、行方不明の父親の足跡を追うという、前作からはうってかわって少年漫画のような王道冒険活劇となっています。
今回も主人公選択。
本作では人間やエスパーは戦闘中に使用した武器の種類によりステータスが上昇していくスタイルとなったほか、新登場のメカは装備によってステータスが変化していくという特性がある。
- 始めてプレイする場合は人間、エスパー、メカ、モンスターと一体ずつ編成していくのが一番このゲームを楽しめます。
ストーリーのテイストは変われど、独特のテイストのテキストは健在。
この都市世界のイベントなどは名台詞の宝庫。階層のボス、ビーナスに向かって啖呵を切るこのシーンはマジで痺れる。その後のビーナスの強さにも痺れますがw
本作きっての強ボス、アポロン戦はそのイベント展開もあって大変アツい。ただ生半可なパーティだとフレア連発に耐えられないので実質ラスボスといわれることも。
本作のワンポイント攻略として、第四世界の「やまのかみ」は強さは大したことないのですがなんかやたらとLVが高く、こいつを倒したときにエスパーが強力なスキルをひらめくことがあるので、ここで粘って有用なスキルをひらめいておくと今後の攻略がグッと楽になります。
- 特に「サイコブラスト」は最上級魔法の「フレア」に匹敵する全体無属性攻撃技でありながらここでひらめくことができるため、これを入手できるとめちゃめちゃ楽になります。
最終版のダンジョンでのみで会えるレア的「はにわ」。GB版では電源入れてからの乱数パターン固定で比較的簡単に遭遇できたが、コレクション版だと中々出会えない。倒すと稀に「しちしとう」という最強武器を落とすので、メカを極限まで強化したい人はぜひ狙おう。
特に因縁はないラスボス「ぼうえいシステム」とのバトル。このラストバトルはステップごとにBGMが切り替わるようになっており、その一連の流れが神がかっています。
これにてSaga2クリア。二作目とあって開発もこなれたのか、ボリュームも非常にたっぷり、アイテム収集要素なども合わさって今遊んでもめっちゃ面白いですね。ゲーム難易度も特に詰まるほど難しいところもなく、シリーズ内では一番バランスが良い。こういうところも本作が名作と呼ばれる所以かな。
最後に「Saga3 時空の覇者」。1991年発売(なんと3年連続リリース)でGB版サガシリーズの完結編を謳った本作ではあったが、これまでの1、2に比べ3はマジで普通のRPGとなってしまっている。GBのRPGとしては非常に完成度が高いのに、サガシリーズとしては評価が低いという結構な不遇作。遊んでみると面白いんだけどねぇ…。
- スタッフも何か思うところあったのか、DSのリメイク版はかなりシステムがサガシリーズよりにガラッと変わっていて驚いた記憶が。
ストーリーは突然空に現れた水がめから大量の水と魔物が湧き出してきて、世界がめちゃくちゃになったから、未来世界より過去に主人公たちを送って一発逆転に賭けよう、というこれまでのシリーズから見たらSF色がとても強い作品。
- というか1990年初頭ぐらいはターミネーターあたりの影響でこのタイプの話がとても多かった印象。
時空を越える移動手段として出て来る時空戦闘機「ステスロス」がカッコいい(見た目には完全にステルス戦闘機だが)。この拠点にだんだん設備が整っていって戦闘に参加してくれたり、ショップが開店したりしていくのが中々楽しい。この辺はFF3の飛行船に通じるものがありますね。
開発チームが変わったからなのか、モンスターの一部に「大阪」って感じのノリが見られるのが特徴。というかこいつはさすがに名前変わっているだろうと思ったらそのまんまだったw
肉喰いシステムも搭載。本作ではだれでも肉やパーツを付けることでモンスターやメカに変化していくことができるようになっている。レベル制になったことでレベルアップ時に種族アップデートされたり、浄化装置で戻せたりとこれまでのシリーズで一番気軽に変化させることが可能となっている。
- でも3でモンスター使ったことって全然ないな…。メカは後半強いので使うんですが。
- 3のプチ攻略としては、サイボーグ(メカの一歩手前の形態)だと武器を装備することでステータスが上昇するんですが、このとき消費武器(使うと無くなるやつ)を装備して使い切ってもなぜかステータス上昇効果がそのまんまになっています。消費武器を使い切る→新しい消費武器を装備を繰り返すことで延々ステータス上昇が可能(めちゃ手間はかかりますが)。というか元ゲーのこれバグだと思ってたのにコレクションでも使えるということは仕様なのか…。
フィールドアクションとしてはジャンプができるようになり、これで穴や障害物をよけるというギミックが追加された。天井がある所でジャンプすると頭を打ち付ける小ネタが楽しいw
ゲーム中にはSaga2からのゲストとして、かつての主人公一家(らしき人)も登場する。ちゃんと前回のエンディング通り三種の神器をくれるのが嬉しいね。
ラスボスであり、世界に魔物や水がめの脅威を生み出した神「ラグナ」とのラストバトル。何度見ても芽の生えたジャガイモにしか見えん見た目だw
- 最終バトルにステスロスが援護してくれるところとかイベントの展開はかなりアツかったり、攻撃が苛烈極まりないのでラスボス感は非常に強いんですが。
ようやくSaga3もクリア。前二作と比べるとレベル制になったためか、割とボス戦が強めで稼がないと厳しめのバランスとなっている(稼ぎ自体は凶悪な全体攻撃があるため楽ではありますが)。特に序盤でありながら全体攻撃持ちの「カオス」や、凶悪なホーリー+態異常持ちの「ボルボック」あたりが結構な壁になりがち。
- 通常プレイではボス戦では聖剣が一番のダメージソースになるので、どうしても聖剣でひたすら殴る+全体回復というパターンになりやすいところもちょっと気になる。システムが分かってくるといろいろ出来て面白いんですが。
ということでシリーズ全作クリアできたので、この辺で「Sa・Ga COLLECTION」 というソフト通しての評価点や不満点などをまとめ。
- まず良いところは、シリーズ共通で「倍速」モードが搭載されていること。これがまぁ非常に便利な機能で、もともとGB作だっただけあって今遊んだら微妙にもっさりした動作がキビキビ動くのは非常に快適。これ今後コレクションシリーズ出すときは標準装備にしてほしいわw
- 次にボタン配置をある程度いじれること。特に操作頻度が高いスタートボタン動作をXやYボタンあたりに割り振れるのはありがたい。とくにセレクト+決定ボタンで戦闘早送りができるSaga3だとこのボタン変更機能はマジでありがたい(Xあたりにセレクトを置いておこう)。
- ただ、せっかくのボタン割り振り機能だが、どういうわけか「決定ボタン(Aボタン)」がボタン押しっぱなしで早送りという設定固定になっているのはちといただけない。これの何がアレかって、感度が敏感過ぎて宝箱を何度も明けたりNPCに何度も話しかけてしまった理が頻発。せめて決定と決定早送りは別々のボタンに設定できるようにしてよ…。マジでこれ慣れるまで頻発する。
- またSaga2独特の問題点としては、カーソルがやたら滑る(元からこうだっけ?)。これが高速モードと相性が悪く、戦闘中は本当に選択ミスが多発します。後半の強い雑魚相手ではワンミスが命取りになりがちなのでこれはマジで困る(Saga1とSaga3ではあんまり発生しないので、Saga2固有の問題っぽい)。
- Saga3の問題としては戦闘終了時に肉やロボパーツが出現した時、デフォルトの選択肢が「はい」になっているので、前述のボタン早送りの仕様と合わせてうっかり肉喰いしてしまいやすいこと。Saga1や2の場合はモンスター以外変化しないため先頭に置かなければ良いだけだが、Saga3の場合、誰がうっかり食べても変化してしまうため結構厄介。
全体的には、やはり名作はいつ遊んでも名作。倍速処理のおかげでゲームテンポも相当良くなっていますし、クリアまでの時間もそこまで長いものでもないため遊びやすいのも良いところ。ちょいちょいセールしていますし、三本分も遊べるのでオススメですよ。